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SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSMレビュー3-ボケ味、色収差編

2012年08月19日 カメラ・写真
みんぽすからお借りしたシグマの手ブレ補正OS機構搭載マクロレンズ「シグマ APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM」。先日、欧州のカメラ・AV製品を表彰する「EISAアワード」において、European Macro Lens 2012-2013に選ばれた世界が認める高性能レンズです。

前回の外観編レビューに続き、今回はこのレンズのボケ味、色収差性能についてチェックしてみました。

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色付きのない素直なボケ味

ボケ味をチェックしてみました。前回のレビュー(シャープネス編)で、予想以上にシャープだったので、かえってボケ味が汚くなったりするのではないか、という不安がありました。以下、絞り値別にボケ味をチェックしてみた画像です(ボケ味は被写体や撮影距離によって大きく変動し、あくまでも下の作例は一例です)。

F2.8 F4.0
F5.6 F8.0

ボケ味を見てみると、若干硬めのボケ味であることがわかります(特にピント面より遠い部分において)。絞り開放では、口径食の影響も相まって、少しボケ方がうるさい感じです。一段絞ると口径食や周辺光量落ちも収まり、いい感じのボケ味になります。ボケの輪郭線は、どの絞りでも少し硬いです。驚くべきは、ボケ味の色です。ボケている部分の輪郭に色が付いてしまうレンズもあったりしますが、このレンズの場合、全くの無色です。色収差が驚異的に補正されています。よけいな色付きを心配する必要が全くありません。素晴らしいです。


ボケ方というのは、撮影距離や被写体によっても大きく変動します。撮影条件を変えて、別の写真も撮ってみました。下の写真は、開放F2.8で撮影した写真です。今度はなかなか柔らかいボケ味を確認できます。

D700 SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 1/640秒 f/6.3 ISO200


下の2枚の写真は、絞り開放と絞りF6.3でそれぞれ撮影してみました。開放からシャープなので、開けて良し、絞って良しの見事なレンズであることがわかります。

D700 SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 1/640秒 f/6.3 ISO200


D700 SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 1/640秒 f/6.3 ISO200


後ボケだけでなく、前ボケも載せてみます。ピントは奥のヨットに合わせているので、手前の花はボケています。

D700 SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 1/640秒 f/8.0 ISO250


以上、ボケの輪郭線は若干硬めではありますが、ボケに色が付いていないのがいい感じです。

軸上色収差がほとんど見えない素晴らしいAPOレンズ

ボケに色が付いていなかったので、今度は通常の撮影時に軸上色収差が発生しないのか試してみました。銀色の反射している部分などは、一般的にパープルフリンジが発生しやすい部分です。SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSMレビュー1の時にも気になったりしました。というわけで、今回も銀色の部分を撮影してみました。見ての通り、気になる軸上色収差は全くありません。

D700 SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 1/1000秒 f/4.0 ISO250


また白色と灰色(黒色)の境目などには、軸上色収差や球面収差が現れやすい部分です。絞り開放でハシビロコウを撮影してみました。絞り開放でハシビロコウを撮影すると、どうしてもフワフワした写りになってしまうのが普通なのですが、APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSMなら余裕で写してくれました。

D700 SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM 1/200秒 f/2.8 ISO200


というわけで、ボケ味は若干硬めでとろけるようなタイプのレンズではありませんでしたが、絞り開放から色収差が少なく、シャープに写り、とても優れたレンズであることがわかりました。ヨーロッパで名誉ある賞を受賞するのも納得の高性能レンズです。

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