それは遠い遠いむかし、マナの女神の生まれる、ずっと以前の話。 どことも知れぬはるかな次元にて、ひとりの大魔女が世界を闇におとしいれた。 魔女の名はアニス---。 魔女は樹の守り人によって討ち滅ぼされたが、その闇と呪いは、 あまたの次元をつらぬいて、あらゆる世界にふりそそいだという…。 そしてまた、べつの伝説は語る。 かつて世界がまだ暗黒に閉ざされていた頃、マナの女神は世界を滅びに導くという、 災厄の化身である神獣をマナの剣によって打ち倒し、これを八つの要石に封じた。 闇は去り、かくして世界の創造はなされた、と。 そののちに女神は、一本の年ふりた大樹に姿を変えた。 人知れぬはるかな聖域で、マナの樹とその剣は、いまも世界を見守り続けているという。 それから、どれだけの歳月が流れただろう。 世界は、つかの間の、のどかなまどろみに包まれていた。 今、おそるべき闇のとばりが世界に降りようとしている。 南海の小島の、古き王国ペダン…。 その冷たく鋭い魔の爪が、穏やかな世界の眠りを引き裂こうとしていた---。