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α7レビュー2 - ISO感度別ノイズテスト

2013年11月28日 カメラ・写真
α7レビュー1 - 唯一シャッターだけがややイマイチ」からの続きです。今回はISO感度別に、ノイズの発生量をチェックしてみました。

α7に搭載されているイメージセンサーは、ソニー製2400万画素のフルサイズセンサーです。APS-Cサイズのイメージセンサーとは違い、ノイズ量はテスト前からまったく心配していません。α7のISO AUTO設定では、ISO下限とISO上限を設定できるので、自分で許容できる範囲がどこなのかをチェックしておくのは悪くないことです。

ソニーAPS-CセンサーのISO感度チェックは以下になります。
画素数的には、NEX-7もα7も同じ2400万画素です。APS-CのNEX-7のノイズ量は、自分的に満足できる範囲になく、ISO400でも使いたくないくらいのカメラでした。果たして、フルサイズのα7ではどこまで使えるでしょうか。

ISO100

まずはISO100から。画像はクリックで等倍画像(6000*4000)が表示されます。等倍だと重いですが、センサー性能を確認するためのノイズチェックには、等倍画像が必要です(撮影はすべてRAWで行い、Lightroom5.3RCで色温度だけそろえて、後はCamera Standardのデフォルトのまま出力しています)。

α7 ISO100
1/30秒 ISO100 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

あっ、いきなり失敗画像でした…。
どこにピントが合っているかわからないひどい画像になってしまいました。
α7では、AF-Sに設定していても、なぜか変なところでピントが合ってしまうことがあります。

画角は異なりますが、同じISO100で撮った別の写真を載せておきます。
α7 ISO100b
1/30秒 ISO100 F5.6 28mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

今度はちゃんとピントの合っている画像です。ピントも合っているし、ブレてもいません。それでも画像はひどいですね。これは、キットレンズのFE 28-70mm F3.5-5.6 OSSの性能がひどいだけで、撮影は失敗していません。このレンズのレビューは、「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSレビュー2 - シャープネステスト」に載せています。

さて、本題のノイズチェックに入ると、さすがはISO100、全くノイズを心配する必要はありません。ここからISO感度を1段ずつ上げてチェックしていきます。

ISO200

続いてISO200。
α7 ISO200
1/60秒 ISO200 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

ISO200も全く問題ありません。NEX-7では、ISO200ですでにシャドウ部が怪しくなってきますが、α7では問題ありません。

ISO400

続いてISO400。
α7 ISO400
1/125秒 ISO400 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

ものすごく厳密にチェックした場合に、ISO200よりもわずかに粒状感がアップしています。でも、全く問題のない画像です。APS-CのNEX-7では、ISO400で撮影すると青空がまだらになるくらいのノイズが発生していて、ISO400の使用を躊躇するくらいでした。α7では何の躊躇もなくISO400が使えます。さすがはフルサイズセンサーです。

ISO800

続いてISO800。
α7 ISO800
1/250秒 ISO800 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

ISO400よりも少し粒状感がアップしました。シャドウ部の階調はしっかり残っていて、常にISO800で撮っていても問題なさそうなくらい見事な出来です。

ISO1600

続いてISO1600。
α7 ISO1600
1/500秒 ISO1600 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

ISO1600でようやく高感度っぽいノイズが見えるようになってきました。等倍でチェックした場合に、少し粉っぽく見えます。でも画像に破綻をきたすようなカラーノイズは発生していません。実用上ISO1600でも何の問題もないです。NEX-7のISO400と同等か、シャドウ部の階調まで含めればα7のISO1600の方が良いくらいです。シャープさや色が崩れていないのも見事です。

ISO3200

続いてISO3200。
α7 ISO3200
1/1000秒 ISO3200 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

粒状感がアップして粉っぽくなり、やっと「高感度画像」という感じになってきました。まだほとんど色褪せてもいなくて、ISO3200も普通に使えそうです。

ISO6400

そして最後に、ISO AUTOの上限にデフォルトで設定されているISO6400。
α7 ISO6400
1/2000秒 ISO6400 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

