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「堀江貴文逮捕による本当の損失」の反響について思うこと

2007年03月19日 プログラミングTIPS
堀江貴文逮捕による本当の損失」の反響が予想以上に大きくて驚いています。

このエントリーは、ホリエモンに対する偏った意見を膨らませていき、最後は「想像オチ」で終わらすエントリのつもりでした。
偏見を長文で書き綴ったのは、最後の「想像オチ」にインパクトを付けるための前フリでもありました。
したがって、ブックマークされたときのタグとしては単純に、「ネタ」の2文字が最適だろうと予想したりもしてました。
でも、実際は「ネタ」のタグを付けた人はたった1人だけで、あとはいろいろとばらけました。

自分が考えていた以上に、堀江氏のことを、もう一度深く考え直してみた方が多かったように思います。
「俺もこのエントリ読んで時間を無駄にしたぜ!」くらいの軽いコメントが来るかと思っていたら、むしろ「同意」してくれる方が多くいました。
したらば元社長のけんすうさんに至っては、「結構同意」してくれた上に
ライブドア事件のせいで日本のWebコンテンツが育たなくなった::したらば元社長日記
まで投稿してくれました。

ほぼ似たようなタイミングで
ITmedia アンカーデスク:ホリエモン待望論
が掲載されたことにも驚きました。


なぜ「堀江貴文逮捕による本当の損失」を「想像オチ」で終わらせたかというと、これだけ偏った意見を正当だと言い切ることはできなかったからです。
もちろん、”自分が考えてもいないこと”を文章にすることはできないので、考えていたことの一部であることは確かです。
でも、彼がやってきた悪い方面のことも知っていれば、良い方面のことだけを並べて、「彼は悪くない!」と言い切ってしまうのには問題があります。
「時代の寵児」だともてはやし、「金の亡者は地獄に落ちて当然」と煽るマスコミ。
彼がやってきた事業、目指していた未来のことを考えずに、マスコミの意見に振り回されるのはどうだろうか。
それこそ、インターネットを嫌う既存マスコミの思惑通りではないか。
せめて、インターネットを利用するものなら、彼の真意を受け取ってあげても良いのではないだろうか。
こんな風に煽った文章を書くことも普段の自分ではありえないことなので、いつもとは少し文体も変えて「想像オチ」にしました。
ツッコミどころ満載だったので、きつく言われるのが正直怖かったんです。
この”想像”の部分は、「想像オチ」の前フリとも言えるし、ツッコミを事前に避けた「逃げ」でもあったのでした。


その”想像”の部分に対して、いろいろとソーシャルブックマークやWeb拍手でコメントをいただけたことに、少し驚いたりもしています。


少し話が硬くなってきたので、前回の記事に自分で突っ込んでおきます。
粉飾決算をした → 粉飾はダメ!
もしも逮捕されなかったら… → 逮捕されちゃダメ!
いろいろなサービスをパクった → パクリはよくない!
元々プログラマだったが故に…計算できる → 裏付けなし!

はてなブックマークコメントの方での意見も一部紹介させていただきます。
すべて株価をつりあげるための演出だから買収や開発にかかるコストについて大した計算をしなかったとも考えられるけどね。
世の中って時にこういう業界を盛り上げる存在を迫害し、無意味な機会損失を産んでいる気がする。残念といえばLivedoor Wirelessが残念だったな。
そうだねえ…。とはいえ、逮捕されると、”この人の目的はこうだったのに!” って話がでてきて、それがちょっと説得力があるのがおもしろい。
ということでポストLivedoorを作ろう
良い面を取り出した記事。確かに事実の一部ではあるかもしれない
寡占による弊害。
スパプログラマだぞ彼w なんでみんな知らないんだ?w
近鉄やフジテレビ買収の時のように、都合のよい状況を利用しただけの話では?独占に至るその企業の努力を無視して、寡占が問題だと騒ぎ立てて相手を悪者にして自分がそれに変わっても、結局その企業と同じなんじゃ?
我々は日本ヤフーへの挑戦者を必要としている、という点は同感。
世界レベルで開発スピードが脱落したか見極めがいるかな
ホリエモン = 技術屋 + 経営者
堀江氏を直接知らないからなんともいえないが、業績や方向性はよかったが、コミュニケーション部分で足を引っ張ってしまったのではないだろうか。発展させるために上場が良い方法なのか?と考えてしまう。
個別の事例に関しては裏を取らないとなんとも、だけど、開発者云々は同意。 ハッカー的開発はまさに画家というか鍛冶師だから、部外者には品質の差もその差の元となる工程の差も、全て理解不能なんだよな。厳しい。
逮捕時の「ライブドアは虚業か?」論再びな感じ。ネット嫌いのマスコミはこういう内容を何があっても報じないのがもどかしい。ネットとマスコミがそれぞれポジショントークしてるどうしようもなさというか。
確かにweb業界にスピード感はなくなったな。でもホリエモンのスピード感は他人より1歩だけ先を行くというまやかしのスピード感だからな。人々が彼の背中を見失わない様にリードするという。
なんかかんだ言われているけど、社長としての堀江氏はすごい人物だったと思う。ここが(妄想も含め)わかりやすくまとめてくれた。
「ホリエモンは金儲けしか考えてなかった」と思っている人への記事。
ワイドショーのばばぁコメンテターに送りつけてやりたい「あんなの企業家って言わない!」だってさ、たぶんにライブドアのHPすらみた事ないだろうが・・
しかし、あの訴えを起こしている個人株主たちは、もし儲かってたら寄付なりなんなり、還元したのかねぇ。損したら「助けてくれ」って言って、得したら自分のもの?
こういう見方もあり。日があたれば影もできる。
信長は虐殺者か英雄か?むしろ平将門的存在かな?
こういう記事が書かれている時点でアウト? 彼が何を考えていたかなんて知る由もないが、彼の最大の敗因のひとつは、その思考や行動原理を大衆に広め理解を促し模倣感染させることに失敗した点にある、と
粉飾してなかったら個人的には同意できるんだけどね。ライブドア論争というのは結局のところ悪いことをして得たお金で良いことをしている人をどう判断するかということかな
俺にこれを張らせたがっているとしか思えない。ので張る。 >分裂勘違い君劇場 - ホリエモン以上に詐欺的なベンチャーの内情

