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ブログに書いたら、SIGMAからすぐにメールが来た

2010年12月18日 カメラ・写真
SIGMAのサポートにメールを送ってから、70日が経ったのだけれど…」を昨日の朝に投稿した後、お昼にはシグマからメールが届きました。70日も待ったのに、最後は反応が早い…(どこからブログがばれた…)




なぜ最初SIGMAにメールを送ったかというと、この独特なFoveon X3センサーを搭載した「SIGMA DP1s」で撮影した写真の周辺部分の色が…。



完全に緑…。

中央の犬の毛色はそれほど悪くないのに、周辺がひどすぎる程の色付きです(現像は、X3F形式で保存して、SIGMA Photo Proでそのまま現像)
シグマDPシリーズの写真をネット上でたくさん見てきましたが、こういう写真はあまり見かけていませんでした。
おそらく周辺光量落ちにともなう緑の色被りだろうと考えて、晴れた日にレンズの絞りを絞り込んで撮影してみたりしたものの解消されず。
「あれっ、他の人はどうやって撮影しているんだ?」という疑問が。

どういう条件で発生するのか、それからいろいろ実験して調べてみました。
ここまで酷いDPシリーズの写真は見たことがないし(多少の色付きは見えたりもするけれど)、みんな何かテクニックを駆使して撮影しているのかとも思って。
その結果、周辺に青や緑の被写体(空や草)がある場合は目立たない、灰色や黄土色の被写体(コンクリートや砂や土など)がある場合は非常に目立つ、ということがわかりました。

例えばこういう写真では、周辺の色付きは目立たず、驚くほどの解像感を映し出してくれますSIGMA Photo Proでホワイトバランスと細かいパラメータを設定して現像)

(クリックすると、原寸大で表示されます)

「コンパクトデジカメでここまで写るのか!」という驚きと、「被写体によっては周辺の色がひどすぎる…」というガッカリ感とがありました。
他のユーザーはこの色付きにどうやって対処しているのかと気になって調べてみたところ…
「あれっ、全然気にしていないユーザーばかりだ…。アップされている写真を見ても全然気にならない」
「一部ユーザーには、色付きが酷すぎて、買ってすぐ売っぱらってしまった人も…」
もしかして個体差があるんじゃないか?と疑問に思って、まずはSIGMA DP2sの印象的なサンプル写真を撮影したshinzo fukuiさんに聞いてみることにしました。
すると、
「ホワイトバランスをオートじゃなくて、適切な色を選択すると改善される」
と優しく教えてくれました。

「現像時にホワイトバランスを変えると、周辺の色付きまで変わるの?」本当かなぁと不思議に思いながら、その通りやってみたら…
確かに被写体によっては、あまり目立たなくなったりもしました。
でも、被写体によっては相変わらず全然ダメで。
気になるならサポートに連絡してみたら、というshinzo fukuiさんのアドバイスを受けてSIGMAのサポートにメールを送ってみた、というのが今回の話の発端です。


確認したかったのは、この現象が「仕様」なのか「個体差による不具合なのか」です。
「仕様」なら諦めるし、「個体差による不具合」なら修理してもらいたかったのです。
サポートからの返事を予想して、「仕様」と言ってくるか、「チェックするからボディを送ってほしい」と言ってくるかの2択ではないかと考えていました。

結果は、予想のはるか斜め上を行く、半月待っても返事無し。

問い合わせメールが放置されていることも考えて、もう一度メールを送りました。サポートから届いた内容と、個人的なツッコミは以下のようなものでした。
弊社設計部門・工場製造部門・品質保証部門にてあらゆる撮影条件にてそれぞれ検証を行っている。そのため連絡が遅くなった。
→もうすぐ販売終了の機種なのに、ずいぶん大げさな検証…。開発者、ユーザーともに誰一人気付かなかったの?
→とりあえず受け付けたというメールを送ってよ…


大型のセンサーを使用しているためセンサー周辺に入射する光線の角度が非常に大きくなることから、撮影条件によっては色付き現象が生じる。
→はい、自分のテスト結果でもそうなりました。知っています。

同じフラットな被写体でも細かい模様(例えば地面の土、砂、壁の模様)などが入っていると出やすく、逆に空など完全な均一な被写体では出ない。
→被写体の色によって色付きが変わる問題は知ってたけど、模様によっても違うとは知らなかった。勉強になった。

これを防ぐためには各ホワイトバランスモードで色付きの量は変わるので、RAW画像で撮影、ホワイトバランスをマニュアルで光源を個別に選択、露出を少しプラスに補正して撮影した後にSIGMA Photo Proで「オート」で現像するとこの状態はもう少し改善できる。
→それは福井さんに聞いた。と最初のメールで書いておいたことなのに…。

画像の元のX3F画像はお持ちでしょうか?
→なんでそのタイミングで元画像を求めてくるの…。最初に言ってよ…。

そのあと、前回の記事にも書いたようにシグマの社長からもTwitterで連絡が来て、「これは期待できる!」と喜んで、それから50日経っても連絡が来なかったというわけです。


それで昨日やっと連絡が来たわけですが、原因は「開発部門からもらった連絡が報告されずに、カスタマーサービスの部内連絡ミスにより保留となっていた」ことみたいです。
「ちょうど今日検証が終わりました!」というメールでも送ってこられたらどうしようかとも思っていたのですが、正直に非を認めてくれました。

検証はすでに済んでいたみたいで、こんな結果を教えてくれました。
周辺の色付き補正を行う工程Logは異常値を示していない。
明暗のカラーバランスも異常値ではない。
推定だが、センサーの再キャリブレーションが必要なのではないか?
とのことで、「個体差による不具合の可能性」はありそうです。
ちゃんと検証が終わっていたなら、きちんとユーザーに報告してあげないと、開発部門の人もかわいそうですし、こちらも待ちくたびれました。

カメラを預ければ早急に作業をしてくれるそうです。
ただ、年末にカメラを預かる事は心苦しいとも言われました。
そして、サポートの人の特別な判断で、新しいDP1x(←新機種)と交換させてくれないか、と言われました。

その後、シグマの社長からツイッターで連絡がありました。
Twitter / @Kazuto Yamaki: @zapa ブログを拝見しました。大変なご迷惑をおかけしたこと、そして私自身が事態を把握していなかったことを深く恥じ入り反省しております。誠に申し訳ございません。調査の結果、社内連絡ミスと判明しました。再発防止に努めますので、当社なりの対応をさせて頂くチャンスを頂けないでしょうか
Twitter / @Kazuto Yamaki: @zapa 返信ありがとうございました。後ほどサポートにも確認を取ります。この度は本当に申し訳ございませんでした。社内システム的な改善については、私自身もコミットして取り組みます。ご厚情に感謝致します。
さすがは伊集院光さんにも定評のあるシグマのサポートです。

「素直に非を認めて誠意を見せてくれる会社に悪い会社はない」、ような気がしているので、あとはサポートの連絡体制だけ改善してもらいたいですね。
今回の件では、1回目も2回目も、なかなか返事が返ってこなかったわけですし。
たまたま自分だけそういうことが2回連続であっただけなら良いのですが、他のユーザーにも起きたら大変ですし。

ということで、これからも頑張ってください、シグマさん。
新しいDP1xが届いたら、そちらもテストしてみます。
(あっ、そういえばDP1s買ったときに入った3年間総合保証が無駄になってしまった…いつ不具合が起きても大丈夫なように保証期間延ばしていたのに…)


追記1SIGMAの山木社長に会ってきた
追記2SIGMA DP1sがDP1xに化けた!