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コッペリオンを読んで原発事故について勉強してみよう!

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2011年05月19日 カテゴリ:読書


日本の原発事故をフィクションで描いている「コッペリオン」。COPPELIONは、2016年にお台場の原子力発電所が事故を起こし、その20年後にとある女子高生3人組が残留放射能あふれる東京を捜索するというストーリーです。

コミックには「TVアニメ化」という帯が付けられていますが、福島原発事故と類似している点も多々あり、「今後コッペリオンをどうするのか...」もまだわからない状況かもしれません。応援のために全巻まとめ買いしておきました。

このコッペリオンの中で一番好きなのは、このセリフです。

そもそも東京ではチェルノブイリみたいな事故は起こるはずがないって言われてた
炉の構造が全然違うからな
今回の東京電力福島原子力発電所の事故でも似たようなことを何度も聞きました。「チェルノブイリとは全然違うから爆発しない」と報道してから、「大きな音がして、白煙が上がる事象が発生」して爆発したり。爆発したら「白い煙で水素爆発だから安全」と報道し、その後に灰色の煙を伴う爆発が起きたり。「メルトダウンはしない」と言い続け、事故から2ヶ月後、ようやくメルトダウンを認めたりしました。

放射能汚染による危険性も漫画の中に書かれています。現在の日本の政府は「ただちに影響はない」ということを繰り返し発言していますが、ずっと影響がないと言い切れるのでしょうか。

今日は、コッペリオン第1巻の中から、いくつかのシーンを取り上げます。

大人でも子どもでも放射線の影響は同じなのか


放射線は活発に分裂する細胞に対し最大の損傷を与える
つまり胎児や小さな子どもが一番ひどい被害を受けるということだ
現在の日本の放射線被曝基準値は、年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げられました。子どもも大人も同じです。水道水から放射性物質が検出された際、政府は放射性ヨウ素についての暫定基準値を決めました。1リットル当たり大人が300ベクレル、乳幼児は100ベクレルです。大人よりも乳幼児の方が影響を受けやすいことを知っていながら、放射線被曝基準値はなぜか大人も子どもも同じです。

「ただちに影響はない」は数年後、数十年後も影響がないのか


外部被曝の方は致命傷ではありません
ただし…20年前に受けたヨウ素131の内部被曝によるガン細胞が脳まで達しているので…
ただちに健康への影響がなくても、20年後に内部被曝によるガン細胞が脳まで達していることがコッペリオン内では描かれています。

放射性核種による影響の違い


…ストロンチウム90って知ってるか?

こいつはカルシウムになりすますんや
日本では、最初は放射性ヨウ素を取り上げ、現在は放射性セシウムについてばかりを報道しています。福島原発事故では、最低9種類程度は放射性核種が飛び交っているはずですが、他の核種についてはあまり報道されません。しかも外部からの被ばくだけで、内部被ばくの危険性についてはほとんど報道されません。放射性セシウムにいたっては、「筋肉はガンにならないから、放射性セシウムは安全」という情報を流したりしています。

第二のチェルノブイリとは言わなかった


東京都全域に放射能漏れ
メルトダウン発生
第二のチェルノブイリか!?
コッペリオンの中では、落ちていた新聞に「メルトダウン発生 第二のチェルノブイリか!?」と書かれています。現実の報道は全然違っていました。メルトダウン発生から2ヶ月もメルトダウンは認められず、チェルノブイリと比較することも規制されていました。福島原発事故をレベル4と過小評価し、安全を強調していました。レントゲン1回分だから安全、CTスキャン1回分だから安全、と比較対象の基準を上げながら、安全を報道していました。ついにはチェルノブイリと同じレベル7になっても、「チェルノブイリの10分の1だから安全」という、とにかく安全でただちに影響はないことを報道しました。


現実とフィクションでは、違う部分もいろいろとありますが、なかなか勉強になる部分もあります。福島原発事故が起きる前からこれだけの放射能汚染情報がありながら、いざ事故が起きてみると「安全」を強調しています。本当に安全かどうかは「ただちに影響はない」のでわかりません。もちろん何も問題が起きなければ良いのですが…。

コッペリオンに興味を持った人はぜひ読んでみてください。