**4章 [#o4ccb065] ◆あの ぬけあな べんりなんだけど とおるたびに どろだらけに なっちゃうんだよ。 ◆それに ナメクジの べたーっとしたものも くっつくし。 ◆シャワーあびてるから そこらへんで くつろいでて。 ◆どーいうわけか こんな ごうかな へやを あたえられてるんだ。 ◆ふたりとも シャワーを あびろよ。 ◆おんせんも あるぜ。 ◆はなしは それからでも おそくない。 はい いいえ ◆つかれてるし よごれてるだろ? ◆シャワーを あびると すっきりするよ。 はい いいえ ◆いそぐきもちは わかるけど あなたたち くさいわよ。 ◆いいから シャワーをあびなさい。 はい いいえ ◆ワンちゃんは どう? ◆シャンプーしてあげよっか。 ワン! ワン? ◆いいから シャワーをあびろ!! シャワーを浴びた後 3人は 3年間の空白を 埋めあわせるかのように 長い時間 話しあった。 助けた サルのこと。 オソヘ城で 手に入れた ハミングバードのタマゴは いまだに 行方が わからないこと。 DCMCのメンバーに 記憶を失ったままの [ダスター]が いるらしいこと。 そして タツマイリの村を すっかり様変わりさせてしまった 怪しい軍団のこと・・・。 バラバラに散乱した ジグソーパズルを 集めるように 彼らは 知っていることを 話し 考えをつなげていった。 この先の戦いは 決して 楽なものではない。 そのことだけは すでに よくわかっていた。 強くなりたい・・・。 [リュカ]は このごろ 本気で そう思うようになっている。 ◆・・・というわけで やっと ここに もぐりこんだところさ。 ◆でも [ダスター]の きおくが もどらないかぎり ハミングバードのタマゴの ゆくえは わからないまんま。 ◆このままだと いつ ブタどものてに わたってしまうか わからねーってわけだ。 ◆[リュカ]。 ◆[ダスター]にあって はなしを してみてくれ。 ◆おまえたちに あえば なにか おもいだしてくれる かもしれない。 ◆そとには みはりがたってる。 ◆あんなやつら てきじゃないんだが いまは ことを おおきくしたくない。 ◆ここの はしごから やねうらを とおっていけば [ダスター]のへやまで いける。 ◆とおまわりだけど そのほうが かくじつだ。 ◆オレは DCMCの メンバーを あつめておくよ。 ◆やつらにも じじょうを せつめいして やらないと。 ◆じゃあ またあとでな! **4章 やねうらのネズミ[#o4ccb065] ◆チュー? (なんね。 タカシね? いままで どこで なんば しょったとね? ぼんも しょーがつも いっちょん かえってこーじー じーちゃんも ばーちゃんも たいちゃー さびっしゃー しとったたい。 どがんね? はら へっとらっしゃっじゃろ? このみパンば やっけんね) ◆チュッチュッチュー。 (あさんなー たまにゃ かおば みせにこんばでけんぼ) ◆チューチュチュチュ? (おりよー。 タカシっしゃんな かえって きんしゃったとね? また こづかいば ねだりに きたとじゃろーか? よかよか。 ばーちゃんの もっとったっちゃ つかいみちの なかけん。 じーちゃんにゃー ないしょに しとかんば でけんよ) ◆チューチュチュ。 (いつかえって くっじゃろか ちゆーて たいちゃー まっとったたい) ◆チューチュー。 (おりょー。 そのよに もっとったっちゃ もちきれん やろーだ? まっとっけん おいてきんしゃい) ◆チュー。 (ありゃー。 もう もちきれんごたーね。 よかたー。 また きんしゃい) ◆チューチュチュチュ。 チューチュチュチュ。 (ばーちゃんたちが ここに おっけんちゅーて だいにでん おしゆっぎ でけんぼ。 ばーちゃんたちゃ まーだ なーご いきとかんばでけんけんね。 よーしとかんば。 よーしとかんば。 よかね) ◆チュー? (ねぇ じーちゃん) ◆チューチュチュチュ。 チューチュチュチュ。 チューチュチュチュ。 (ほんなこと。 ばーちゃんの ゆーとおりばい。 じーちゃんたちが ここに おっちゅーことが だいかに しるっぎんた おいどんのごたー としよいは しゃーいでんなか。 さんげんどないの やましたさんがたも そがんして すっぱい けされてしもーたけん。 よーしとかんば。 よーしとかんば。 よかね) ◆チュー? (ねぇ ばーちゃん) **やねうらのネズミ・訳 [#xf9b25cb] ◆チュー? (なんだ。 タカシね? いままで どこで なにを してたの? ぼんも しょーがつも ぜんぜん かえってこなくて じーちゃんも ばーちゃんも とても さびしく 思ってたんだよ。 どう? おなか へってるんでしょ? このみパンを あげるからね) ◆チュッチュッチュー。 (おまえは たまには かおを みせにこないといけないよ) ◆チューチュチュチュ? (あらー。 タカシか。 かえって きたんだ? また こづかいを ねだりに きたんでしょ? いいよいいよ。 ばーちゃんが もってても つかいみちが ないから。 じーちゃんには ないしょに しておかないと いけないよ) ◆チューチュチュ。 (いつかえって くるだろうか といって とっても まってたんだよ) ◆チューチュー。 (あら。 そんなに もってても もちきれない でしょ? まってるから おいておいで) ◆チュー。 (ありゃー。 もう もてないみたいだね。 いいや。 また おいで) ◆チューチュチュチュ。 チューチュチュチュ。 (ばーちゃんたちが ここに いるからといって だれにでも おしえたら だめだよ。 ばーちゃんたちは まだ ながく いきないといけないからね。 だまってないとだめだよ。 だまってないとだめだよ。 いいね?) ◆チュー? (ねぇ じーちゃん) ◆チューチュチュチュ。 チューチュチュチュ。 (ほんとに。 ばーちゃんの いうとおりだよ。 じーちゃんたちが ここに いるということが だれかに しれたら おれたちのような としよりは どうしようもない。 さんげんとなりの やましたさんのうちも そうやって すっかり けされてしまったから。 だまってないとだめだよ。 だまってないとだめだよ。 いいね。) ◆チュー? (ねぇ ばーちゃん) **4章 ラスト[#u1c262ad] ボンボヤージュ・アミーゴ これから 旅立つともだちに 天にいる 誰かさんよ どうぞ おくりものをやってくれ あいつと おれたちは 笑いながら ろくでもない時間を すごした だけど 天にいる 誰かさんよ その ろくでもない時間や どうしょうもない笑顔が おれたちも あいつも 大好物だったのさ ボンボヤージュ ボンボヤージュ アミーゴ