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イメージセンサーは自分でクリーニングするべきなのか

2014年04月01日 カメラ・写真


先日の「ニコンD600のゴミ問題で、同等品(D610?)への無償交換も実施へ」に関連する内容で、レンズ交換式デジタルカメラのイメージセンサー部分についてしまったゴミをどうするかという問題です。

前回の記事にも書いたように、イメージセンサー部分に付くゴミには2種類のゴミがあります。一つは、外から飛んでくるホコリが内部に入ってしまって、それがイメージセンサー前のローパスフィルター(あるいはLPFの代わりに付いているもの)に付着してしまうゴミ。もう一つは、カメラ内部からゴミやオイルが飛び散り、それがローパスフィルターに付着してしまうゴミです。イメージセンサー部分にゴミが付くと、レンズの絞りを絞って撮影したときに、写真に黒い汚れが写り込むことがあります。本来撮りたいはずの景色にはそのようなゴミは存在していないため、写真に写っているゴミは悪以外の何者でもありません。イメージセンサーにゴミが付いているという状況はなるべく避けなければいけません。

レンズ交換式デジカメである以上、外から飛んでくるゴミはどうしても付いてしまう可能性があります。内部から発生するゴミについては、一眼レフの方にはミラーボックスが付いているため、そこからゴミやオイルが飛び散る可能性があります。一眼レフに比べて、ミラーボックスのないミラーレス一眼の方が内部からのゴミは付きにくいかもしれません。一方で、外から来るゴミについては、ミラーボックスで守られている一眼レフと比べて、ミラーレス一眼の方はセンサー部分がむき出しになっているためにゴミが付きやすいかもしれません。

一眼レフ、ミラーレス一眼、どちらにしても、イメージセンサー部分にゴミが付くことがあります。大事なのは、なるべくゴミが付きにくいように扱うことと、付いてしまったゴミをどうするかということです。ゴミを付きにくくするには、レンズ交換時に、なるべくセンサー面を下に向けて、上からホコリが落ちてこないようにしつつ、素早く交換することくらいしかありません。「ゴミが付かないように屋外でレンズ交換をしない」と発言したりする人もいますが、自分はそれには賛成しません。

下の写真は、Windowsの壁紙風写真を撮ろうと思って、鳥取砂丘に行って撮ってきた写真です。風が強くて砂も飛んでいる状況でしたが、ここでもレンズ交換しました。
鳥取砂丘

せっかくのレンズ交換式カメラなのですから、使いたいときに使いたいレンズに交換すべきだと考えています。

問題なのは、付いてしまったゴミをどうするか。まずはブロワーを使ってゴミを飛ばす努力を試みます。「ブロワー」(ブロアー)とは、ゴム球の先に細い管がついたもので、しゅぽしゅぽと押して、レンズ表面やカメラ内部のごみやほこりを吹き飛ばして除去する道具のことです。安いものは1000円未満で売られています。

ある程度のパワーで飛ばせるように、小さいブロワーよりも、大きいブロワーの方が良いです。その際、強い力が欲しいからといって、エアダスターなどのガス式のものを使ってはいけません。機器を傷つける可能性がありますし、中からゴミが出てきて最悪なことになる可能性があります。エアダスターではなく、空気式のブロワーを空撃ちしてゴミが出ないことを確認してから使うのがベストです。

ブロワーを使ってゴミを吹き飛ばせれば、ローパスフィルターの清掃はそれで終了です。困るのは、ブロワーで吹き飛ばせないタイプのゴミとの遭遇です。この場合は、自分でイメージセンサーをクリーニングするか、メーカーに出してクリーニングするかしかありません。

先月、デジカメWatchにこのようなアンケートがありました。
選択項目 投票数 比率
自分でしたことがある 685 45.7%
自分ではしない(サービスセンターなどに依頼) 584 38.9%
センサーの汚れを気にしたことがない 231 15.4%
合計 1,500 100.0%

自分でイメージセンサーの清掃をしたことのある人が45.7%いたそうです(デジカメWatchの読者層は相当偏っているため、一般の人の結果とは大きくかけ離れます)。


自分は今までニコンの一眼レフを使ってきて、ゴミが付いた場合はいつもニコンのサービスセンターに依頼していました。その理由は、一年目の保証期間内なら無料、二年目以降は1回のクリーニングに付き1000円だったからです。前回の記事に書いたように、一年目はよくイメージセンサーが汚れて、ニコンのサービスセンターに持ち込んでいました。

「あの、イメージセンサーにゴミが付いてしまって…」と言うと、ニコンの受付にいるカメラに詳しそうなおじさんが「ローパスフィルターね」と訂正してきます。イメージセンサーではなく、イメージセンサーの前に付いているローパスフィルターにゴミが付いていると訂正してくるわけです。もしD800Eだったら、ローパスフィルターをキャンセルする仕組みが入っていて、説明もややこしくなりそうです(それでも最前面にはローパスフィルターが付いていたはずだったので、ローパスフィルターでOKだと思いますが)。D3300になると、もはや光学ローパスフィルターレス仕様なので、ローパスフィルターの代わりに付いている光学ガラスか何かを名指しで指定しないといけないのかなぁなどと、どうでも良いことを考えたりもします。

話がそれましたが、ニコンの場合は1回のクリーニング代が1000円なので、「自分で清掃する」という考えを持つまでもなく、プロにお願いしていました。

今はソニーのα7をメインで使っています。ソニーのサービスステーションでは、カメラに詳しいおじさんではなく、きれいなお姉さんが受付してくれます。以前NEX-7を預けに行ったら、ボディ裏のシリアル番号をチェックするのに、左手でレンズを握ってボディをひっくり返し、左でカメラを浮かしたまま、右手でキーボードを叩いていました。丁寧なカメラとレンズの扱い方が全くわかっていないようでした。

さて、ソニーの場合は、1年目のイメージセンサークリーニング代はニコン同様無料です。ところが、2年目からは1回のクリーニング代に3000円(税別)かかります。今日から消費税も上がり、ソニーユーザーは1回のクリーニングに3240円の支払いが必要になってしまいました。もし、年に何度もブロワーでゴミが落ちなかったりしたら、クリーニング代の出費がかさんできます。そうなってきたら、自分でイメージセンサーをクリーニングすることも考えてないといけないのかもしれません。

ただし、イメージセンサーのクリーニングは簡単ではなくて、「自分でクリーニングしたら、余計ゴミが付いてしまった」「ムラができてしまった」「センサー面に傷を付けてしまった」などの話も聞きます。

宮本製作所のHPに、
α7Rのセンサークリーニングに粘着棒タイプを使用すると危険です。
表面のフィルター部に剛性が無く引っ張られて持ち上がります。
などの情報もあり、機種ごとの差異を覚えておかないと、自分で壊してしまう危険性も出てくるようです。


ということで、α7へのゴミの付き方を見ながら、今後イメージセンサーを自分でクリーニングするべきかどうかを決めようと思っています。年に1回くらいのペースなら、3000円でもプロに任せた方が良いとは思っていますけどね。