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モバゲーをけなす30代男性を見て思うことを見て思うこと

2010年09月13日 ゲーム全般


村上福之の「ネットとケータイと俺様」にこのような記事がありました。
ぼくらが子供の時言われたこと」として、今と昔の比較が4件載っていました。自分も今年30代になったので、本当に昔、そんなことを言われていたのかを検証してみることにしました。


今と昔(1) 「ファミコンは一過性のブーム。」???
「ファミコンは一過性のブーム」だなどと、一度も言われたことはありませんでした。むしろ、うちの親と一緒にファミコン本体を買い、我先にと遊んでいました。しかも、子供が寝静まった後、夜な夜なうちの親がずっとファミコンをやっていました。

今と昔(2) 「子供は任天堂に騙されてる。」???
我が家では、子供のお年玉と足りない分は両親のお金を使ってファミコンを買いました。もし騙されているとしたら、それは大人の方です。うちの親は騙されるどころか、「任天堂は昔、花札作ってたんだぞ」と教えてもらったりもしました。任天堂は当時からすでにゲームのエキスパートの会社で、それは今も続いています。今週発売される「ポケットモンスター ブラック」は、先週地元で調査したところ、初週に全国150万本は突破する勢いで予約が入っていました(ホワイトバージョンと合わせれば300万本です)。

今と昔(3) 「何千円もかけてビックリマンシールを集めて何が楽しい?」???
「ビックリマンシールを集めて何が楽しい?」なんて聞かれたこともありません。もちろん何千円もビックリマンシールをまとめ買いするようなお金もありませんでしたが(買いすぎるとビックリマンチョコを食べきれないと思います…)。小学生なので自分でビックリマンチョコを買うお金はなく、母親のおつかいに付いていって、毎回ビックリマンチョコを買ってもらっていました。そのとき「何が楽しい?」なんて冷たいことを言われたことは一度もありません。

今と昔(4) 「マンガのどこが面白いのか。ワシが子供の頃は三島由紀夫とか森鴎外とかもっと崇高な文学を読んでおったわ!」???
小説が上でマンガの方が下だなんて、そんなことは言われたこともありません。それどころか、毎週うちの父もジャンプを読んでいました。周りに頭の固い人が多い環境で育った人もいるのかもしれませんが、うちの周りは全然そんな感じじゃありませんでした(うちの父は今年66歳になります)。


ということで、5.永遠に繰り返されるの大人の法則
大人は若者が楽しむ新しいものを理解しない。
は、間違っています。少なくとも我が家では。


これを踏まえた上で、モバゲーの危険性について考えてみたいと思います。

8月31日のCEDECで、モバゲータウンを運営するDeNAの南場社長が、任天堂を老害扱いしました。
「任天堂やソニーは、人間でいうと還暦を過ぎている。日本で過去30年間に生まれた企業が、世界のリーダーに上り詰めたケースはまだないが、その歴史を変えていく」

【ドラマ・企業攻防】ゲーム界“下克上” 交流型が勃興、王者・任天堂ピンチ!?
任天堂やソニーは、人間でいうと還暦を過ぎている」の発言は、まるで還暦を過ぎることが悪いかのような発言です。人生の先輩を敬う気持ちが見あたりません。しかも人間と違って、企業では新陳代謝があり、常に変化し続けているため、「還暦」という考え方が果たして正しいのかどうかもわかりません。任天堂の創業は明治22年ですし。老害化した企業が、変わりゆく次世代の子供たち相手に、何百万本も売れるゲームを作れるのかどうか。

さて、自分はモバゲーユーザーではないので、モバゲーのユーザー層がどの辺りなのかはよく知りません。「モバゲーをけなす30代男性を見て思うこと」の記事は、子供が対象となっている内容でした。「子供」とは、ここでは小学生を指す言葉として考えてみます。

小学生の頃というと、お金は自由に使えません。あまりお金を持っていないのはもちろんのこと、お金の使い方、お金の重要性についても、まだ理解できていない時期だったりします。もしそんな時期に、小学生がケータイからパカパカと課金して、お金を使いまくってしまっているのだとしたらどうでしょう。お金の使い方もわかっていない小学生から、お金を巻き上げているようなイメージを持たれてしまっても仕方ありません。小学生にとって、「はじめてのおつかい」はドキドキの体験です。お金を使って、代わりに何かを得る、人とのコミュニケーションがあり、お金の使い方を覚えます。それが、ケータイから人とのコミュニケーションもなしに、気付かないうちにお金を浪費しているのだとしたら、とても危険な状況です。

もしかしたら、上記記事での「子供」の定義は、中学生や高校生なのかもしれません。中学生はまだしも、高校生にもなればお金の使い方はもうわかっているはずです。課金によって浪費することの危険性も理解できます。しかし、自分でケータイ代を払っている高校生(バイトとかをして)は良いとして、親にケータイ代を払ってもらっている高校生はどうでしょうか。課金で請求額が膨れあがったら、家族はどう思うでしょうか。どこかのタイミングで、家庭内で問題になると思います。

モバゲーでヘビーユーザーとなり、お金をたくさん払っているのは小学生ではなく、もしかしたら中高生でもないのかもしれません。もう少し上の世代がターゲットのような気もします。そのことについては、モバゲーについて自分の知識が足りていない部分もあり、よくわかりません。ただ、子供がターゲットでないとすると、「モバゲーをけなす30代男性を見て思うこと」の「子供の気持ちに理解できない大人」についての記述も当てはまらなくなります。「ぼくらは大人になってしまった」から「モバゲーをけなす」のではなくて、モバゲーの危うさに勘づいている大人たちが、子供たちあるいはモバゲーへ警鐘を鳴らしている結果なのではないでしょうか。

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