テキスト集 #contents *本編 [#oc1a9cb0] **OP [#j774361e] Welcome to MOTHER3 world ノーウェア島 タツマイリ村 テリの森を超えた先 **1章-ヒナワの手紙 [#j97ad0f0] [ヒナワ]の父 アレックの家 [フリント]へ。 あなたが いったとおり 子どもたちは こちらへ来てから ずっと つかれしらずで 野山を 走り回っています。 あいかわらず [クラウス]は げんきすぎて あぶなっかしいし [リュカ]は まだ ちょっと あまえんぼうでしたよ。 でも 二人とも まだまだ 遊びたりないようです。 父も 久しぶりに会えた 孫たちと 別れるのは さみしいみたいだけど きょうの 夕方までには 帰ることにしました。 久しぶりの 山の空気は とても きれいで 気持ちいいの。 いつも タツマイリの村で 羊の匂いにまみれている あなたに この空気を吸わせたかったな。 今度くるときは 羊たちの世話を ご近所さんにおねがいして 家族みんなで 来ましょうね。 [クラウス]も [リュカ]も わたしも あなたのこと いつも 思い出していたんですよ。 夕方 うちにかえったら さっそく うでによりをかけて おいしい[すきなたべもの]を つくるわね。 あなたと 子どもたちの [ヒナワ]より **1章-ブタじるしノート [#c03db447] ◇[フリント]は ブタじるしノートを てにとって よんでみた。 ◇ヘタなじで こうかいてある。 もう このへんのいきものは ぜんぜんダメ。 もっと かっこよくしてやらなきゃ。 テーマは ・もっと つよく! ・もっと わるく! ・もっと らんぼうに! アレとアレをくっつけて みたこともないアレをつくるんだ。 なづけるならば みわくのキマイラけいかく。 じみちにコツコツと かいぞうしてやろう。 **1章 [#z6491cc1] タツマイリ村の人々は これまで・・・ 悲しみというものを 知らずにいたのかもしれない。 晴れた日にも 曇った日にも 笑顔であいさつを かわしていた。 森のなかの いきものは みんな仲がよかった。 強いものは 弱いものを助け 足りないものは 分け合いながら 生きてきたのだった。 しかし いまでは 悲しみのすべてを 知らされているようだった。 あらゆるものごとが 悪いほうへ 悪いほうへ と 変化している・・・。 いつから? どこから? なにが? なぜ? 変わってしまったのだろうか。 動物たちは 不気味な玩具のように その姿を変えられてしまい 人間たちに おそいかかるようになった。 [フリント]たち家族のように たがいの きずなを 断ち切られてしまったものもいた。 ブタの仮面をかぶった 怪しい集団の正体は? あの美しかった空を 横切る 気味の悪い飛行物体は 何なのか? そして 行方の知れぬ [クラウス]は どこにいるのか・・・。 謎は 沸き上るばかりだった。 物語は まずは 悲劇として ・・・はじまった。 **2章 [#pa24b664] 森の 動物たちの姿を 玩具のように いじくりまわした 怪しい集団が いよいよ 人間たちの 町や 暮らしや こころまでをも 変えようと 画策をはじめた。 怪しい行商人の行動の 背後には なにか さらに大きな 意思がかくされてありそうだ。 だが 敵の あらゆる角度からの 汚いこうげきに対して そのまま 手をこまねいている者ばかりでは なかった。 家族のきずなを ずたずたにされた[フリント]。 「正義のドロボー」・・・ ウエスと[ダスター]の親子。 突然登場した謎の美少女 ・・・[クマトラ]姫。 運命は 正しく力を使う者たちを 互いに 結びつけようとしている。 弱虫だった[リュカ]は・・・はたして いまは? **3章 [#p81f17b3] タツマイリの村は 新しくやってきた行商人の 思惑どおりに 変化しつつある。 かつてあった よきものが ぽろぽろと こぼれだして 捨てられていくことに 気づいている村人は ごく少数だった。 にぎわいは ましていくのだけれど 不気味な闇も それにつれて 深くなっていくようだった。 だが その闇の中から 弱々しい少年が たくましく育とうとしていた。 [リュカ]が いま 悲しみの物語を 明るい色に 塗りかえようとしている。 闇が深ければ 深いほど 夜明けの 太陽は まぶしいほどに 明るい。 あまえんぼうだった[リュカ]は いま 若き太陽に なろうとしている。 **4章-シャワー [#a03e55b4] シャワーを浴びた後 3人は 3年間の空白を 埋めあわせるかのように 長い時間 話しあった。 助けた サルのこと。 オソヘ城で 手に入れた ハミングバードのタマゴは いまだに 行方が わからないこと。 DCMCのメンバーに 記憶を失ったままの [ダスター]が いるらしいこと。 そして タツマイリの村を すっかり様変わりさせてしまった 怪しい軍団のこと・・・。 バラバラに散乱した ジグソーパズルを 集めるように 彼らは 知っていることを 話し 考えをつなげていった。 この先の戦いは 決して 楽なものではない。 そのことだけは すでに よくわかっていた。 強くなりたい・・・。 [リュカ]は このごろ 本気で そう思うようになっている。 **4章 [#u1c262ad] ボンボヤージュ・アミーゴ これから 旅立つともだちに 天にいる 誰かさんよ どうぞ おくりものをやってくれ あいつと おれたちは 笑いながら ろくでもない時間を すごした だけど 天にいる 誰かさんよ その ろくでもない時間や どうしょうもない笑顔が おれたちも あいつも 大好物だったのさ ボンボヤージュ ボンボヤージュ アミーゴ **5章 [#q7649415] 土くれから 造られた動く人形。 自由にカミナリを 落とす塔。 はりめぐらされたハイウエイ。 空飛ぶ 船。 [リュカ]たちが 立ち向かわねばならぬ 敵は あまりにも 巨大に成長している。 この 邪悪で強力な 敵に対して 果たして 勝ち目はあるのか? いや。 常識で考えては いけない。 万に一つしか 勝てる可能性がないとしても そのことは 万に一つは 逆転のチャンスが ある ということだ。 [リュカ] [クマトラ] [ダスター]の 三人は 再び 離れてしまうのだろうか。 それとも あらためて力を合わせて 困難に立ち向かえるのか? 空飛ぶ船から [リュカ]たちを 見下ろしていた 仮面の男の 幼さを残した 横顔は・・・? 物語は これまで以上の はげしい戦いを 予感させたまま 次の章へと 動き出している。