カールツァイス Touit 1.8/32 レビュー2-性能チェック編-
2013年07月24日 カメラ・写真

みんぽすからお借りしたからカールツァイスの「Touit 1.8/32」レビューです。前回の「カールツァイス Touit 1.8/32 レビュー1-開封編-」に続いて、今回はこのレンズの各種性能をチェックしてみようと思います。
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軸上色収差チェック
まずは色収差チェックから。色収差が出やすい条件で撮影してみました。
1/80秒、F1.8、ISO100、32mm絞り開放で、撮ったのが上の写真です。軸上色収差で紫色になっている部分があります。また、球面収差で白っぽく解像が低いのも見て取れます。
絞り開放で軸上色収差が出やすいのは仕方ないだろうと、今度は条件を変えて、一段絞ってF2.5で撮影してみました。

1/80秒、F2.5、ISO100、32mm右上が完全に紫色になってしまっていました。いわゆる「パープルフリンジ大爆発」ってやつです。
最近は、蛍石に匹敵する性能を持つガラスを使って、軸上色収差を徹底的に押さえ込んだ「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM」と「富士フイルムXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS」を使っていたので、これだけ激しく軸上色収差が出るレンズを懐かしく感じました。
逆光耐性チェック
続いて、逆光耐性をチェックしてみました。公式ページによれば、カールツァイスT*反射防止コーティングの効能が書かれていて、かなり期待できます。カールツァイスT*反射防止コーティング
ZEISSレンズの表面は、すべてT*アンチレフレックスコーティングと光学デザインが施されており、これが、光の状態が悪いときにもすばらしい画像を生み出します。
で、撮ってみた写真がこれです。

1/125秒、F5.6、ISO100、32mm右上からの太陽光線の差し込みにより、フレアが発生して完全にコントラストが落ちてしまいました。
今度は少しだけ角度をズラして撮影してみました。

1/160秒、F5.6、ISO100、32mm変なゴーストが写ってしまいました。
「Touit 1.8/32」には、ソニーのミラーレスカメラには少し大げさなフードが付いていて、逆光耐性には期待していましたが、条件によってはそれほどでもないようです。T*反射防止コーティングでも防ぎきれないようです。
歪曲チェック
次は歪曲チェックです。
1/80秒、F4.5、ISO100、32mm標準レンズとしてはごく普通の樽型歪曲となりました。
訂正:EマウントのTouitレンズは、ボディ側の各種電子補正に対応していたようです。ボディ側の設定でレンズ補正の「周辺光量」「色倍率収差」「歪曲収差」をオンにすることで、レンズ側が持っている補正量のプロファイルを読み込んで補正をかけることが可能だったようです。ボディ側のファームアップデートも必要なく、ボディ側の項目をオンにするだけで自動歪曲補正がかかったようです。自動歪曲補正が効かないというのは誤りでした。上の写真は、RAWで撮影してそのまま現像した写真のため、自動歪曲補正が効いていない状態でした。お詫びして訂正します。
点光源ボケの形
絞り開放で点光源ボケを作ってみました。
1/80秒、F1.8、ISO100、32mm絞り開放では、絞りの形状も関係なく、ボケ方もキレイです。ボケの重なり方が美しいです。
続いて、同じ被写体を少しズラして撮影してみました。

1/80秒、F1.8、ISO100、32mm四隅に近づくにしたがってボケは猫の目状になります。特別ひどいボケの形ではなく、普通レベルかやや良いレベルだと思います。最近の非球面を使ったレンズとは違って、ボケの中に年輪状の渦がないのがいいですね。
ボケ味チェック
「Touit 1.8/32」は、絞り開放F1.8と明るいので、ボケ味を活かした写真を撮ることができます。気になるのは、もちろんボケ味。絞り開放でチェックしてみました。
1/1600秒、F1.8、ISO100、32mmこの写真だと、かなりきれいにボケています。いいボケ味です。
続いて、被写体を変えて撮影してみました。

1/320秒、F1.8、ISO100、32mm今度は一転、二線ボケでうるさいボケ味となりました。
いろいろ撮ってみてわかったのは、「Touit 1.8/32」は、基本的に美しいボケ味です。撮った後にうっとりできる嬉しいレンズです。たまに絞り開放でうるさいボケ方になるときもありますが、それだけを見て「ボケ方が汚い」と判断するには早すぎます。
続く
あとはAFチェックとシャープネスチェックが残っています。記事が長くなってしまったので、次に続きます。続き:Touit 1.8/32 はAFがちょっと残念。あとシャープネスチェック
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