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Windows9が発売されずにWindows10になった理由www

2014年10月04日 パソコン(PC)
次期Windowsの正式名称が発表され、大方の予想を大きく裏切り、「Windows 10」というOS名に決まりました。現在のMicrosoft Windows最新バージョンの正式名は「Windows 8.1」なので、流れ的には、どう考えても「Windows 9」の名前になるはずでした。ところが「9」を飛ばして、いきなり「10」になりました。

この発表を聞いたとき、個人的には、「うまい」と思いました。

Windows 8の内部バージョンというのは、Windows NT 6.2です。その前のバージョンのWindows 7はというと、Windows NT 6.1でした。内部バージョン的には、たった0.1しか変わりません。したがって、挙動や互換性は、Windows7もWindows8も似たようなものです。今までのWindows7デスクトップ機能の上に、タッチパネル用の機能を被せたようなOSです。なのに、Windows8は大不評でした。

Windows8では、来たるべきモバイル時代に備えて、デスクトップ用OSとタッチパネル用OSの融合を計りました。タッチパネル用の初期バージョンとしては、「それほど悪くもない」と自分は思いました。ただ、「タッチパネル用を強制スタート画面にする」「今までずっとあったWindowsスタートボタンをなぜか削った」のが大不評で、OS自体の評判も下げることになってしまいました。

結果、早々にWindows 8.1をリリースし(関連:Windows 8.1 にアップデート完了。感動した!)、スタート画面をデスクトップ表示にするオプションと、スタートボタンの復活が実施されました(Windows8からは無償アップデート)。内部バージョン的には、Windows NT 6.3です。また0.1しか変わりません。

その後、Windows 8.2が出るかと思いきや、Windows 8.1 Update という謎のアップデートが実施されました(関連:Windows 8.1 Update をインストール!)。モバイル用のWindowsストアアプリをデスクトップへ融合化させるためのアップデートが主でした。内部バージョンは、Windows NT 6.3のままでした。

そして、次に出る新作の名前は、Windows 10。

9を飛ばして、いきなり10になりました。名称的には、9を飛ばしたことによって、8から大きく飛躍したようなイメージを抱きます。また、9が出ないことによって、「ウィンドウズナインは無いんだ」というサラリーマンの話題も期待できますし(日本限定)、Windows8の悪評を振り払うには、なかなかうまいネーミングだと思いました。

個人的には、Windows8を「ウィンドウズエイト」と横文字で格好良く発音する日本人に、やや違和感を覚えていました。決定的だったのは、Windows8.1が発表されたとき。今まで「ウィンドウズエイト!ウィンドウズエイト!」と横文字で格好良く発音していた日本人たちが、「うぃんどうずはってんいち」と呼び始めました。「なんで、ウィンドウズ エイト ポイント ワンって呼ばないんだよ!」と突っ込みたくて仕方ありませんでした。今までウィンドウズエイトと呼んでいたのなら、ウィンドウズエイトポイントワンが自然な流れだろうと。うぃんどうずはってんいちと呼ぶのなら、Windows8もうぃんどうずはちと呼ぶべきだったのではないか、そう思わずにはいられませんでした。

いや、そんなことはどうでもいいか。

さて、ではなぜマイクロソフトは9を飛ばして10にしたのか。発表後すぐ、「Windows9だとWindows95やWindows98に似てるから、Windows9を飛ばしたんだよw」と言ってる人がいて、なかなか面白いと思いました。

Windowsの内部バージョンを思い出してみると、次のWindows10は、Windows NT 6.4です。またまた0.1しか変わりません。今までのバージョンアップの流れを確認してみると…
Windows NT 6.1 → Windows 7(6+1)
Windows NT 6.2 → Windows 8(6+2)
Windows NT 6.3 → Windows 8.1(6+2+0.1?)
Windows NT 6.4 → Windows 10(6+4)
以上のようになっています。Windows 8.1のところがもしWindows 9だったら、次のWindowsがWindows 10でとてもシックリきます。

だから、マイクロソフトとしては“狙って”Windows9を避けた、とも考えられます。なぜ避けたかったか。それは以下のページのソースコード検索で。
Windows95やWindows98のOSだと判定するために、前方一致で「Windows9」を検索してしまうプログラミングコードが世の中には多数存在するようです。もしWindows9というOS名にしてしまうと、OSの誤判定を起こし、異常なエラーが頻発するOSになりかねません。この前方一致検索による誤動作は、AdobeのFlash Playerで過去に大きな問題となりました。

その問題を避けるために、マイクロソフトはWindows9を避けた、という推測ができます。もっと言うと、Windows9をキャンセルしてWindows10を作ったのではなく、Windows9をキャンセルしてWindows8.1を作ったのではないか、と推測できます。そのため、Windows8.1の次のアップデートが、Windows8.2ではなく、Windows8.1Updateになったのではないか、と。あくまで推測なので、真実はわかりませんが。

真実がわかるとすれば、Windows19の次のWindows20が発表されるときでしょうか。上記推測が正しければ、Windows20系は作らないと思います。Windows2000系の前方一致検索で誤判定が生まれますから。Windows20が出るか出ないか、そのときまで真実はおあずけかもしれません。「Windows9だとWindows95やWindows98に似てるから、Windows9を飛ばしたんだよw」と言っていた人は、ほぼ当たりだったように思います。

MicrosoftのWindowsチーフのTerry Myerson氏とJoe Belfiore氏は、Windows9が発売されなかったことについて、以下のような驚きの発言をしています。
「seven ate nine(セブン・エイト・ナイン=9は7に食われちまったのさ)」
ということで、Windows9はWindows7に食われてしまったようです(ソース:Why is it called Windows 10 not Windows 9? | ExtremeTech)。


Windows10では、ストアアプリのウィンドウ表示、ウィンドウの分割表示、仮想デスクトップ、スタートメニューの復活(スタートボタンではなく、スタートメニューの復活)、スタートメニューにライブタイル表示などの機能が加わっています。より一層のストアアプリの融合化です。Windows 10は、内部バージョンWindows NT 6.4の名が示す通り、NT 6.3のWindows8.1からはマイナーアップデートに近い変更です。8から10へとジャンプアップした感もあるので、このネーミングは結果的には良かったのではないかと思います。

なお、Windows NT 6 シリーズの元となっているのは、Windows Vistaです。ビスタちゃんの潜在能力はすごかったんです。


2015年6月1日追記Windows10の無料アップグレード予約始まる