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父は知らない。

2007年01月23日 雑記
先日の「父が救急車で運ばれていった…」の時に書いたように、救急車を呼んでから2時間近く経って手術が始まりました。
病院が混んでいたわけではなく、病院側のミスだったようです。医療ミスです。

病院の1階では、2階から連絡があるのを待ち…、
病院の2階では、1階から連絡があるのを待っていたようです…。


手術は約2時間半

麻酔で記憶がなくなっていても、体は正直に覚えていたようで、手術が終わった次の日、腹筋や首などが筋肉痛で起き上がるのもツライ、と父が言っていました。
手術中、かなりの力を使ったみたいです。


痛いのは当たり前です。
指が4本ぶっ飛んでいますから。
母の話によると、指の皮がギリギリ残っていて、指の第1関節や第2関節から上が180度変な方向を向いているとか、そういう状態だったみたいです。

指がそんな状態になっている中で、手術を待ち、手術に耐えたのは…想像しただけでも震えてきてしまいます。


手術が終わった後、父のところへお見舞いに行ってきました。
意外と元気そうにしていました。
手術日は点滴と呼吸器が繋がれていたみたいですが、もう、一人で食事できる状態になっていました。
片手使えないとけっこう食べにくいんだよ
などと言いながら、片手と口で割り箸を割って食事を始めました。

夜6時夕食で10時就寝のため、眠れないとお腹が空くと言っていました。
夜寝付けないから、アンパンが欲しい。食事もおいしくないから、アンパンが欲しい
こんな父の言葉を聞いていると、「俗にシンナーを詰めた袋のこと。」と勘違いしてしまいそうですが、父の場合はごく普通の、食べる方のあんパンが食べたいみたいです。
禁煙に成功していたこともあって、ニコチンがきれて辛い思いをしなくて良いのは楽だと言っていました。
来月のスキーには行けなくなっちゃったな
そんな風に、意外と元気にしていた父でした。

が…




先生、指の状態見ても何も言ってくれないんだよ
明日にでも退院したいくらいなんだけどね


そう、父は知らないのです。

一度切断されてしまった指を、手術によって骨、神経、血管などを縫合できたとしても、確実に再接着するわけではないということを。

手術さえ終わって、その後リハビリすれば前と同じように指が動く、と父は信じているはずです。
神経が元通りつながらない可能性があることを父は知らないのです。
手術日に母だけが、この事実を病院で聞いていました。
父には一切知らされていません。



もし神経が元通りつながらなかったらどうなるのか?






再接着させた指を、もう一度手術で切り落とすそうです。