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α7がファームウェア更新でパワーアップ!

2014年03月24日 カメラ・写真
α7 28-70mm


ソニーα7(ILCE-7/B)/α7R(ILCE-7R/B)の本体ソフトウェアアップデートが3月19日にリリースされました。修理から戻ってきたα7に新ファームを導入してみたところ、使い勝手が大幅に良くなりました。新しいファームウェア(現時点では1.02)は、下記公式ページからダウンロードできます。
[α7をお使いのお客様]
1. SEL70200G 対応
 ファストハイブリッドAF対応
 ※今後発売のEマウントレンズにも対応
 フォーカスホールドボタン機能の対応の追加等
2. 起動時間の短縮
 電源スイッチが「ON」の状態から「OFF」にしてすぐに「ON」した場合の起動時間が短縮されます。
3. 画質向上
4. PlayMemories Camera Apps 対象アプリケーションの追加・機能向上
 「ライブビューグレーディング」「スムースリフレクション」アプリに対応しました。
 「タイムラプス」 (Ver.2.00以降で対応)のAEの滑らかな追随に対応しました。
使い勝手が良くなったのは、大きく二点あります。一つは、リリース内容通りの起動時間。そしてもう一つは、リリース内容に書いてない部分でのアップデート。これの更新が本当にすばらしいものになっています。

起動時間が体感で2倍速くなったような感じに!

α7の起動時間というのは信じられないほど遅く、「まだ?まだ?」と何度確認しても終わらないくらいの遅さです。今回、ファームアップ後に起動時間を計測してみたところ、初期起動には12〜13秒台かかりました。

「え、1.2秒とか0.12秒の間違いじゃないの?」と思われそうですが、12秒以上かかります(電源スイッチをONにしてから、AFが動くようになるまでの時間)。ニコンD800の起動時間が0.12秒ですから、それの100倍以上遅い計算になります。

α7の起動時間は、状況によってまちまちです。一番時間がかかるのは、バッテリーを入れ直した後の起動です。その時は、上にも書いたように12〜13秒台かかります。一度バッテリーを入れて、一度電源をONにしてOFFにした後は、もう少し速くなります。それも、電源をOFFにして即ONにした場合と、時間をおいてからONにした場合で、起動時間が違っていました。ファームウェア更新前は、電源OFF→即ONの場合、5〜7秒台程度かかり、とてもストレスがたまるものでした。

今回のファームウェア更新後に、電源OFF→即ONの起動時間を計り直してみたところ、2〜3秒台へと大幅短縮されました。体感でも倍くらい速くなった印象があります。今までの「信じられない起動の遅さ」から「信じられる起動の遅さ」へとパワーアップして、とても使いやすくなりました。

なお、起動時間が遅い仕様を解決する方法として、「こまめに電源を切らない」「なるべく電源を入れっぱなしにしておく」のが最善策だったりします。幸い、旧NEXシリーズとバッテリーは共通ですので、予備のバッテリー「NP-FW50」をいくつか持っておくと安心です。バッテリーは偽物が多いため、アマゾンのマーケットプレイスで変な会社から買わないようにご注意ください(アマゾン直販かビックカメラなど信用のできる店から買った方が安全です)。バッテリーを入れ替えた後は、すぐに使わなくてもとりあえず電源をONにしてからOFFにしておけば、次の起動からは2〜3秒台になります。他社がコンマ何秒の世界でしのぎを削っている中で、のんびり数秒待たなくていけないのは残念ですが、今までよりはずっと速くなって使いやすくなりました。

メモリーカード書き込み中の硬直時間が大幅短縮!

そして今回のファームアップで一番嬉しかったのがここ!メモリーカード書き込み中の硬直時間の大幅短縮!

アマゾン限定「SDSDXPA-032G-JAZ」を購入。95MB/sの威力は?の記事で、「α7にはバッファが十分積み込まれているのに、アクセスランプ点灯中はコントロールホイールを回しても無意味になるという、その仕様が良くありません」と書きました。α7には、画像書き込み中にコントロールホイールをいくら回してもISO感度を変更できないという仕様がありました(実際はコントロールホイールだけではなく、前ダイヤルや後ダイヤルも操作を受け付けない時間がありましたが、コントロールホイールが一番硬直時間が長いように感じていました)。一枚撮って、そのすぐ後にISO感度や絞りを変えて撮り直したいときに、メモリーカードへの書き込み中のため一切操作を受け付けてくれなくてストレスでした。

それが今回のファームアップで、改善!ファームアップ前はアクセスランプ点灯中に操作を受け付けなかったのに対して、ファームアップ後はアクセスランプ点灯中でも操作を受け付けるようになりました。つまり、一枚撮ってすぐコントロールホイールを回しても、ISO感度が変更できるようになったのです。ファームアップで、当たり前のことが当たり前にできるようになりました。別にバグではなく仕様なので、ファームウェア更新での改善はもしかしたら期待できないのではないかと心配もしていましたが、今回のファームで改善されました。

