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SIGMA dp2 Quattro、本日発売!

2014年06月27日 カメラ・写真



このように斬新なデザインで話題を集めた、SIGMA dp2 Quattroが本日発売されました!



発売前に、今月号の各カメラ雑誌を読み比べて、SIGMA dp2 Quattroの評価をチェックしてみました。旧機種DP2 Merrillとの比較では、このように書かれていました。
・Merrillと比べて色再現が良くなったことで、ISO800まで実用可。
・メモリーカードへの書き込み速度は2倍速。
・バッテリーは3倍持つように。
また、実際に使ったレビュワーは、このように記事内で評価していました。
・翌日納品の仕事だったら使いたくない。
・カードスロットのカバーがクソ。
・子どもの運動会にQuattroを持って出る人はいない。
・戦闘機のコックピットで操縦桿を握っている感覚に近い。
・ポートレート撮影には書き込みが遅すぎてテンポが悪い。

さて、気になるのは画質です。雑誌ではわかりにくかったdp2 Quattroの画質も、シグマ公式の実写サンプルや、各メディアに掲載されたQuattro写真で、徐々に全貌が見え始めてきました。JPEG撮って出しの画像では、粉っぽさやシャープネスの強さなどがかなり気になりました。「SIGMA dp2 Quattroの特徴について|株式会社シグマ」のページには、Quattroには白とび軽減用画素が入っていることもわかりました。RAW現像でどこまで良くなるのか楽しみです。


そして、本日がついにSIGMA dp2 Quattroの発売日!

ということで…


ネットサーフィンをして、dp2 Quattroの写真やレビューを見ています!



dp2 Quattroを買う予定はないので…。一番上の写真は、DP2 Merrillで撮った写真です。dp2 Quattro用にバージョンアップしたSIGMA Photo Pro 6.0で現像してみました。今日の午後、修正版のSPP6.0.1もリリースされました。以前のバージョンのSPP5と比べて、SPP6ではサムネイルの表示が圧倒的に速くなり、かなり使いやすくなりました(相変わらず、起動には1分以上かかりますが…)。


そして、SIGMA dp2 QuattroのRAW画像も手に入れて、自分で現像してみました。

結果…

100%表示にすると、処理が超重い!


dp2 Quattroの有効画素数は約2900万画素です。Merrillの約4600万画素に比べて、大幅に減っているわけですが、処理はずっと重くなっています。一つは、記録しているbit数が増えたことと、もう一つは3層のFoveonセンサー構造に違いがあることが考えられます。Quattroでは、T(トップ):5,424×3,616、M(ミドル):2,712×1,808、B(ボトム):2,712×1,808で約2900万画素です。これは、1:1:4構造を採用しているからで、実際の画像処理には、これを4:4:4に復元して、T(トップ):5,424×3,616、M(ミドル):5,424×3,616、B(ボトム):5,424×3,616にしてから、画像処理しているのではないかと考えられます。つまり、約5800万画素の画像を処理している状態になり、処理が重いのだろうと考えられます。

実際にこの処理の重さを体感すると、カメラ内のプロセッサがどれだけ頑張っているのかが想像できます。PCのCore i7でも重いのに、1枚約5秒で書き込み完了できるdp2 Quattroのプロセッサはとても優秀です。


さて、SPP6でdp2 QuattroのRAW現像をしてみた結果ですが(等倍では重いので縮小モードで)、新しくカラーモードに追加されたフォレストグリーンはなかなかイイ感じです。緑を鮮やかに表現したいときは、風景やビビッドなどよりも、きれいに仕上がります。

そして一番の懸念事項だった、ノイズとシャープネスについては、RAW現像だとそれほど問題はなさそうです。シャープネスは自分で下げられますし、ノイズリダクションも、中央から右に1個や2個ずらすこともできます。JPEG撮って出しよりも、望ましい結果に仕上がります。

また、出力画像サイズに用意されている「S-HI」というオプションがなかなか使えます。「S-HI」とは、等倍よりも少し大きめサイズに出力するオプションです。この「S-HI」を利用すると、ノイズとシャープネスを自分好みに仕上げられます。どうやるかというと、QuattroのRAW画像をTIFF16bitの「S-HI」にして出力→他の画像処理ソフトでノイズリダクションとシャープネスを設定して、リサイズしてJPEGに出力、という流れです。

具体的には、SPP6でRAW画像のシャープネスを下げて、簡単にホワイトバランスを調整し、TIFFに出力してから、Adobe Photoshop Lightroomに取り込んで、ノイズリダクションとシャープネスを設定して、リサイズしてJPEGに出力します。Lightroomの設定では、ノイズ軽減を輝度ノイズ10、カラーノイズ20くらいを基準に、適当にいじってみると良いと思います。シャープネスは、細かいノイズを強調してしまわないように、半径とディテールの値を下げて、マスクを少し上げると良いです。これで、粉っぽさとノイズ感と強すぎるシャープネスの問題が回避できました。最終的な仕上がりを見れば、Merrillよりもノイズ感が少なく、好みの画像に仕上がりました(Quattro画像は自分では持っていないので、他人の撮った写真で試した結果ですが)。もし自分でdp2 Quattroを持っていたら、こういうワークフローで仕上げると思います。

ということで、発売前にアップされたQuattroのJPEG撮って出し画像の不安は、自分の中では払拭されました。色かぶりも少なく、色もMerrillよりも安定しているように見えますし、dp2 Quattroの画質はなかなか良いのではないかと思います。


追記dp2 Quattroのノイズを低減するワークフロー




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