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SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS レビュー

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2014年12月02日 カテゴリ:カメラ・写真
SEL1635Z


ソニー銀行の口座とソニーカードを作ってまでソニーストアで予約注文した、Sony Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS。カードを作っている間にソニーストアでの第一次出荷受け付けは終了していて、一体いつ来るのかと連絡を待っていました。

連絡は予想より早く、発売日になってソニーストアからメールが届きました。「商品を発送いたしました」と。誰かがキャンセルしたのかどうかはわかりませんが、無事発売日の次の日にゲットすることができました。

ということで、まだ買ってから一ヶ月も経っていませんが、自分なりに最新の広角レンズの実力をチェックしてみましたので、公開します。

SEL1635Z開封

Sony Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSこと、SEL1635Zの箱を開封してみました。
SEL1635Z


レンズ本体、前後キャップ、フード、それからポーチと説明書類が入っていました。
SEL1635Z


コーティングは、カールツァイスの「T*(ティースター)コーティング」。大口径のズームレンズと違って、フィルターを取り付けられます。フィルター径は72mm。富士フイルム XF10-24mmF4 R OIS 外観レビューにも書いたように、夏にお借りしていた富士フイルムの広角レンズもフィルター径は72mmでした。あちらはAPS-Cサイズ用で、ソニーはフルサイズ用。フィルター径から見ても、ソニーがコンパクト化に力を入れていることがわかります。
SEL1635Z


重さは518g。フルサイズ用のF4通しレンズで手振れ補正付きと考えれば、なかなか軽いです。ボディ側に手振れ補正機構を持たず、レンズ側に手振れ補正機構を入れるしかないソニーEマウントシリーズでは、手振れ補正を外すわけにもいかず、この大きさが限界…と考えていました。買ってしばらくして、ボディ内手振れ補正付きのソニー α7II ILCE-7M2が発表されたのには驚きました。もしかしたら、レンズ内手振れ補正機構を省略して、もっとコンパクトな広角レンズが発売される可能性も出てきました。何年かかるかはわかりませんけど。なお、このレンズには手振れ補正を切り替えるスイッチやAF/MF切り替えスイッチなどの物理的なスイッチ類は付いていません。カメラボディの方から設定を切り替える必要があります。
SEL1635Z

α7に取り付け

α7に取り付けてみました。ソニーの設計陣がこれだけコンパクト化に力を入れているのにも関わらず、α7ボディが小さすぎて、レンズが大きく見えます。ちょっとかわいそうです。少し大きくなってグリップ力とマウント強度が増したα7IIなら、もっと見栄えは良くなるかもしれません。
SEL1635Z


操作感はというと、ズームリングはネットリとしていて遊びもなく、レンズ鏡筒の造りと合わせて、高級感のある操作感です。ただ、ズームリングの回転角はやや広めに作られているので、広角端から望遠端まで一気に回そうとすると疲れます。ズーミングの速さよりも、フレーミングの正確さを重視した結果だと思います。フードは、レンズとの取り付け部分が金属製で、その先がプラスチックの複合素材になっています。金属でカッチリはまるのは嬉しいところです。残念なのは、ズームで伸び縮みする方向。普通のレンズとは逆で、広角側にするとレンズが伸びて、望遠側にすると縮みます。バッグに収納するときは、常に望遠側に回してからしまわないといけないので、ものすごい違和感があります。広角側で縮むか、全長が一定のレンズだと良かったです。

ファーストインプレッション

α7に取り付けて、さっそく試写してみました。

「おぉ、広角側では絞り開放から中央部がキレキレ!」
「あれ、望遠側では絞り開放でゆるゆる…」

これが初めて撮ってみた感想でした。

望遠側35mm絞り開放F4で撮影した写真は以下になります。ピントがどこに合っているのかわからないくらいゆるゆるでした(クリックで拡大します)。
SEL1635Z


広角側16mmでは、絞り開放で中央がキレキレでも、絞っても像面湾曲が多少強めに感じました。ミラーレス一眼カメラの広角レンズは基本的に性能が高いレンズが多いはずなので、期待通りの解像力が出ているのか、シャープネスのチェックをしてみました。