すばらしい改善なので、リリース内容に「操作性向上」とか書いてくれても良さそうなものですが、どこにも書かれずなぜかひっそり改善されていました。

その他の変更点

あとは、今回のファームで「画質向上」と書かれているものの、表現がザックリとしすぎていて、どこがどう変わったのかはわかりませんでした。元々キレイです。

それと、「ライブビューグレーディング | PlayMemories Camera Apps | ソニー」に対応したらしいので、3月27日に発売されたら試してみます。

今後のファームアップで改善を望むところ

バグ以外での改善があったということで、自分がα7に望むアップデート可能そうなソフトウェア面での機能でも書いておきます。

1.ボタンを押している間だけ、(フォーカスポイントの指定倍率で)ピント拡大
α7にはEVFが搭載されていて、これとピント拡大機能を組み合わせると、マニュアルで確実にピントを合わせられます。ただ、ピント拡大操作が面倒です。ピント拡大ボタンを押すと、フォーカスポイントを選ぶ画面に切り替わり、その後もう一回ピント拡大ボタンを押すことで、本当にピントが拡大されます。被写界深度の浅いフルサイズカメラではピーキングが意外と使えなくて、結局毎回ピント拡大に頼っています。つまり、1枚撮る度に2回ピント拡大ボタンを押す必要があります。1000枚撮るには、最低でも2000回ピント拡大ボタンを押さないといけないわけで、この操作を楽にしてもらえるとありがたいです。ボタン一回押しで指定倍率の指定フォーカスポイントに直接ピント拡大する機能や、ボタンを押している間だけ、フォーカスポイントの指定倍率でピント拡大してくれる機能を付けてもらえるとありがたいです。ボタンを押している間だけMFとAFを切り替える機能を付けられるソニーなら、ボタンを押している間だけピント拡大させることもできそうな気がするので頑張ってください。

2.「画像保存中 実行できません」からの自動遷移
撮影後すぐに画像再生ボタンを押すと、「画像保存中 実行できません」という表示が出ます。そしてその表示が終わった後は、ライブビュー画面に戻ります。個人的には、画像を保存し終わったら、画像表示画面に自動遷移してもらいたいです。しかも「画像保存中 実行できません」の表示がけっこう長く、実は画像の保存が終わっているのにいつまでも「画像保存中 実行できません」と表示されていたりします。「実行できません」と表示されているときにもう一度画像再生ボタンを押すと、実は画像を表示できたりします。「画像保存中 実行できません」を表示せず、保存が終わるのを待って自動的に画面遷移するとか、もう少し使い勝手が良くなると嬉しいです。

3.画像拡大のボタン変更
画像再生時の拡大表示が、α7からC2ボタンに変更になってしまいました。そしてこのC2ボタンがくせ者で、とてつもなく押しにくいです。今まで通り、コントロールホイールの中央にある決定ボタンでも画像を拡大できるようにしてもらいたいです。

4.EVF内の露出表示を数値に変更できるようにしてほしい
+0.3や-0.7などの露出表示は、背面液晶では数値で表示されます。ところがEVF内では、数値ではなくゲージで表示されます。背面液晶とEVFで表示を統一してもらいたいのと、露出ゲージそのものが見難すぎます。ぜひEVF内でも数値で表示できるようにしてください。

5.ISO AUTO時の低速限界設定
α7には専用の露出補正ダイヤルが付いているので、絞り優先モードで露出補正をしながら、簡単に写真が撮れる!と思っていました。ところが、ISO AUTO時にシャッター速度の低速限界設定ができないので使いづらいです。一応ソニーのISO AUTOは賢いので、焦点距離に応じて自動的にISO感度を設定してくれます。ただ、この「自動的」というのが自分の好みには合わなかったりします。たとえば、55mmのレンズを付けている場合、暗いところではシャッター速度を1/60秒に合わせようとISO感度を自動的に変更してくれます。残念なことに、自分の撮り方では1/60秒ではブレることがあります。自分としては、ブレにくい1/80秒や1/100秒に設定してくれると嬉しいわけです。ニコンの場合は、低速限界設定という機能があって、たとえば1/80秒に設定しておくと、それ未満のシャッタースピードには落ちないので、安心して絞り優先モードで撮影できました。α7ではそれができません。シャッタースピードを変えるには、ISO感度を自分で変更したり、モードそのものを変える必要が出てきます。ということで、低速限界設定やISO AUTO(シャッタースピード速め)という設定を追加してもらえるとありがたいです。


以上、今回のα7ファームアップでの改善点と今後の希望についてのまとめでした。新ファームにも期待しています。