これだけのコメントが寄せられたことに、改めてソーシャルブックマークのコメント欄のすごさを感じました。
堀江貴文逮捕による本当の損失」の最新のソーシャルブックマークコメントは、以下のページで確認できます。
はてなブックマーク - 堀江貴文逮捕による本当の損失
livedoor クリップ - 堀江貴文逮捕による本当の損失
「堀江貴文逮捕による本当の損失」- Buzzurl [バザール]

今後、ソーシャルブックマークコメントのメディア性みたいなものが発展するかもしれないことに先回りして、先日
はてブコメント最新情報
をリリースしました。
はてブコメント最新情報 - [Z]ZAPAブロ~グ2.0 の注目エントリー一覧」ページのように、ブログの注目エントリーのコメントを確認できるようになっています。
はてブコメント最新情報」は、「ソーシャルブックマークとソーシャルニュースの違い」で取り上げられたりもしました。


堀江貴文逮捕により、Web業界の発展・競争までもがなくなってしまった。
なんて、嘆くより前に自ら行動すれば良いと思います。
堀江氏が成功したところも失敗したところも、全て吸収して、消化して自分なりの形に作り上げていくことが大切だと思います。
立ち止まって、あーだこーだ文句を言っていても前には進めません。

個人的にも、ここ一ヵ月間でいろいろとWeb業界に関する実験やシステム作りなどをしています。
FLASHだって検索結果1位を目指せます!-SEO実験結果-
「Webデザインで特に注意すべき10のヒント」の間違い
顔にエフェクトをかけてプライバシーを守るWebサービスの作り方
URLに「oha」と入力するだけでYouTube動画をDLできる「ohaYouTube」
動画最新情報作りました
Flex2,ActionScript3.0が優れている9の理由とAjaxとの差
ニコニコ動画みたいなものを作ってみるテストと問題点
ニコニコ動画(β)終了に見るWeb2.0マッシュアップ時代への警鐘
個人にできることなら、企業の方も少しずつWeb業界の発展・競争のために動いていくことが大切だと思います。(もちろん、動いている会社もあります)
企業がダメなら、字幕.inの矢野さとるさんのように一人で50以上のサービスを作っていくのもありだと思います。(→satoru.net
トラフィックに価値があることは、「赤字で運営していたmixi」や「収入が驚くほど低いYouTube」などを見れば明らかです。
あのMicrosoftも、ようやく動画サービスの開始を決定しました。
ですが、日本では個人サービスが買収されるケースが少なく、その後の発展性には疑問を持つ点もあります。

はてなのnaoya氏が言うように、個人ではなかなか成功させられない部分に以下のようなものがあります。
naoyaのはてなダイアリー - ライブドアの技術の話
naoyaのはてなダイアリー - 大規模サービスを展開する企業が陥るジレンマ

ニコニコ動画が動いているところを見ると、
あのコメント量・負荷を捌けるシステムはすごいな
と個人的に感心してしまうのですが、一般の人にそんなことを言っても全然理解してもらえません。
YouTubeの動画の上にテキストを流すことは、「ニコニコ動画みたいなものを作ってみるテストと問題点」で実験成功しています。
ですが、大量のアクセスを捌くことは、これとは全く別の技術が必要になります。
大規模なサービスを展開できる企業の技術力はさすがだと思います。


決して、”虚業”なんかじゃないと思います。


虚業と言われる業界の裏には、毎日必死に働いている人たちがいることを忘れてはいけないと思います。






この件に関して、気になったサイトのリンク集

ITmedia アンカーデスク:ホリエモン待望論
ITmedia News:ライブドアショックから1年 平松社長インタビュー
Student magazine - 堀江氏が学生に与えた影響が地殻変動を巻き起こす
ムライBLOG@占いコンテンツ会社社長 - マーケティング
メカAG - 堀江貴文逮捕による本当の損失
かやくごはんの雑記帳:フリーズが解けない… - livedoor Blog(ブログ)
分裂勘違い君劇場 - ホリエモン以上に詐欺的なベンチャーの内情
ライブドアが普通に技術系であることについて -- 圏外からのひとこと出張所(ライブドア編)
ライブドアが意外と技術系っぽいことについて -- 圏外からのひとこと出張所(ライブドア編)
404 Blog Not Found:「サンデージャポン」2006.01.29