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やっちゃった!?東芝のNFC搭載SDカードが想定外のクソ仕様だった件

2015年07月10日 カメラ・写真
カメラに付いていると便利な機能がWi-Fi転送やNFC転送機能等の写真無線転送機能。コンパクトフラッシュ、SDカード、microSDカードなど、デジカメによって記録用のメディアは様々です。デジカメで撮った写真をすぐにLINEで送ったり、Twitterにアップしたりするときに、一度スマホに転送するためのWi-Fi転送やNFC転送機能がデジカメ本体に備わっていると本当に便利です。

スマホにiPhoneを使っているときには、「Wi-Fi転送だけでいい、NFC使えないし」とか思っていました。スマホをAndroidに替えてからは、NFCがとても便利なことに気付かされました。例えば、SONY α7 IIにはNFC機能が付いています。NFCのおかげで、スマホをα7II本体の側面にかざすだけで、写真が転送できます。ミラーレス一眼からスマホに写真を移すのが一瞬。あまりにも便利すぎて、「無線転送機能が付いていないデジカメでもNFC使えないかな?」と思うようになりました。デジカメ本体に機能が付いていなくても、SDカード側にNFC機能を持たせたらいけるんじゃないかと。

探してみたら、ありました。東芝のSDHCカードはNFC機能付きでした。スマホにかざすだけでメモリーカードの中身が確認できると書いてありました。さすが東芝。このカードさえあれば、デジカメで撮った写真をスマホで表示して、すぐに転送できるはずです。
NFC搭載SDHCカードは、近距離無線通信技術の規格「NFC(Near Field Communication)」を搭載したカードです。 お手持ちのAndroidスマートフォンをかざすだけで簡単に中身を確認することができます。
日本での販売にはあまり本気ではないのか、並行輸入品の東芝 SDHC NFC搭載 32GB Class10 UHS-I SD-R032R7ULN01A Toshiba Android対応 [並行輸入品]の方が安かったので、並行輸入品の方を買ってみました。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


16GBでも良いかなとは思ったのですが、これから長いことお世話になりそうな気がしたので、思い切って32GBを注文しました。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


輸入品ですが、製造元は日本でした。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


説明書は、英語、中国語2種類、韓国語表記でした。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


そして、デジカメに挿入してみました。無線転送機能の付いていないデジカメでも、SDカード側にNFC転送機能があるので、すぐにスマホに転送できるはずです。問題は、本体に挿入したままでも読み込めるか、それとも一度SDカードを抜いてからスマホで読み込まないとダメなのか、そういうところだと思っていました。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


「これで国内旅行も海外旅行も余裕だぜ、ヒャッハー」、なんてこのときは思ったりもしました。「ヒャッハー」なんてリアルでは絶対言わない人間ですけどね。常にテンション低いですし。


NFC搭載SDカードにスマホをかざしてみると、Androidアプリのダウンロードページに飛びました。「Memory Card Preview」という東芝純正のNFCカードリーダーです。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード
「Memory Card Preview」は、東芝のNFC搭載SDHCメモリカードにスマートフォンをかざすだけで、SDメモリカードの空き容量やサムネイルが確認できるアプリです。

よし、これで写真を即座に転送できるぞ、と思いました。α7IIと違って、デジカメ本体の側面からスマホをかざしても無反応だったので、SDカードを抜いて読み取ることにしました。カードは本体から抜かないと読み込めない仕様でした。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


Memory Card Preview 操作ガイダンスにしたがい、SDカードの内容を読み取ってみました。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


「読み込めたー!!」。普段テンションの低い自分も、このときばかりは少しテンションが上がりました。NFC搭載SDカードで撮影した写真が、スマホのNFC機能で無事読み込めました。あとは、この写真を全画面表示して保存するだけ。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


全画面表示して、保存するだけ…


全画面表示して…


全画面表示…?


「ん、全画面表示機能がないぞ!」


勝手に丸くされてしまったサムネイル画像をタップしたら、全画面表示されるか、「この画像を保存する」というダイアログが出てくるだろうと信じていました。ところが、いくら画像をタップしても、微妙に画像が大きくなるだけ。ダイアログも何も出てきません。

「あれ、保存は別ページなのかな?」と、メニューからいろいろ探してみました。

結果、保存機能無し!


