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現地エジプト人に聞いた吉村作治の評価

2009年08月03日 海外
吉村作治 というエジプト学者の正体/幻想の終焉 現在位置を確認します。」を読んで。エジプトはカイロに住むアリさんに直接聞いた話でも書いておきます。

エジプトと言えば、やはりピラミッド。ギザの三大ピラミッドがもっとも有名ですね。



エジプトにはギザのピラミッド以外にも、サッカラの階段ピラミッドなど、魅力的なピラミッドも多数存在します。



エジプトに行って、アリさんから聞いて一番衝撃的だったのは、
他にもたくさん遺跡はある。
どこにあるかわかっている、埋まったままの遺跡もたくさんある。
だが、発掘はしていない。
ということでした。



「えっ、遺跡があるのがわかっていて、発掘しないの?」と驚きました。

アリさんは、なぜエジプト人が遺跡発掘をしないのか、その理由を教えてくれました。
発掘しない2大理由は以下の通りです。

エジプト人が自ら遺跡発掘をしない理由

1.新たに遺跡を発掘する必要性がない。ギザのピラミッドを見るために、遠くエジプトまで観光客はたくさん来てあふれかえっている。

2.発掘作業は大変。作業協力者はボランティアみたいなもの。炎天下の中の作業は想像を絶する。
この2つでした。

1.新たに遺跡を発掘する必要性がない

「新たに遺跡を発掘する必要性がない」というのは、実際にエジプトに行ってみて初めて実感することができました。
ギザのピラミッドまでは、車ですぐそばまで行くことができます。 車が多すぎて渋滞しているくらいです。 観光客を相手にした売り子もたくさんいました。
砂漠のイメージが強かったピラミッドも、車で簡単に行けるとなると観光客も気軽に訪れることができます。
夏休みには、ヨーロッパの長いバケーションを利用して、お金持ちの欧州人が大量に押し寄せてくるそうです。

「そこに遺跡がある」とわかっていても、新たに遺跡を発掘する必要性がないので、発掘作業は進めないそうです。


2.発掘作業は大変

それから2つ目の理由、「発掘作業は大変」ということ。
1つ目の理由にあった「発掘する必要性」というものがないので、発掘作業自体がボランティアになってしまいます。
お金にもならないことを、長期間にわたって作業し続けなければいけません。
涼しければもう少し違ってくるでしょうが、夏場はほとんど雨も降らず気温も30度以上(地域によっては40度を越える)の中での作業になります。
ボランティアで遺跡発掘するのもなかなか大変です。


現地エジプト人に聞いた吉村作治の評価

ここでようやく本題に入ります。
日本でエジプトと言えば、そう、吉村作治さん。
もちろんアリさんも、吉村作治さんのことを知っていました。

彼に言わせると、吉村作治さんをこう評価していました。
日本からお金を持ってきて発掘作業をしてくれる人
と。

わざわざ日本からやって来て(作業員も引き連れて)、現地の発掘作業を手伝う人にもお金を払ってくれて、さらには遺跡まで発掘してくれる。
エジプト人が自ら進んで遺跡発掘しない3つ目の理由として、外国人が発掘を進めてくれるからという理由もありました。
勝手にエジプトまでやって来て遺跡を発掘してくれる。しかも遺跡が珍しいものや価値のあるものであれば、そこが自動的に観光名所にもなるという。
だから、決して現地の人は吉村さんのことを嫌ったりはしていませんでした。
現地の人に迷惑をかけるような強引なやり方はしていないので、嫌う理由は無いようです。
逆にありがたいことだとも言っていました。



吉村さんは情熱をもってエジプトで発掘調査をするために、発掘資金のめどもたっていない大学生時代からエジプトを走り回っていました。
発掘資金の確保に苦労していた辺りの話は、「吉村作治 タフな現場を攻略するヒント」というパナソニックのノートPCの紹介ページに少し載っています。

資金を集めて、エジプトの遺跡発掘調査をしたというのは、やはり評価されることだと思います。

おまけ

ちなみに、この日の昼食はこんな感じでした。

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