解像力チェック

手持ちで適当に遠景を撮って、解像力をチェックしてみました。補正はすべて切って、そのままLightroomで現像しています。サムネイル画像クリックで、等倍画像が表示されます。

■16mm
SEL1635Z SEL1635Z SEL1635Z
16mm F4.0 16mm F5.6 16mm F8.0

まずは広角端16mmから。やはり絞り開放から中央部はキレキレです。周辺光量落ちは少しありますが、フルサイズのコンパクトなズームレンズとしては少ない方です。周辺光量補正も切ってありますし。被写体が平面ではなかったので、周辺は絞っても絞らなくても、あまり差は出ませんでした。平面を撮った場合、中央と左右端では解像力に差があり、画面全域で均一という写りにはなりません。もし、中央と周辺の差が気になるようなら、F9やF11くらいまで絞った方が良いです。


■23mm
SEL1635Z SEL1635Z SEL1635Z
23mm F4.0 23mm F5.6 23mm F8.0

次に24mm…を撮ろうとしたのですが、後でEXIFをチェックしてみたら23mmでした。ということで、23mmのシャープネスチェックを。絞り開放から良い写りで、F8まで絞ると、中央から周辺まで安定して良く写っています。以前、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSレビュー2 - シャープネステストをしたときは、ソニーのズームレンズにがっかりしました。その後発売されたVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSを買おうかとも考えましたが、実写画像を見ても全然良さそうな写りに見えず、これは見送りました。今度の16-35mmがまともに写らなかったら、FEマウントのズームレンズはもうダメかとも考えていました。でも、この16-35mmはまともでした。良い写りです。


■28mm
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28mm F4.0 28mm F5.6 28mm F8.0

次に28mm。28mmになると、絞り開放で少し緩くなってきました。絞ると解像力が増し、周辺まで全面で良い写りになります。


■35mm
SEL1635Z SEL1635Z SEL1635Z
35mm F4.0 35mm F5.6 35mm F8.0

最後に35mm。やっぱり絞り開放では緩い写りでした。でも朗報は、一段絞ってF5.6にすれば切れ味が出たということです。望遠35mm開放では少し緩いので、一段絞ると切れ味が増す、と覚えておけば問題ありません。それからF8の写りなのですが、F8に絞ると、右側の像が乱れます。左側は乱れません。最初は「手振れ補正の悪影響だろうか?」と思ったりもしたのですが、条件を変えても同じでした。35mm側で絞ると、右側が解像しません。個体差でわずかに偏心して片ボケを起こしているのだろうと推測されます。非球面レンズを5枚も使っていますし。ただ、条件が限定的で、悪影響もわずかなので、基準値の範囲内だと思います。

ということで、シャープネスについては、広角端は中央がキレキレで周辺は若干の像面湾曲気味。望遠端は開放で緩い。中間域はどこも満足いく写りで、かなりレベルの高い広角ズームレンズであることがわかりました。

逆光耐性(太陽光)

広角レンズに必要な要素は、これはすごい!富士フイルムXF10-24mmF4 R OIS 画質レビューにも書いたように、以下の3つです(個人的な考えです)。
1.解像力
2.逆光耐性
3.フィルターを装着できる
解像力は上でチェックして、フィルターも装着できるので、次は逆光耐性。

左に太陽を入れて撮ってみました。コントラストはほとんど落ちず、目立つゴーストもありません。見事です。
SEL1635Z


太陽を入れても大丈夫ということは…と、こんな写真を撮ってみました。円形のフレアとゴーストがわずかに見えるものの、ほとんど気になりません。一眼レフではできないような、こんな構図もミラーレス一眼なら簡単にできてしまいます(マネはしない方が良いと思います)。
SEL1635Z


いじわるをして、ゴーストが出そうなカットを探してみました。これがやっとでした。古いレンズならフレアでコントラストが落ちて白くなってしまうようなシーンでも、しっかりと写ります。ゴーストは若干出ています。少し角度を変えると、すぐにゴーストは出なくなります。
SEL1635Z

逆光耐性(人工光源)

