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羽生名人「直感は可能性の多くを捨てること」

2009年12月01日 iPhone・iPad・Android
将棋の歴史上最強の棋士と言われている羽生名人。朝日新聞の記事によると、羽生名人がこのように発言したそうです。
直感は膨大な可能性の多くを捨てること。
と。

朝日新聞の記事タイトルは、
直感は膨大な可能性の多くを捨てる
となっています。

記事内の羽生名人の発言を読めば、
直感は膨大な可能性の多くを捨てること
であることがわかります。

記事タイトルの「直感は膨大な可能性の多くを捨てる」だと、直感は膨大な可能性の多くを捨ててしまうので良くない、という否定的なニュアンスを強く感じます。
一方、記事内の「直感は膨大な可能性の多くを捨てること」の方だと、膨大な可能性の多くを捨てることによって直感力が生きてくる、という肯定的なニュアンスにも受け取れます。

羽生名人の「決断力」によれば、
直感の七割は正しい
とあるため、記者が誤解して記事を書いた可能性があります。


さて、将棋と言えば手軽に遊べて奥が深い歴史あるゲームです。
対戦相手を探すのは大変なので、普段持ち歩いているモバイルゲームでサクッと将棋をプレイできると良いですね。
以前、ケータイのアプリで将棋ゲームを買ったこともありますが、CPUの思考速度が遅すぎて(1手に1分以上かかったり)、全然楽しめなかったことがあります。
テレビゲームだと、CPUは高速でも、わざわざテレビを付けて将棋をプレイするのが面倒です。

そこで、「iPhoneで将棋ゲームはどうだろう?」と思って、将棋アプリを買ってみました。
柿木将棋iconKakinoki Shogi (Japanese Chess)です。


iPhoneの画面をタッチして操作する、というのは将棋ゲームにとても向いています(ドラッグで駒を操作できたら最高でしたが)。
他のゲーム機のように、カーソルで盤面を移動して操作する方法だと、どうしても将棋に集中できないという欠点があります。

柿木将棋は、CPUの強さを7段階で設定でき、最弱なら1手1秒ですぐ打ち返してくれます。
最強にするともう少し時間がかかりますが、自分の将棋レベル(弱い)だと、最強では強すぎて相手にならないので、十分な思考スピードでした。
iPhoneなのでパッと起動でき、中断も簡単です。「待った」も何度でも出来ます。
その上、iPodの機能で音楽を再生しながら将棋対戦が出来るので、「電車の中でイヤフォンを付けて好きな音楽を聴きながら将棋をする」といったことも可能です。
以前使っていたケータイのように、1手打ってくるのに何十秒も待ったりしないので、快適にプレイできました。
駒のグラフィックがもう少し滑らかになってくれると、もっと良いんですけどね。

あと、対局内容をメールで送信することも出来ます。
# 柿木将棋 for iPhone V1.70
先手:You
後手:Level 2
▲2六歩
△8四歩▲2五歩
△8五歩▲9六歩
△8六歩▲同歩
△同飛▲2四歩
△同歩▲同飛
△6二銀▲2三歩
△8七歩▲9七角
△9六飛▲2二歩成
△9七飛成▲同香
△3五角▲2五飛
△5七角成▲2一と
△4七馬▲2三飛成
△3二銀▲2二龍
△2八歩▲3一と
△2九歩成▲4一と
△同銀▲2一飛
△1四馬▲4二金
△投了
棋譜だけ見ても自分にはさっぱりわかりませんが、将棋の好きな人にはきっと良い機能なんじゃないかと思います。

最近の将棋ソフトというのは、強すぎて初心者にはあまり楽しめなくなってきています。
プロの棋士でさえコンピューターに勝てなくなってきているくらいなので、初心者に勝てるわけがありません。
適度に弱い将棋ソフトの開発もしてもらいたいものです。
どう見ても頭の悪い動きをしたり、あからさまに手を抜かれるのは気分の悪いものです。
柿木将棋にも、CPUが勝負をあきらめたときに、持ち駒を使って無謀な打ち方をしてくるところが少し目立ちました(レベルが高いとどうなるかわかりませんが)。
今後は、初心者向けに適度な強さの将棋ソフトの登場にも期待しています。

柿木将棋のCPUレベルを最強にして、自分の直感を信じて操作してみると、すぐ王手飛車取りにされてしまったり、一瞬で負けてしまいます。
膨大な知識と経験に裏打ちされた「直感」でないと、あまり役に立ちません。
羽生名人だからこそ、「直感は可能性の多くを捨てること」と発言することが格好良いのだと思いました。