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ブログの存在意義について

2006年01月12日 ブログ全般
ライブドアブログでは、スパムの原因となっている”トラックバック”について、機能が限定されることになりました。
(→livedoor Blog 開発日誌:トラックバック防止機能を本日公開しました!

投稿記事内に相手へのリンクが含まれていない場合、トラックバックを送ることができなくなったようです。
この防止策を破るのは簡単で、一度相手へのリンクを全て投稿記事内に列挙した上でトラックバックを送り、送信後に参照先のリンクを削除することで今までと同じようにトラックバックスパムができてしまうはずです。(←試していませんが、多分)

トラックバック”というわかりにくい仕組みが、今回のライブドアの対応でより初心者を遠ざけたように思います。

そもそも、”トラックバック”自体は参照リンクに関する相手先への通知であったと言われていますが、そのわかりにくさから
トラックバックをどんどん送ってみましょう!
という、習うよりは慣れろ的なブログサービスがあったことも確かです。

また、人によってトラックバックの考え方がバラバラなのも問題を拡大させました。

例えば、競馬予想ブログ界では、あるレースの予想に関する投稿記事に関しては、相手への参照リンクなしでトラックバックを送り合うような習わしがあります。
実際、これをやってみると、他の人がどんな予想をしているのか自分の投稿記事を見るだけでわかってかなり便利です。
20人とトラックバックを送りあったとしたら、自分の投稿記事を見るだけで20人分の予想が一瞬でわかるわけですから、効果は絶大です。(レースが終わった後の予想の確認も簡単です)

この習わしに慣れすぎるのはまた危険なことで、競馬関連の記事の時と同じように他の記事を他の方へのブログ(取り上げていた話題は同じ)へトラックバックを送った時に、相手からメチャクチャ怒られたことがあります。
スパムはやめろ!
と。

そのブログには、「参照リンクなしでのトラックバック禁止」とはどこにも書いてなかったわけですが、ダメだったようです。
ドラマ「女王の教室」の問題点を取り上げているブログに対して、こちらの考えとして
女王の教室は甘い!
という記事からトラックバックを送ったのですが、「どう見てもスパムです。最低な行為です」と言われてしましました。

人によって「トラックバックの考え方が違うこと」、「そのことに関してどこにも言及されていないことが多いこと」も問題を大きくしています。
この事件以来、”トラックバック”は参照リンクを含んでいないトラックバックはやめるようにしました。
トラックバックに関しては、
トラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突――「言及なしトラックバック」はなぜ問題になるのか [絵文録ことのは]2006/01/06
ただのにっき(2005-06-28)言及リンクのないTrackBackの何がいけないのか
「トラックバックはリンク&言及した相手にだけ送れ」と言われても…… :小林Scrap Book
などでも熱く議論されています。


ブログというシステムが登場した時に、今までのWeb上の日記と何が違うと感じたかといえば、

1.カテゴリーごとの分類
2.RSSの配信
3.トラックバック送受信機能
4.投稿記事ごとのコメント機能

だったわけですが、

「3.トラックバック送受信機能」はポリシーが徹底されていなかったこととスパマーのおかげでほとんど廃れたように感じます。

「4.投稿記事ごとのコメント機能」に関してもコメント機能を無効にしている人を多く見かけます。
ブログは、毎日毎日難しい話題のコラムや議論を書いている人は少なく、その日の日記や感想を書く人が多いわけですが、これに対するコメント機能は微妙です。

その人のぼやき、ひとりごと、感想などに対して、
他の人にも見られてしまうコメントを書く」、
他の人にも見られてしまうレスをする
というのは意外と神経を使うものです。
ブログを書いている人の日常に対してコメントを書きたいのであれば、
「そのブログを書いている人にだけメッセージを送り、コメントをしてくれた人に対してだけレスをする」
のが一番わかりやすい単純な流れです。
例えば、
コメント:「趣味は何ですか?」
レス:「ゲームをすることです」
などとやりとりするのであれば、その二人の間でメッセージ交換すべきです。
誰もが見ることができるコメント&レスをしてしまうことは、
TVのインタビュアー:「趣味は何ですか?」
全国の視聴者へメッセージ:「ゲームをすることです」
と発信することと同じようなこととなってしまいます。(実際はもう少し規模が小さくなりますが)
その日の日記に対するコメント機能としては大げさすぎ、荒らしやレスの配慮などを強いられ、ブログを書く人にとっては疲れやすい機能であるといえます。

実際このブログでは、投稿記事内のコメント機能、Web拍手機能、管理人へメッセージ機能の3つを用意してあるわけですが、一番利用してもらっているのは「コメント機能」ではなく、「Web拍手機能」の方です。
「Web拍手機能」は、こちらはレスの必然性は無く、相手側もレスを期待する必要もなく、それでいて他人の目を気にしてかしこまりすぎる必要もなく、ブログにはちょうど良い機能です。


今までのWeb上の日記と違う点で言えば、1?4のうち3と4はあまり使いこなせていない人が多いとすると、残っているのは「1.カテゴリーごとの分類」「2.RSSの配信」です。
カテゴリーごとの分類は人によっては必要がなく、効果的に利用されているのはRSSの配信くらいです。

日本の過去、未来を通じて、「ブログを更新する人」が一番多いのは2005年辺りだと思います。
ブームに乗ってブログを作ってみたものの、上に挙げたような問題点が多く、ストレスを感じてやめてしまった人も多数います。
これからもブログを始めようとする人はいますが、同じようにやめていく人も多いと思います。

ということは、
・特にカテゴリー分けされる必要もなく、
・トラックバックなんて全く必要なくて、
・知り合いだけに簡単にメッセージのやり取りができて、
・更新されたことの通知
だけあれば良いことになります。

このようなシステムがあるかというと…

一年間で100万人以上のユーザーを増やし、更新率も高く、満足度も高く、ライブドアブログなどのブログユーザー数を一気に抜き去ったあのシステムがあります。

mixi

です。
(mixiを含む他のSNSも含めると2005年下半期の推定訪問者数は491万人になっているそうです)

他人の目を気にせず自由に日記が書け、知り合いだけとメッセージのやり取りができて、知り合いの日記の更新通知もある…。
Web上の日記を書きたかった人にとって、ブログよりもSNSの方が適していたということだと思います。

では、ブログはSNSに負けてしまうかというとそういうことでもなく、適材適所で続けていくのが大事なことだと思います。
ブログの「更新しやすく、誰でも見ることができる文章」を書くことができるこのシステムは、高機能でかつ便利であることに変わりはないと思います。





こんな長文を今こうして読んでもらえるていることが、ブログの一番の良さだと思っています。