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サンタクロースはなぜ赤い服を着ているのか

2011年12月23日 年末


「サンタクロースはなぜ赤い服を着ているのか」、と黄色いサンタさんを撮影しながら、ふと疑問に思いました。

そもそも、サンタクロースに限らず、クリスマスプレゼントのイベント等も一体いつ頃から日本で流行り始めたのでしょうか。

たまに見受けられる間違いは、「コカ・コーラの宣伝でサンタやクリスマスプレゼントが流行った」というもの。

バレンタインや恵方巻のイベントが食品業界の売上げアップに貢献していることから、クリスマスとコカ・コーラの関係を結びつけている説があります。これは間違いです。

調べてみたところ、日本でクリスマスプレゼントの贈り物が始まったのは、明治時代のことです。1906年(明治39年)12月18日付の読売新聞に、「貧しい人々へのクリスマスプレゼント」という記事があったようです。また、1923年(大正12年)12月3日付の東京日日新聞には、「Xマス近づく」の見出しで「坊ちゃん嬢ちゃんに歓迎されるクリスマス・プレゼントは、年々盛んになるばかりだ」と報じられていたようです。

コカ・コーラの広告にサンタクロースが初めて採用されたのは1931年です。「コカ・コーラの影響により、日本でクリスマスプレゼントが流行った」というのは間違いです。その前からクリスマスプレゼントの習慣が日本にありました。

例えば、1914年発行の「子供之友」という雑誌にこのようなイラストがあります。

『子供之友』1914年12月号

赤い服に白いヒゲの、97年後の2011年でもよく見かけるごく一般的なサンタクロースです。

コカ・コーラとは関係なく、昔から赤いサンタクロースがいました。これは、教父聖ニコラウスの伝説により、ニコラウスが赤い衣装と司祭帽を頭につけていたのが起源と言われています。その後、聖ニコラウスからサンタクロースに変わり、いろいろなところでサンタクロースが描かれ、その時も赤いマントなどの赤い服が多かったようです。別に何色の服を着ていても良く、サンタクロースが他の色の服を着ている描写も昔はあったようです。その後、コカ・コーラ社がコーポレートカラーと同じ赤と白のサンタクロースを描いたことで、赤い服のサンタが定着したと言ったところでしょうか。前述したように、日本ではコカ・コーラの宣伝以前から赤い服のサンタは流行っていたようですけどね。

もし、コカ・コーラではなく、LOFTがサンタクロースを流行らせようとしたら…?上の写真のように、黄色いサンタが一般的になったのでしょうか。おそらく黄色いサンタは、一般には定着しなかったのではないかと予想します。コカ・コーラは、すでに一般的だったサンタのイメージをそのまま借りることで、赤い服を着たサンタをより定着させることに成功したのではないでしょうか。