次に、太陽ではなく人工光源でテスト。これは、画面内に白く明るい大きな光源が入ると、光源のすぐそばに緑色のゴーストが確実に出ることが確認できました。
SEL1635Z


こちらは、離れたところにもゴーストが発生したシーンです。さすがにゴースト0とはいかなかったようです。他のレンズではゴースト以外にフレアが発生して黒の締まりが悪くなっていてもおかしくないシーンなので、これはこれでよく頑張っていると思います。
SEL1635Z

光芒

東京丸の内と横浜みなとみらいでディズニーの時に載せた写真です。
ディズニー


この写真の右上辺りを等倍で抜き出してみます。



広角にも関わらず、点光源の形がなかなかきれいで、しかも光芒もキレイに伸びています。SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSは、光芒もきれいに写ります。

手振れ補正効果

手振れ補正付きということで、期待して室内で試し撮りしてみました。広角端16mmでシャッタースピードを1/4秒に設定、手振れ補正オフとオンで撮り比べ。結果は、手振れ補正オフだと、たまにブレずに撮れました。手振れ補正オンでも、たまにブレずに撮れました。結果はそれほど変わらずか、少し良いくらい。なぜか。シャッターを切るときに少しでもボディをブラすと、全く手振れ補正が効きません。慎重にシャッターを切ると、手振れ補正が効いてブレずに撮れます。でもそういうときは、手振れ補正がオフでも撮れていたりするので、「ラフにとってもブレずに撮れる!」とか、そういう次元の手振れ補正ではありませんでした。手振れ補正付きといっても、上下と左右の二軸だけなので、他がブレると失敗になります。過度な期待はできません。

それでも、手振れ補正があるとないとでは安心感が違います。下の写真は手持ち1/5秒で撮りました。成功するまで何枚か撮っていますが、手振れ補正がうまく効くときはあるので、夜景も手持ちで撮影できます。
SEL1635Z
1/5秒、F5.0、ISO400、22mm

AF速度

AF速度はなかなか速いです。無音ですし。広角側は特に迷いもなく、コントラストAFで精度も良く、快適なAFです。望遠側では、少し迷うことがあります。迷っても力業でピントが合うので、なかなかの速さです。迷いについては、ボディ側のAFアルゴリズムの改善で、もっともっと良くなりそうな感じがします。「ミラーレスのAFは遅い」という風評被害があったりしますが、一眼レフ用の大型モーターを搭載した高級なレンズを除けば、ミラーレスの方が速いくらいです。

寄って撮れる

Eマウントのレンズはあまり寄れないレンズが多くて、特にSONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAは最短撮影距離が50cmもあって、使っていて本当に不便です。このレンズ一本で出かけると、テーブルフォトが撮れません。

一方、SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSは、最短撮影距離が28cm。こんな風に、料理の写真も簡単に取れます。こういうときに手振れ補正が付いていると本当にありがたいです。
SEL1635Z
1/20秒、F5.0、ISO1000、26mm

作例

最後に、このレンズで撮った作例でも適当に載せておきます。

SEL1635Z
1/250秒、F9.0、ISO100、16mm


SEL1635Z
1/500秒、F8.0、ISO100、35mm


SEL1635Z
1/50秒、F4.5、ISO250、35mm


SEL1635Z
1/15秒、F4.5、ISO160、25mm


SEL1635Z
1/13秒、F5.0、ISO1250、18mm


SEL1635Z
1/15秒、F5.0、ISO1000、23mm


ということで、SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSは、期待通り良く写るレンズでした。特に、絞り開放でもコントラストが高いので、あまり絞れないようなシーンでも、解像力と色乗りの良い写真が撮れます。(それほど大きな効果は期待できないけれど)手振れ補正と組み合わせれば、低速シャッターでもどんどん撮影していけます。ソニーも良いズームレンズが作れるのだと感心しました。レンズに「ZEISS」のロゴがあっても、実際に光学設計しているのも、製造しているのもソニーですからね。これからも優れたズームレンズを開発していってもらいたいです。

写りの良い広角ズームレンズは、何年でも使い続けられるので、これからずっと愛用していきたいと思います。


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