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iPhoneを一般の人に勧めることができない10の理由

2009年04月23日 iPhone・iPad・Android
累積販売数が2000万台を突破したiPhone
iPhoneを使い始めて、3日で思ったこと3週間で思ったことを書いてきました。iPhoneの良いところ、自分にとって驚きだったことなどを多めに書きました。
でも自分にとって、iPhoneを一般の人に勧めることは、ほぼ不可能に近いことだったりもします。



一般の人は、「iPhone=ケータイ電話」だと思っています。ですが、iPhoneのケータイ電話としての機能は、日本のガラパゴスケータイのそれに比べて貧弱すぎます。
したがって、「iPhone=ケータイ電話」というイメージを変えられない人に、iPhoneを勧めることはできません。残念なことに、日本の一般の人はそういう考えの人がほとんどだと思います。

でも、iPhoneの見方を変えることができ、
iPhone=どこでもネット閲覧できる、ポケットに入るほど小さくて軽いマイクロパソコン!
と思えるような一部の人になら、iPhoneを勧めることはできます。そういう人にとってiPhoneは、とても魅力的に見える端末のはずです。(どこでもネット閲覧できる、のどこでもというのはソフトバンクの電波が届く範囲内でという意味です。3G ハイスピードの人口カバー率は、去年の段階で70%以上です)

SONYのVAIO type Pが、「ポケットに入る588gのパソコン!」と宣伝して話題を作りましたが、いまだにVAIO type Pをポケットに入れて持ち運んでいる人をみかけたことがありません。さすがに、ポケットに入れるには大きすぎるし、VAIO type P単体でネット接続することもできません。

それに対してiPhoneは、ポケットに入るほど小さく軽くて(133g)、ネット接続(softbankの電波が届くかWi-Fiがあれば)も音楽再生も動画再生もゲームもできるマイクロパソコンです。常に待ち受け状態にしておけるので、起動にかかる待ち時間もありません。電車の中での暇つぶしに、ノートPCを開いて作業をするのはなかなか大変ですが、iPhoneだったらすぐにできます。ネットにも接続できるし、音楽も再生できるし、ゲームもできるし、本も読めるし、新聞も読めるし、動画も見られます。あと、電話もできます。

iPhone=ケータイ電話
という認識から、
iPhone=どこでもネット閲覧できて、ポケットに入るほど小さくて軽いマイクロパソコン!
という表現に興味を持てる人にだけ、勧めることができるのがiPhoneです。iPhoneをケータイ電話として見ている一般の人に勧めることなんてできません。

どうしてiPhoneを一般の人に勧めることができないか、自分なりに10の理由をあげてみました。



■1.メール着信音が鳴らない
iPhoneを使い始めていきなりびっくりしたのがこれ。iPhoneでは、ソフトバンクから「***@i.softbank.jp」のメールアドレスを取得することができます。このメールアドレス宛に送られてきたメールは、iPhone画面上に「メッセージを受信しました you got mail.」と即座にメール通知が届きます。が、メールが届いたことは画面上に表示されるだけで、着信音が鳴りません!これにはびっくりしました。これだけでもう、一般の人にすすめられるケータイではありません。メールが届いて着信音も鳴らないのでは、一日に何十回、何百回もメールをやりとりする人には不便でなりません。その上、「i.softbank.jp」のメールアドレスは、まだあまり知られていないため、「迷惑メール」と勘違いされて、相手先にまともに届かないこともあります。
GmailなどPCメールとの連携はとても優れているので、メール着信音については、次期iPhoneアップデートでなんとかしてもらいたい問題です。


■2.液晶がむき出し、直接パネルに触る、ボタンがない
日本のケータイ電話の主流は折りたたみ型ですが、iPhoneは液晶むき出しです。直接パネルに触ります。通話はしにくいし、取り扱いに注意しなくてはいけません。またiPhoneのタッチパネルは静電式です。ペンや爪などで押しても反応しません。スライド操作などは、爪の長い女の人は操作しにくいのではと思います。それから、iPhoneには数字のボタンがありません。ケータイのボタンを押すのが神業のように速い人でも、iPhoneを使い始めると、いきなりメールの文章を書く速度が落ちます。
iPhoneには、「フリック入力」という特殊な入力方法が用意されているので、これを極めれば、普通のケータイ以上に速く打つことも可能になるみたいです(でも直感的でなく、けっこう難しい操作なので、まだ極められません)。


