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天皇賞で生ウオッカ!

2008年11月03日 競馬
競馬の中で一番好きなレース「天皇賞(秋)」。スピードとスタミナを兼ね備えたサラブレッドたちが走る2000m戦。東京競馬場まで見に行ってきました。



見に行くからには、一応を予想もして馬券も買って、レースを観戦しました。

予想

ウオッカは、調教の動きが脚裁きも軽くて抜群で、最高の気配でした。東京1600mと2400mのG1を勝っているだけに、スタートで後手を踏むか、途中で引っかかったりしなければ勝ち負け必死の出来の良さです。ウオッカは末脚が強烈なようで、実は最後の100mでいつもバテているので、東京の広いコースを外から早めに抜け出して差を広げてしまう展開が理想です。

ディープスカイは、弱い3歳勢の中でも別格。ダービー優勝後、夏を越えて神戸新聞杯を勝ち、順調に天皇賞秋へ。調教の動きでは、本格化するまでもう少し時間が必要な感じにも見受けられましたが、これほど順調なダービー馬はなかなかいないので、広い東京コースなら好勝負間違い無しです。

ダイワスカーレットは、去年の年度代表馬に選ばれても良かったくらいの実力馬。ただ、今回は故障休養明け、しかも東京2000m。ダイワスカーレットは平均に速いペースで逃げ、後ろから行った馬にも脚を使わせてしまいます。そして、逃げているにもかかわらず最後の100mで二の足を使うというレース運び。休養明けに直線の長い東京では、どうしても分が悪そうです。調教の動きも一叩き欲しい感じで、あと一歩という感じです。

予想をまとめると…、ダイワスカーレットが平均に速いペース(一般的にはハイペースだけれども、ダイワスカーレットからすれば平均ペース)で逃げ、直線で外からウオッカが堂々と伸びてきて、それをディープスカイが息の長い脚で襲いかかる…。こういう展開を予想しました。休み明けのダイワスカーレットは直線半ばで息を切らすだろうと。もし、この状態で勝つようならダイワスカーレットが強すぎということです。3着争いには、エアシェイディとカンパニーのノーザンテーストの血が入った、G1で3、4着くらいに来そうな馬を選びました。調子の良いサクラメガワンダー、オースミグラスワンのグラスワンダー産駒やアサクサキングスアドマイヤモナークのステイヤーも気になりましたが、この辺りは切って勝負です。

馬場入り

ダイワスカーレットだけ先に馬場入りして、引っかかりそうな気配で飛ばしていきました。ハイペースになる予感がしました。




ディープスカイは落ち着いて馬場入り。好勝負できそうです。




ウオッカは…。
外ラチをゆっくり歩いて、レース前にもかかわらずウイニングランをしているようでした。落ち着きといい、馬体の良さといい、ひときわ目立っていました。


走り出してからも外側を落ち着いて周り、これはやってくれそうな気配でした。

レース

予想通りダイワスカーレットが好スタートから逃げ、誰も付いていけないほどのスピードで飛ばしました。前半1000mが58秒7と表示されると、場内からざわめきが。このハイペースは休み明けでの完全に負けパターンです。




直線に入り、残り400mを切るとウオッカ、ディープスカイら後続勢が猛然と襲いかかってきました。




この時点で、ウオッカとディープスカイがダイワスカーレットを捉えたかと思いましたが…。




ダービー馬2頭の争いとなるかと思った残り100mで、ダイワスカーレットの二の足が!どの馬が勝ったかわからない状態でゴールイン。タイムは1分57秒2という、とんでもないコースレコード!2レース前に行われた同じ2000m戦では、2分0秒1でしたから、3秒近くも速い決着。これではステイヤー血統は勝負になりません。上位3頭の強さが際だちました。

場内ターフビジョンにはレースのVTRが流れ、ウオッカが差しきった!と思ったところでダイワスカーレットが一伸び!それから何度も何度もレースのVTRとゴール前のスローが流れ、何度も見ているうちにだんだんと「ダイワスカーレットの方が優勢では?」と思うようになってきました。武豊騎手も首をひねり、誰もがダイワスカーレットの強さに驚いた瞬間でした。



そして、10分以上の長い写真判定の結果…

2cm差でウオッカの勝利!



ダイワスカーレットの方がわずかに前に位置しているように見えましたが、判定写真を見るとダイワスカーレットがわずかにクビを上げた瞬間にゴールに飛び込んでいて、ハナ差でウオッカの勝利でした。



ウオッカとダイワスカーレットは永遠のライバルですね。牡牝混合レースでも関係なしに優勝争いです。今まで何度となくダイワスカーレットの二の足に負けてきたウオッカでしたが、ついに2cm差で捉えきりました。
まるでマンガのように感動的な伝説のレースでした。



天皇賞(秋)を制し、東京1600m、2000m、2400mのG1タイトルを手にしたウオッカ。牝馬でダービーを優勝するだけでも歴史的快挙なのに、安田記念と天皇賞(秋)まで勝ってしまいました。

レース後には、国歌斉唱。国歌斉唱ならぬ、ウオッカ斉唱でも良いのではないかと思ってしまいました。



ウオッカおめでとう!