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ゲーム機はホワイトカラーが強い!

2007年01月13日 ゲーム全般
最近、ニンテンドーDSWiiに触れているせいで、身の回りで白いものに触れる機会が今まで以上に増えました。

以下の2つの記事を読んでいると、
成功は振り返って語るもの - 「PS3が圧勝した世界」という思考実験
「売り方の上手さ」広告戦略。任天堂Wiiはあまりにも上手すぎた

 「任天堂は広告戦略がうまいから、PS3を圧倒している!」

ということがわかってきます。
でもそれは、CMだけに限ったことではないと思います。

そこで、今日はゲーム機の本体色の歴史を振り返ってみたいと思います。


ゲーム機の世代ごとに、ヒットした機種、ヒットしきれなかった機種、惨敗した機種に適当に分けてみました。(分け方に関する具体的な根拠はありません)
なお、ゲーム機名の後の括弧内は本体のメインカラーの系統を表しています。

家庭用ゲーム機


大ヒットした機種 大ヒットしきれなかった機種 惨敗した機種
ファミリーコンピュータ(白) PCエンジン(白)
セガ・マークIII(白)
スーパーファミコン(灰) メガドライブ(黒)
ネオジオ(黒)
PlayStation(灰) Nintendo64(黒)
セガサターン(濃灰)
XBOX(黒)
3DOリアル(黒)
PC-FX(白)
プレイディア(青)
ピピン@アットマーク(白)
PS2(黒) ゲームキューブ(紫)
ドリームキャスト(白)
Wii(白)
XBOX360(白)(欧米調べ)
PS3(黒)(2007年1月現在)

ヒットした機種を見てみると、ファミコンの白系メインのゲーム機から始まり、スーファミ、プレステで灰色。
PS2で黒と来た後に、再びWii、XBOX360の白系に戻ってきました。
XBOX360は日本では苦戦していますが、欧米での販売は好調です。

逆にヒットしきれなかった機種を見てみると、黒系の濃い色が多くなります。

PS2世代を除くどの世代でも、白系または灰色系のゲーム機がヒットしていますが、PS2だけは黒で圧勝しました。
この世代では、白い本体色で有利だったドリームキャストが種々のトラブルで撤退、任天堂のゲームキューブが紫で苦戦したことも大きく影響したと思われます。
最新世代では、任天堂が原点回帰でWiiの白系、XBOX360も白系になり欧米で好調です。
PS3はPS2と同様に黒で攻めましたが、いまのところ苦戦しています。(2007年1月現在)

こうしてみると、家庭用ゲーム機はその世代での薄い本体色、特に白が一番安定していると言えます。



携帯ゲーム機


大ヒットした機種 大ヒットしきれなかった機種 惨敗した機種
ゲームボーイ(白) ゲームギア(黒) PCエンジンGT(黒)
ゲームボーイアドバンス(紫) ワンダースワン(青など) バーチャルボーイ(赤)
ネオジオポケット(銀など)
ニンテンドーDSLite(白) PSP(黒)

続いて、現在大ヒットを続けている携帯ゲーム機。
たくさん発売された黒系の携帯ゲーム機はほぼ全て苦戦しています。
逆に白系のゲームボーイやニンテンドーDSLiteは大ヒットしています。
携帯ゲーム機では圧倒的な強さを誇る任天堂も、紫をメインにしたゲームボーイアドバンスではDSLiteに比べると爆発的とは言えないヒットでした。
ニンテンドーDSで見逃せないポイントとしては、初代ニンテンドーDSでは「銀」をメインカラーとしていましたが、ニンテンドーDSLiteへの改良時に「白」に変更されたところです。
初代ニンテンドーDSのメインカラー:「銀」
ニンテンドーDSLiteのメインカラー:「白」
ニンテンドーDSLite発売からの大ブレークは、現在も続く品薄状態で良くわかると思います。

携帯ゲーム機では、圧倒的に白系が強いことがわかります。



なぜ白なのか?

なぜ、白系メインのゲーム機がヒットしているかを考えてみると、ゲームのイメージである「暗い」を払拭するために「明るい」色の方が好まれることが考えられます。
また、白物家電一般は当然白系がほとんどで、他の電化製品でヒットしているiPodやiMacもメインカラーは白系です。
ゲームのイメージだけではなく、世の中には白い色が好きな人が多いのかも知れません。
例えば、美白ブームや白い巨塔や白い恋人など。
アメリカ合衆国大統領官邸に至ってはホワイトハウスという名称が付けられています。

ソニーもPSPに白を追加したり、iMac風のVAIOを開発していますが、
ITmedia +D PC USER:今年も出ましたっ!「こっ、これは?」なVAIO
今からPS3やPSPのイメージカラーを変えるのは難しいため、これからも苦戦が続くと予想されます。(勝負はまだまだこれからですが、ゲーム機本体の歴史を考えると苦戦を強いられると予想します)

最近、「白色」系で話題になったものと言えば、ホワイトカラーエグゼンプション。
痛いニュース(ノ∀`):【残業代ゼロ】 安倍首相 「日本人は働きすぎ。少子化対策にもホワイトカラー・エグゼンプションは必要」
流行の「白色」に乗ったネーミングですが、もし「白」ではなく「黒」だったとしたら、

 ブラックカラーエグゼンプション

となり、今以上に大批判を食らっていたと思います。



まとめ

冒頭に述べた「任天堂は広告戦略がうまいから、PS3を圧倒している!」というのは、CM段階の話ではなく、ゲーム機本体色決定の時点から始まっていたと考えられます。
ニンテンドーDSの時は、本体名に「Lite」と名付け、「明るい」「軽い」をイメージさせ、好感度をアップさせました。
Wiiの時は、「白くて」「小さい」本体と「白い」リモコンを操作して家族で仲良く楽しむイメージを植え付けました。
どちらもCMだけがうまいのではなく、CMに至る前のコンセプト自体(本体色含む)がすでに優秀だったと言えます。

というわけで、ゲーム機はホワイトカラーが強い!と思います。

(誰も着目しないゲーム機本体の「色」から現在のヒットを振り返ってみました)