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AOKIの従業員の方からメッセージをいただきました

2020年04月11日 雑記
ツイッターで、「日本では「3密さえ避ければ安全」という風潮が広まってきたので、3密ナシなら安心宣言まで出てきた! #快活CLUB #快活クラブ」というツイートをしたら、けっこう反応がありました。
快活クラブ
快活CLUB | コミック・インターネットカフェ・カラオケ・鍵付完全個室・ダーツ・ビリヤード・女性専用

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには、以下の3つの密、いわゆる3密を避けることが大切だと言われています。
1. 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
2. 密集場所(多くの人が密集している)
3. 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)
ただし、3密を避けることは大切ですが、「それさえ避ければ安心」とは言えません。飛沫感染や接触感染もありますし、快活クラブのように「3密ナシなら安心!」という表現は過剰表現です。

4月7日に緊急事態宣言が出され、快活クラブでは特にそこで働いている人から不安の声が上がっています。
鍵付個室なんて一部だし緊急事態宣言でてもネカフェくる客は安い三密席選ぶし何人も漫画に咳かけてみんなそれ読んでます ウイルスたくさん飛んでます 快活CLUBのアルコールはコロナにきかない弱いアルコールで窓もない店の中じゃそれしか武器ないです あと家族にコロナうつしたくない客もきます

4月8日時点の快活クラブの方針では、コロナ電話のクレーマー対策として、「電話に出なくて良い」という上からの指導もあったそうです。ネットカフェがなくなると困る人もいますが、働くスタッフへの気遣いは足りていないように感じます。


あまり知られていませんが、快活CLUBは紳士服のAOKIグループです。今度はAOKIの従業員の方から昨日4月10日にメッセージが届きましたので、このブログに転載させていただきます(許可はいただきました)。
AOKI従業員です。
快活クラブに関するツイート拝見いたしました。

会社に対し不信感がかなり募っております。
快活クラブと同じく、通常通り年中無休営業、
どこもお休みで困ったお客さんを助けるという言い分で営業を続けております。

私たちの仕事は一般的なアパレルと違い、サイズの採寸時、お客様との直接的な接触を避けられません。
そして、自由に選びレジな持っていくような売り方と違い、お客様との会話があってこそ成立する商売なので、もちろん密接機会も幾度とあり、密接する時間もかなり長くなってしまいます。(スーツ接客だと平均30分〜1時間30分)
お客様と一定の距離を保つということも一切出来ません。

快活クラブと全く同じ点としては、換気ができません。
会社としてはお客様に対するご案内の中に換気の徹底と謳っておりますが…(以下自粛)。

いらっしゃるお客様には強制はできませんので、マスクをせずにご来店されるお客様ももちろん多数いらっしゃいます。
そして対応も間に合っておらず、手指のアルコール消毒剤の用意も全くできておりません。
お客様も従業員も消毒されていない手で商品に触り、試着…という現状です。
取り扱っている物品が衣料ということもあり、もちろんそのものの消毒や除菌もできず、毎日感染の不安の中営業をしております。
事実、衣食住の衣を提供する私たちが営業を続けることで、助かるという方は一定数いらっしゃるとは思います。
ただ、営業を続行するにあたっての会社の従業員安全面への対応が、休業自粛を促されていないスーパーやホームセンターでさえお客様と直接手を触れないようにする、カウンターに飛沫感染防止のフィルム設置等々、各自取り組みがある中、具体的安全対策を一つも提示せずに従業員一人当たりほんの数枚のマスクの支給のみというあまりに酷過ぎる対応で、従業員の命を軽視しており、競合他社が基本休業姿勢を取る中この一大事をビジネスチャンスとしか考えていないことに心の底から憤りを感じます。

AOKIグループは従業員への気遣いが足りないようです。個人的には、AOKIでは一消費者としてスーツを買ったり、喪服を買ったりしていますので、従業員の方にも安心して働いていただくか、安心して休業していただきたいです。

従業員への気遣いが足りない点はさておき、正直なところ、個人的にはAOKIグループの経営判断そのものを責めることはできません。国から緊急事態宣言が出されても、休業要請や補償内容がしっかりしていなければ、営業を完全に止めることはできません。「周りの店は自粛しているから」という同調圧力のみで営業をやめさせるのは卑怯だと個人的には思います。感染症の専門家が「人と人との接触を8割減らさなければ、新型コロナウイルスの感染拡大を止めることはできない」と発言している以上、国や自治体が責任を持って、接触を減らすための努力をするべきです。


それから、AOKIの感染予防の取り組みについてですが、いただいたメッセージとAOKIが発表している内容にはズレがありました。
AOKI
AOKIは以下のような対応策を実施していると発表しています。
・店内の定期的な換気の実施
・店頭での消毒液設置
・店内(売り場・フィッティングルームなど)の徹底したクリンリネス
・スタッフのマスク着用
・スタッフの健康管理(検温など)の徹底
いただいたメッセージとはズレがあります。換気できていない場所がある、手指のアルコール消毒剤の用意ができていない、マスクが足りないなど、発表している対応内容と現場での違いがあるようです。

これについても、感染防止のために国や自治体から支援を行うべきだと考えます。衣料品店という衣食住の大切な部分を担うお店ですから、消毒液やマスクやフェイスシールド等の優先支給を検討すべきです。また、国民が生活必需品を買うときの指南として、入店人数規制、換気の徹底、行列の距離の開け方、客のマスク着用義務化、ベタベタと商品に触れない、店員に暴言を吐かないなど、国や自治体からルールを作って発表すべきだと思っています。販売店のスタッフが倒れてしまっては、困るのは国民ですから、販売員を守るためのルール作りが国や自治体に求められています。働く人に過剰な負担や心配をかけてはいけません。

東京都では、休業への協力金などについて来週公表することになりました。国と自治体の方向性が合わないため、緊急事態宣言が出ているのに本当に「緊急」か、と疑ってしまうようなスピード感です。専門家が「人と人との接触を8割減らさなければいけない」と発言している以上、早く接触を減らすための国や自治体からの支援、そして企業の協力が大切だと思います。そして働く人への気遣いや感謝は、国民全員が忘れてはいけません。

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