■3.ソフトバンクだ
ソフトバンクだ、というだけで毛嫌いする人がいます。こういう人には勧められないですね。実際のところ、iPhoneはメインのケータイ電話として利用するべきではなかったりするので、サブ端末としてなら、どこの事業者でもそれほど関係なかったりします。


■4.白と黒しかない
女性はピンクとか好きですよね。白と黒だけでは、女性は選びにくいと思います。


■5.コピペもできない
テキストのコピーアンドペーストはできません。カーソルキーの移動も特殊です。「ブックマークレット」を使ってコピペする技もあるみたいですが、「ブックマ…なんとかって何?」と言われるのがオチです。


■6.設定にPCが必要だ
PCからiTunesの設定を済ませて、クレジットカードなどの情報を登録し、iPhoneと同期する必要があります。PC持ってない人にiPhoneは勧められません。


■7.携帯専用サイトが閲覧できない
携帯専用サイトでは、iPhoneからのアクセスをPCと見なし、閲覧不可にするページがたくさんあります。モバイルサイト大好きな人には勧められません。


■8.着うたがダウンロードできない
自分で着うたをダウンロードしたことはないのですが、着うたのヒット曲は100万ダウンロードを越えるみたいです。その着うたをiPhoneでは利用できません。
無線LANを使って、iTunesから直接音楽を購入することは可能です。


■9.通信費が高い
通話料は別として、月にこれくらいの利用料がかかります。
ホワイトプラン(通話料別):980円
S!ベーシックパック:315円
パケット定額フル(MAXで使った場合):4410円
計:5705円
パケット通信料はほぼMAXまで使う人がほとんどなので、月額5705円がほぼ必須です。今はiPhoneキャンペーン中なのでこの価格ですが、それまではiPhoneを持っているだけで月額7200円以上かかっていました。これとは別にメインのケータイを持つとしたら、けっこうな負担です。iPhoneがメインのケータイだったら、普通のケータイ利用料金ですが、iPhoneは肝心の通話・メールが使いにくいですからね…。


■10.いろいろ付いていない
日本のケータイでは当たり前のように付いている以下の機能がiPhoneには付いていません。
カメラにライト、ムービー撮影機能、赤外線通信、単語登録機能、非通知拒否機能、おサイフケータイ、ワンセグ、バーコードリーダー、Flash再生、着うたダウンロード、ストラップを通す穴、バッテリー交換、分厚い説明書etc...
日本のケータイでは当たり前に付いている機能がiPhoneには付いていません。

まとめ

というわけで、iPhoneを一般の人に勧めることはできません。メインのケータイとしてiPhoneは使いにくく、ひろゆきさんの「iPhoneは電話として不便じゃないですか」というのは、まさに的を射ています。iPhoneは日本のケータイ電話と比較して、機能が貧弱すぎます。サブのケータイとして、モバイル用のマイクロPCとして、という使い方ならiPhoneはとても便利です。でもそれだけのために月額6000円近くも払えるか、となるとかなり限られた人に限定されるのではないでしょうか。

もし、
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を読んで、iPhoneがちょっと気になって欲しくなってきたという人は、iPhoneの欠点も考慮しておいた方が良いかもしれません。

「なんかiPhoneすごそうだから、長年使っていたドコモからMNPでソフトバンクに移ってiPhoneにする!」という考えでiPhoneに切り替えたりなんてことをしてしまったら、最悪な状況になることが目に浮かびます。そういえば、森久美子さんも最初大変な目になっていましたね→「私にiPhoneは無理無理!」森公美子がiPhone 3Gをハイテンションかつアグレッシブに批判 - GIGAZINE
アドバイスとして言っておけることは、「いきおいでiPhoneに機種変しない方がいい!」ということです。