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日本で検索エンジンが合法になる日

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2008年01月24日 カテゴリ:雑記
ひとつ前の「日本では検索エンジンそのものが違法らしい」で、「日本では検索エンジンそのものが違法」という考え方は、極論過ぎるのではないかと書きました。

この点について、「BaiduがGoogleを抜く方法 - 池田信夫 blog」のコメント欄に、池田信夫さんの興味深いコメントがありました。
検索エンジンは違法 (池田信夫)
2008-01-23 22:00:19

周知の事実ですが、TBでも疑問が寄せられているので確認しておきます。

検索エンジンによるサイトの表示は、著作権法で禁じる「編集」にあたり、キャッシュは「複製」にあたるので、違法です。アメリカではフェアユースで救済していますが、日本の著作権法(30条)はネガティブリスト方式で、そこに検索エンジンが含まれていないので、助からない。今度の著作権法で対策を講じる方向ですが、あの文化庁に大した期待はできません。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071114/287177/
なるほど、検索エンジンによるサイトの表示は「編集」にあたり、キャッシュは「複製」にあたると。URL先の「平成19年度著作権法改正の動向(3)現行法で回避できない検索エンジンの法的リスク:ITpro」は、まだ読んだことのない記事でした。この記事に「違法」と決めつけられるだけの資料が載っているのだろうと確認してみると…
検索エンジンは,ネットのインフラとしてある種公共性を帯びている面もあります。著作権侵害であると直ちに判断するのは収まりが悪い,と言わざるを得ません。
と書かれている部分もあり、即座に「違法」と決めつけるには歯切れの悪い内容でした。

検索エンジンによるサイトの表示が「編集」にあたるのか「引用」にあたるのかは、裁判でもしてみないとわからないような状況と言えそうです。もし訴えられたら、「ポケットはてながやっているのは、つまりはこういうこと」と似たような反論で、ある程度対処できそうです。

法の整備は進めているみたいで、「はてなブックマーク - 日本では検索エンジンそのものが違法らしい」のshiranuiさんに教えていただいた
文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会(第8回)議事録・配付資料 [資料1]−文部科学省
に詳しい資料が載っていました。中でも「3.結論」では、
3.結論
 冒頭において論じたとおり、検索エンジンは、デジタル・ネットワーク社会における情報流通の利便性を向上させ、ネットワーク上における知的創造サイクルを活性化させる原動力として期待される。
 したがって、検索エンジンにおける著作物の利用行為が、著作権法上の課題を惹起している現状を踏まえれば、著作者の権利との調和について衡量し、総体として文化の一層の発展に寄与するものとなるよう、法制度のあり方を検討する意義は大きい。
 かかる検討に当たっては、まずは、法目的に照らしつつ、現実的妥当性が確保されるものとなるよう、現行制度における解釈による対応の可能性が模索されるべきである。しかしながら、第2−1節において論じたように、現行の著作権法下では、どのような解釈論にたつとしても、検索エンジンサービスの一連の行為に関する法的リスクを必ずしも払拭することはできない。
 以上を踏まえれば、著作者の権利との調和と安定的な制度運用に慎重に配慮しつつ、権利制限を講ずることが適切であると結論づけられる。したがって、権利制限の対象範囲のあり方、権利者保護のあり方など残された論点について、早急に結論を得るとともに具体的な立法措置のあり方を明らかにすることが不可欠である。
検索エンジンの利便性を認め、「ネットワーク上における知的創造サイクルを活性化させる原動力として期待される」とさえ書かれています。
どちらかと言えば、著作権法による法的リスクを払拭できるように法を整備する方向で進めたいようにさえ感じます。

その後の審議会の内容も
審議会情報(文化審議会)−文部科学省
に載っています。

もしかしたら、どこかの検索エンジンが訴えられて「違法」と裁判結果が出るよりも先に、「合法」になる日の方が近いかもしれません。