あっ…ISO6400も使えそうです。シャドウ部のノイズは確実に増えていますが、高感度ISO6400であることを考えたら見事です。画像サイズは2400万画素もあるので、ノイズリダクションや縮小処理を入れれば、もっと見栄え良く仕上がるはずです。高感度撮影に強いニコンD700でも、ISO6400にもなると色が薄くなっていました。α7の方がISO6400の画像は確実にきれいです。

ISO12800

最後にISO12800。
α7 ISO12800
1/4000秒 ISO12800 F5.6 41mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

ISO12800になると、もう色がおかしいです。これは緊急用という感じです。色さえ気にしなければ、ノイズ量的にはまだまだいけそうですけどね。白黒派の人なら、常用しても大丈夫そうです。

というわけで、α7はISO100からISO6400まで、期待通りの性能を見せてくれました。ISO AUTOの下限はISO100、上限はISO6400のままで問題無さそうです。APS-C用イメージセンサーとは別次元の結果を見せつけてくれました。これだけの明確な性能差があるからこそ、どうしてもフルサイズ信仰になってしまいます。ノイズの感じ方は人によって違うので、NEX-5RNEX-7のサンプル画像と見比べてみてください。

拡張感度ISO50テスト

おまけで、拡張感度ISO50の撮影テストもしてみました。

これがISO50の画像です。

■ISO50
α7 拡張感度ISO50
1/320秒 ISO100 F6.3 34mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)

そしてこれがISO100の画像です。

■ISO100
α7 ISO100c
1/640秒 ISO100 F6.3 34mm(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)


正直、ISO50もISO100も違いがわかりません。もしかしたら、ハイライト側のダイナミックレンジに影響があるのかもしれません。上の写真のような明るさだとISO50でも問題ないです。α7は1/8000秒という高速なシャッターが切れるので、ISO50と1/8000秒を活かした撮影も面白そうです。

高感度撮影サンプル

最後に、α7の高感度で撮影した写真のサンプルでも載せておきます(まだ3度目のα7を手に入れてから10日も経っていないので、あまりサンプルも多くないのですが)。ノイズリダクションと縮小処理をかけて、実際の利用シーンに合わせてみました。


■ISO2500
α7 ISO2500サンプル
上の写真は、ISO2500で撮影した写真です。ISO2500でも色が悪くならないのが良いです。紅葉した葉の色も、エメラルドグリーンの川の色も、高感度で楽々撮影できました。4Kサイズの横幅3840ピクセルだと少しノイズを感じますが、フルHDサイズの横幅1920ピクセルだと、ほとんどノイズレスです。


■ISO2500(夜景)
α7 ISO2500夜景サンプル
続いて、同じISO2500で夜景を撮影してみました。シャッター速度1/60秒で手持ち撮影です。高感度が使えると夜景撮影も簡単です。観覧車のような動く被写体の場合、三脚を使って低感度で撮影しても、被写体ブレを起こした写真しか撮れません。α7のように高感度が実用的だと、速いシャッターが切れて本当にありがたいです。


■ISO5000
α7 ISO5000サンプル
今度はISO5000で撮影してみました。雨の降っている暗い山でマクロ風な撮影になると、どうしても高感度が必要になってきます。試しにISO5000で撮影してみたのですが、赤いキレイな色も、葉に付いた水の表現も悪くなくて驚きました。ISO5000でも全然いけます。

まとめ

というわけで、α7の高感度は見事なものでした。

5年前にフルサイズのニコンD700を使い始めてから、画質には大変満足していたものの、重さには苦労していました。軽いマイクロフォーサーズやAPS-CのNEXシリーズを使ったりもしましたが、画質では妥協しないといけない面がずっとあって不満でした。ようやくソニーからフルサイズのミラーレス一眼が発売され、α7は期待通りの性能を見せてくれました。別にソニーでなくても、フルサイズのミラーレスさえ発売してくれれば、どの日本メーカーのカメラでも買うつもりでしたけどね。これからはソニーのカメラと長い付き合いになりそうです。


追記ソニーα7Rとα7のマウントがふにゃふにゃな件



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