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マウントアダプタの光漏れの件1-原因編-

2013年12月18日 カメラ・写真
マウントアダプタ

「誰も作らなかったカメラ」こと、フルサイズのミラーレス一眼を作ったソニー。そのカメラで使えるレンズは、12月18日現在、α7本体とセットでのみ買える「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」と「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」の2本のみです。そのうち1本の「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSの性能」は、期待を大きく下回り、散々な内容でした。また、APS-C用のズームレンズの半数近くは、α7で手ぶれ補正が効きません

使えるレンズが少ないことは初めからわかっていたことです。少ないレンズラインナップは、マウントアダプターでニコンのレンズを付けることで克服しようと考えていました。すでにNEX向けニコン用マウントアダプターは持っていて、NEX-C3を試したときにも使っていました。結局、NEX-C3はグリップが滑って握りにくい、シャッタータイムラグがありすぎる、等の理由からすぐに使わなくなったのですが。

さて、今回はα7を購入したということで、新規にニコンGタイプのレンズに対応するマウントアダプターを買ってみました。左が新しく買った絞りリングのないニコンGタイプのレンズに対応するマウントアダプター、右が絞りリング付きのニコンレンズに対応するマウントアダプターです。
2つのマウントアダプタ

新しく買った「ニコンF(G) - α Nex アダプター」は、新品で3,980円という格安のマウントアダプターです。本体のα7を買ったらオリンパスのデジカメが届いたり、モニター保護セミハードシートを買ったらいつまで経っても届かなかったり、α7関係の配送はトラブル続出の中、このマウントアダプターだけは迅速に配送してもらえました。

届くまでは、価格が安いだけに造りが心配でした。届いてチェックしてみると、意外とガタはないし、造りも問題無さそうで一安心でした。

早速、曇りの日に持ち出してテスト撮影してみると、何の問題もなし。「おぉ、3,980円なのにやるな!」と思いました。Gタイプのレンズは絞りリングが付いていないため、絞り調整はマウントアダプター側の絞りリングで調整することになります。絞り値の目安がないので、勘での操作になります。絞り優先モードなら、絞り開放のところのシャッタースピードを覚えておいて、絞りリングを回したときにシャッタースピードを見れば、今どれくらい絞ったのかがわかります。正確な絞り値がわからないのが少々不便なのと、急いで絞り値を変えたいときに調整できないのが不便だったりします。

ただ、一点嬉しい発見がありました。マウントアダプター側の絞りリングは、無段階調整が可能です。したがって、絞りを調整しても、無音なんですね。レンズ側に絞りリングが付いている場合、絞りリングを回すとカチカチ音が鳴ります。マウントアダプター側で絞りリングを回した場合は音が鳴りません。これは動画撮影時に有利になる使用方法です。

「これは使える!」と思って、夜景を撮影してみたら、気になるゴーストが発生しました。下の写真の右側に見えているオレンジ色の部分です。
マウントアダプタの光漏れ 夜景


何度か角度を変えて撮影してみても、割とよくゴーストが出てしまいました。ニコンのAF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gは、安くて軽いのに超優秀な写りです。Nikon Dfのキットレンズに、兄貴分の50mm f/1.4Gを差し置いて採用されるくらい優秀なレンズです。ゴーストの出やすい夜景撮影とは言え、「そんなにゴーストが出るのはおかしいなぁ、マウントアダプター内の内面反射処理が良くないのかなぁ」と思っていました。

まぁ、日中に気になるゴーストは出なかったので、特に問題はないだろうと、ちょっと遠出してこのマウントアダプターを使ってみることにしました。

結果…

右上に謎のフレアが!
マウントアダプタの光漏れ4


あれっ、おかしい…と思って、縦位置で撮影しても、白くなってコントラストが落ちてしまいました…
マウントアダプタの光漏れ1


絞りリングを回しながら何度も撮影していると、フレアが出る場合もあれば…
マウントアダプタの光漏れ2


フレアが出ない場合もある…!
マウントアダプタの光漏れず1


しかもフレアが出た場合は、色温度が全く違う写真になっています。何かがおかしいです。曇りの日のテスト撮影では何も問題がなかったので、原因は「光」以外考えられません。

すでに自宅から300km以上離れたところに来て、なぜかこんなところでマウントアダプターのテストを始めることになってしまいました。


軒先に入って撮影してみると、全く問題ありませんでした。ニコンレンズの美しい写りが楽しめます。強い光がなければ問題ないようです。なお、この「老木」は、中に大きな栗が入っています。あんこと栗が好きな人にはオススメです。
マウントアダプタの光漏れず3


画面内に強い光源が入っているとフレアやゴーストが発生するのかと思って、右上に照明を入れて撮影してみました。問題ありません。
マウントアダプタの光漏れず2


う〜ん…?


マウントアダプターの内面反射処理の問題にしては、出るときと出ないときに差があります。強い日光の元ではずっとコントラストが落ちていました。理由がわからなくなってしまいました。

自宅から300km以上先の地で悩み、そして諦めました。

理由がよくわかりません。

帰路の途中、「なんでフレアやゴーストが発生するんだろう。まるで光が漏れてるみたい」と頭の中でつぶやいて気付きました。「あっ、光が漏れてるんだ!」と。

マウントアダプタの光漏れチェック

家に帰ってきて、すぐにマウントアダプターのチェックを始めました。まずはニコンGタイプレンズとマウントアダプターの分解です。
マウントアダプタ1 マウントアダプタ2


マウントアダプターを単体にしてよく調べます。「光が漏れているのはどこだ!」と。
マウントアダプタ3 マウントアダプタ4


中と外、グルッと見渡して、光が漏れそうなところはここしかありませんでした。レンズのロックレバーのところです。というか、すでに向こう側が貫通していて丸見えになっています。
マウントアダプタ5


内側から覗いてもこの通り。マウントアダプターの外側が見えちゃっています。つまり、この部分が貫通していて外部からの光線がマウントアダプター内に漏れて、それが反射あるいは直接イメージセンサーに到達して、フレアやゴーストの発生源となってしまっています。
マウントアダプタ6


もう一度マウントアダプターにレンズを装着して、内側から覗いてみても同様でした。レンズを装着してピンが動いても、完全に外の光が見えます。これではダメです。

最後に、α7に装着して、このロックレバーの部分の外側から強い照明を当てて、ライブビュー画面を確認してみました。光を当てると簡単にコントラストが落ちます。ダメダメでした。

他のマウントアダプタはどうか

もう一つ持っているマウントアダプターでは、どのような加工がされているのか確認してみました。
マウントアダプタ8


外側から見ても内側から見ても、穴はありません。光が漏れるような箇所は見当たりませんでした。
マウントアダプタ7 マウントアダプタ9



というわけで、今回買ったニコンGタイプ用のマウントアダプターは大ハズレでした。光が漏れまくりで、まともに使えません。強い光が差し込まないような環境であれば問題に気付きませんが、光が差し込むとアウトです。ダメでした。

一応、光が差し込まないようにする対処法も考えてみたので、次の記事に書いてみます。


次の記事マウントアダプタの光漏れの件2-対処編-