4章 †
◆あの ぬけあな べんりなんだけど
とおるたびに どろだらけに
なっちゃうんだよ。
◆それに ナメクジの
べたーっとしたものも くっつくし。
◆シャワーあびてるから
そこらへんで くつろいでて。
◆どーいうわけか こんな ごうかな
へやを あたえられてるんだ。
◆ふたりとも
シャワーを あびろよ。
◆おんせんも あるぜ。
◆はなしは それからでも
おそくない。
はい いいえ
◆つかれてるし よごれてるだろ?
◆シャワーを あびると
すっきりするよ。
はい いいえ
◆いそぐきもちは わかるけど
あなたたち くさいわよ。
◆いいから シャワーをあびなさい。
はい いいえ
◆ワンちゃんは どう?
◆シャンプーしてあげよっか。
ワン! ワン?
◆いいから シャワーをあびろ!!
シャワーを浴びた後
3人は 3年間の空白を
埋めあわせるかのように
長い時間 話しあった。
助けた サルのこと。
オソヘ城で 手に入れた
ハミングバードのタマゴは
いまだに
行方が わからないこと。
DCMCのメンバーに
記憶を失ったままの
[ダスター]が いるらしいこと。
そして タツマイリの村を
すっかり様変わりさせてしまった
怪しい軍団のこと・・・。
バラバラに散乱した
ジグソーパズルを 集めるように
彼らは 知っていることを
話し 考えをつなげていった。
この先の戦いは
決して 楽なものではない。
そのことだけは すでに
よくわかっていた。
強くなりたい・・・。
[リュカ]は このごろ 本気で
そう思うようになっている。
◆・・・というわけで
やっと ここに もぐりこんだところさ。
◆でも [ダスター]の
きおくが もどらないかぎり
ハミングバードのタマゴの
ゆくえは わからないまんま。
◆このままだと いつ
ブタどものてに わたってしまうか
わからねーってわけだ。
◆[リュカ]。
◆[ダスター]にあって
はなしを してみてくれ。
◆おまえたちに あえば なにか
おもいだしてくれる かもしれない。
◆そとには みはりがたってる。
◆あんなやつら てきじゃないんだが
いまは ことを おおきくしたくない。
◆ここの はしごから
やねうらを とおっていけば
[ダスター]のへやまで いける。
◆とおまわりだけど
そのほうが かくじつだ。
◆オレは DCMCの
メンバーを あつめておくよ。
◆やつらにも じじょうを
せつめいして やらないと。
◆じゃあ またあとでな!
4章 やねうらのネズミ †
◆チュー?
(なんね。
タカシね?
いままで どこで
なんば しょったとね?
ぼんも しょーがつも
いっちょん かえってこーじー
じーちゃんも ばーちゃんも
たいちゃー さびっしゃー
しとったたい。
どがんね?
はら へっとらっしゃっじゃろ?
このみパンば やっけんね)
◆チュッチュッチュー。
(あさんなー たまにゃ
かおば みせにこんばでけんぼ)
◆チューチュチュチュ?
(おりよー。
タカシっしゃんな
かえって きんしゃったとね?
また こづかいば
ねだりに きたとじゃろーか?
よかよか。
ばーちゃんの もっとったっちゃ
つかいみちの なかけん。
じーちゃんにゃー ないしょに
しとかんば でけんよ)
◆チューチュチュ。
(いつかえって くっじゃろか
ちゆーて
たいちゃー まっとったたい)
◆チューチュー。
(おりょー。
そのよに もっとったっちゃ
もちきれん やろーだ?
まっとっけん おいてきんしゃい)
◆チュー。
(ありゃー。
もう もちきれんごたーね。
よかたー。
また きんしゃい)
◆チューチュチュチュ。
チューチュチュチュ。
(ばーちゃんたちが ここに
おっけんちゅーて
だいにでん おしゆっぎ でけんぼ。
ばーちゃんたちゃ まーだ
なーご いきとかんばでけんけんね。
よーしとかんば。
よーしとかんば。
よかね)
◆チュー?
(ねぇ じーちゃん)
◆チューチュチュチュ。
チューチュチュチュ。
(ほんなこと。
ばーちゃんの ゆーとおりばい。
じーちゃんたちが ここに
おっちゅーことが
だいかに しるっぎんた
おいどんのごたー としよいは
しゃーいでんなか。
さんげんどないの やましたさんがたも
そがんして
すっぱい けされてしもーたけん。
よーしとかんば。
よーしとかんば。
よかね)
◆チュー?
(ねぇ ばーちゃん)
やねうらのネズミ・訳 †
◆チュー?
(なんだ。
タカシね?
いままで どこで
なにを してたの?
ぼんも しょーがつも
ぜんぜん かえってこなくて
じーちゃんも ばーちゃんも
とても さびしく
思ってたんだよ。
どう?
おなか へってるんでしょ?
このみパンを あげるからね)
◆チュッチュッチュー。
(おまえは たまには
かおを みせにこないといけないよ)
◆チューチュチュチュ?
(あらー。
タカシか。
かえって きたんだ?
また こづかいを
ねだりに きたんでしょ?
いいよいいよ。
ばーちゃんが もってても
つかいみちが ないから。
じーちゃんには ないしょに
しておかないと いけないよ)
◆チューチュチュ。
(いつかえって くるだろうか
といって
とっても まってたんだよ)
◆チューチュー。
(あら。
そんなに もってても
もちきれない でしょ?
まってるから おいておいで)
◆チュー。
(ありゃー。
もう もてないみたいだね。
いいや。
また おいで)
◆チューチュチュチュ。
チューチュチュチュ。
(ばーちゃんたちが ここに
いるからといって
だれにでも おしえたら だめだよ。
ばーちゃんたちは まだ
ながく いきないといけないからね。
だまってないとだめだよ。
だまってないとだめだよ。
いいね?)
◆チュー?
(ねぇ じーちゃん)
◆チューチュチュチュ。
チューチュチュチュ。
(ほんとに。
ばーちゃんの いうとおりだよ。
じーちゃんたちが ここに
いるということが
だれかに しれたら
おれたちのような としよりは
どうしようもない。
さんげんとなりの やましたさんのうちも
そうやって
すっかり けされてしまったから。
だまってないとだめだよ。
だまってないとだめだよ。
いいね。)
◆チュー?
(ねぇ ばーちゃん)
4章 ラスト †
ボンボヤージュ・アミーゴ
これから 旅立つともだちに
天にいる 誰かさんよ
どうぞ おくりものをやってくれ
あいつと おれたちは 笑いながら
ろくでもない時間を すごした
だけど 天にいる 誰かさんよ
その ろくでもない時間や
どうしょうもない笑顔が
おれたちも あいつも 大好物だったのさ
ボンボヤージュ ボンボヤージュ アミーゴ