「全画面表示もできないし、画像の保存もできないぞ!」


ちょっと信じられない事態に遭遇。一体どういうことなのか。SDカードにNFC機能が付いていて、スマホで読み込んでメモリーカード内の画像のサムネイルも表示できる。でもその画像を保存できない。

「んんん?」

もう一度、東芝純正のAndroidアプリ「Memory Card Preview」の説明を読んでみることにしました。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード
東芝のNFC搭載SDHCメモリカードにスマートフォンをかざすだけで、SDメモリカードの空き容量やサムネイルが確認できるアプリです。

主な機能
・空き容量、最大16枚のサムネイル、撮影日などが確認できる「プレビュー機能」
・カードリスト表示(最大20枚まで)
・カードの名前の入力・編集機能(全角26文字、半角英数字80文字)
・操作ガイダンス

空き容量、最大16枚のサムネイル、撮影日などが確認できる「プレビュー機能」。

あ…


東芝「プレビューできるとは言ったが、保存できるとは一言も言ってない」


あ…


「はー?何言ってんの?」と、一瞬固まってしまいました。SDカードにNFC機能が付いていて、撮った写真のサムネイル画像が表示できるのに、その画像を保存する機能が付いていない!一体何のためのNFC機能なのか。

しかも、もう一個重要な見落とし仕様が。空き容量、最大16枚のサムネイル、撮影日などが確認できる「プレビュー機能」。何百枚撮影しようと、「最大16枚しか表示できない」という謎仕様。当然ページ送り機能が付いているだろうと思っていたのに、次のページになんて移動できませんでした。SDカード内から16枚適当に選ばれて、それしか表示できないという謎の縛り。なんだこれ。

わざわざNFCという高度な技術をSDカードに搭載して、できることが「カード内から適当に16枚の画像を選んで、勝手に小さく丸くして表示するだけ」というクソ仕様。「おい、東芝大丈夫か?」と声をかけたくなる事案。

この東芝製NFC搭載SDカードを買ったのは完全に失敗に終わりました。自分の見込みでは、「NFC搭載SDカードの内容をスマホで読み取って、好きな画像だけコピーできる」はずだったのですが。なんでこんなことに…。スマホ側にサムネイル画像を転送できるなら、それをスマホに保存できるのは当たり前だと思っていました。






完全に諦めて放置していたら、発売からしばらく経った7月7日に、なんと新機能が発表されました!
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード
新機能
以下の機能を追加しました。
- サムネイルの拡大表示機能
- サムネイルの保存機能
おぉ、ついにサムネイルの拡大表示と、保存機能が!さすが東芝!と思って、新バージョンのアプリをダウンロードして試してみることにしました。


SDカード内に18枚の画像を突っ込んで、スマホのNFC機能で読み込んでみました。
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


やっぱり最大16枚しか表示されません。17枚目以降はどうやっても見ることができないという仕様は相変わらず。

問題はこの先。サムネイルの拡大表示機能!

勝手に丸くされてしまった写真をタップすると…
東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


「おぉ、確かに拡大されたぞ!」と。全画面表示ではありませんでしたが、勝手に丸くされていた写真は、長方形で見ることが可能になりました。

そして、いよいよ画像保存機能。「サイズはどれくらいだろう。長辺1920か1200か800か、あるいは480くらいかな」。


それでは、このアプリを使って、保存した画像を、そのまま縮小なしで載せます。


これです!


東芝 SDHC NFC搭載 SDカード


「ちっちゃ!画質粗!」


画像サイズ120*160ピクセル。


ツイッターにアップする機能とか高度な機能は付いているのに、画像サイズはたった120*160ピクセル(しかも左右に黒帯あり)。一体いつの時代のSNSに合わせてあるのか。あまりに酷すぎて、逆に東芝が心配になってきました。求めていたのはこんな機能ではありません。読み込みに多少時間がかかっても良いから(NFC単体だと転送速度が遅いので)、もっとまともに使える画像が保存したかったです。あとで調べてみたら、NFCの最大転送速度は424kbpsらしいので、10秒あれば最大500KB程度の画像が転送できるはずなんですけどね。

東芝製のNFC搭載SDカードを買ったのは、やっぱり完全に失敗に終わりました。ちゃんと仕様を確認しないで、勘違いしたまま購入してはダメですね。やっちゃいました、という話でした。