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ボイジャー1号が進んだ約190億kmは、約0.002光年!

2013年09月13日 雑記
1977年に打ち上げられたNASAの探査機ボイジャー1号が、太陽系外に出たそうです。

ボイジャー1号は打ち上げから約36年かけて、太陽から約190億kmの宇宙空間に到達したことになります。現在は、時速約6万kmで飛行中だそうです。

約190億kmというとてつもない距離。この距離を光の速さと年月で表現してみることにしました。

約190億kmは…約0.002光年です!


10光年とか100光年とか100億光年とか、宇宙の話題には当たり前のように出てくる距離。10光年はおろか、1光年ですら、はるか遠くですね。


さて、1977年のボイジャー1号が、どうやって今も地球と通信しているのか調べてみました。特に電源がどうなっているのか気になりました。

「太陽電池?でも太陽系外に出てしまったし、どうやって発電しているのだろう。原子力?」と思って調べてみたら、原子力でした。ボイジャー1号には、原子力電池が搭載されています。

プルトニウム238の原子核崩壊の際に発生するエネルギーを熱として利用し、熱電変換素子により電力に変換して、地球へと電波を飛ばしています(地球まで約13時間で到着)。プルトニウム238の半減期は87.7年ですが、2020年以降にはシステムの停止が予想され、2025年までには完全に動力を失うようです。

原子力電池は寿命が長く太陽光も必要ないため、昔からよく使われていました。ただし、放射性物質ゆえのリスクが伴うため、最近では太陽光エネルギーが得られる地球軌道周辺や木星軌道程度では太陽電池に置き換えられているようです。

ボイジャー1号とボイジャー2号がともに1977年に打ち上げられたのは、スイングバイ航法を用いたためです。木星、土星、天王星、海王星が同じような方向に並ぶ、都合の良い年だったようです(次に並ぶのは175年後でした)。ボイジャー1号は、木星でスイングバイを行い、増速することで太陽系を脱出することができました。

ボイジャー1号が木星を通過したのは、1979年3月5日。木星を通過してからが長いですね。現在は、太陽から約190億km離れた位置を飛んでいます。これだけ離れても約0.002光年とは、光の速さに驚かされます。