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画素数を減らすと低ノイズになる

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2009年12月11日 カテゴリ:カメラ・写真


ニコンにはマニアがいるのに、キヤノンにはユーザーしかいない」と名言を残したキヤノンの打土井氏。ニコンを見習ってできあがったEOS 7Dは、カメラボディの質感やAF精度は良くなったものの、センサーサイズに対して画素数を増やしすぎてしまい(約1800万画素)、肝心の写真の解像感が少し落ちてしまったようにも見受けられます。

一方、CANONのコンパクトデジタルカメラ開発者は、画素数を減らすことによって低ノイズ・高画質になると発言しました。
――画素数を減らすと低ノイズになるのですか?

中村氏: 単純に計算して、CCDのサイズが同じ場合は、画素数を減らすと1画素あたりの集光面積が広がり、高感度に有利になります。ただPowerShot G11は、単に画素数を減らしただけではありません。かつての製品G7の1000万画素CCDとも当然異なります。集光面積だけに特化したわけでなく、最新技術によってノイズの発生を抑えるCCDを採用しています。

永山昌克インタビュー連載:デジカメの画素数競争は終わった?――キヤノン「PowerShot G11」開発者に聞く
やっと当たり前のことを発言してくれるようになりました。これまではいたずらに画素数を上げることばかりに目的が設定されていましたからね。確かに600万画素くらいまでは画素数を増やすことによって画質は良くなっていきましたが、それ以上は高画素化の弊害が大きくなってきました。

ねぇ、結局デジカメって何万画素必要なの?」にも書いたとおり、一般の人は1000万画素を大きく越えるような画素数は必要としていません。画素数を増やすメリットよりもデメリットの方が大きいのなら、適切な画素数に抑えることが必要です。現に、Power Shot G10の1470万画素から1000万画素へと低画素化させた今回のPower Shot G11は、高感度でも低感度でも画質が良くなっているように見えます。

「画素数を減らすと低ノイズになる」とは、最新の技術を用いた上で画素数を減らすと低ノイズになるという意味です。同じセンサーサイズ、同じ画素数であっても、技術革新によって発生するノイズは減っています。CCD、CMOSなどのセンサー自体の改良だったり、低ノイズの回路設計だったり、裏面照射技術だったり、理由はいろいろとありますが。画素を増やせば、結果的に1画素当たりが受け取る受光量は減ります。そのため、いたずらに画素数を増やしすぎてしまうとノイズが増えてしまうことにつながるわけです。メーカーは画素数競争に巻き込まれてしまっているため、画素数を増やしつつも技術改良を用いてノイズの発生を少なくしたり、発生してしまったノイズを画像処理で無理やり消したりしています。新しい技術を用いて少ない画素数のセンサーを作ればノイズが少なくなるとわかっていても、今までは作れない状況でした。

ここでノイズの発生について大事なのは、「画素数」そのものよりも、「撮像素子のサイズに対する画素数」に大きく関係するところです。同じ画素数なら、より撮像素子(CCDやCMOSなど)の大きいセンサーを採用しているデジカメほどノイズは少なくなります。つまりセンサーの小さいコンパクトデジカメよりも、マイクロフォーサーズ一眼、APS-Cサイズ一眼、フルサイズ一眼、中判デジカメ、大判デジカメと行くに従って撮像素子が大きくなり、より低ノイズ化、高画素化が可能になります(センサーサイズが大きくなるとその他の長所短所も顕在化してきますが)。もっと簡単に言えば、コンデジの1000万画素とデジイチの1000万画素ではノイズ量が全く違います。

たとえば、一番上に載せた写真はISO感度3200で撮影した写真です。鍾乳洞の中をISO3200まで上げて手持ちで撮影しました。フラッシュを焚いてしまうと鍾乳洞の雰囲気が損なわれてしまうため、こういうシーンでは高感度を使えるメリットは非常に大きいです。写真をクリックして拡大しても、ノイズはほとんど気になりません。

今まで「1200万画素がもし2400万画素だったら良い写真が撮れたのに!」と思ったことは一度もありませんが、「ISO3200やISO6400でもノイズが少ないから、大事なシーンを逃さずに写真が撮れた!」と思ったことは何度もあります。


下の写真は夜行性館にいたフクロウです。当然、夜行性館なので、辺りは暗く、写真を撮るのに適している環境ではありません。このフクロウはISO6400まで感度を上げて手持ちで撮りました。

ISO6400がきれいに撮れるデジカメでなかったら、この写真は存在していませんでした。画素数を増やしたカメラよりも高感度に強いカメラの方が好きな理由の一つです。「暗いところなら三脚使えば?」と言われたりしそうですが、このフクロウは台湾で撮影しました。飛行機に乗り台湾まで行って、フクロウを撮影するためだけに三脚を運ぶというのはなかなか大変です。


上の二例は少し特殊なシーンでしたが、普段の撮影時も高感度に強いとありがたいシーンがあります。あまり明るくないところで食事を撮影する時などです。

この写真は兵庫の本場韓国料理屋で石焼きビビンバを注文した時に撮影した写真です(韓国人のおばちゃんが作っていました)。ISO3200で撮影しました。あまり明るくない室内で、ぶれずに写真が撮れるというのは本当に助かります。


「画素数を減らすと低ノイズになる」、ユーザーもこのことを理解していれば、メーカーもやたらと高画素化ばかりすることはやめて、適度な画素数と高感度に強いデジカメを開発していってくれるはずです。画素数神話はもう崩壊したと言っても良いので、画素数以外の部分に目を向けてデジカメを選べるようになると良いですね。

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