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欲しがりません、カツマーは。

2010年08月14日 読書
今から5年前に、「アマゾンのレビューは誰のもの?」というエントリを書きました。
5年前というと、今ほどAmazonの力も圧倒的ではなく、インターネット通販の便利さに気付いていない人もまだまだ多い時代でした。

さて最近、日々の生活から起きていることを観察しよう!!というブログに、「アマゾンのレビューが荒れやすい理由への考察〜そしてアマゾンの対応についての報告」というエントリがアップされていました。

「アマゾンのレビューが悪い」のは、「アマゾンのしくみにある」と考えているそうです。
1. 著者の知名度が広がるにつれて、必ず「アンチ」が生まれます。
2. ところが、アマゾンは「アンチ」のレビューに対して、以下の理由で、たいへん脆弱なしくみを持っています。
3. そして、アンチの人が下記のような行動を行えば、レビューを簡単に荒らすことができます。
この人は、アマゾンの仕組みが良くないせいで、アマゾンだけレビューが荒れると思っているようです。

でもそれは勘違いです。

アマゾンに限らず、アップルのiTunesのレビューもひどいものです。
基本的に日本人が匿名でレビューする場合、レビューは荒れる傾向にあります。
特にレビューに年齢制限をかけていないと、“空気を読まない”ため、率直な意見が荒れているように感じさせてしまいます。

でもそれが即悪いことかというと、決してそんなことはないと思います。

その理由は、荒れやすい理由を考察したこの人のブログにも書いてあります。
おかげさまで、新刊の売れ行きが順調です。「不幸になる生き方」「マナベル」「目うろこコトバ」、どれも自信作です。いわゆる、私の初期本「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」「お金は銀行に預けるな」「自分をグーグル化する方法」に決して劣ることない内容と自負しています。
どれだけレビューが荒れようと、「新刊の売れ行きが順調」なのは事実です。

つまり、レビューの内容が良かろうと悪かろうと、関係なく本は売れるのです。
どうしてかというと、買う側もそこまでバカではないからです。
レビューがたくさんあれば、そこから取捨選択して、自分に役に立つレビューというものを探すことができます。
「アンチ」なレビューだと感じれば、アンチ以外のレビューを探すこともできますし、建設的な意見を書いている人のレビューも探せます。
これこそがアマゾンの良いところで、レビューの内容に関係なくたくさんの人のレビューを閲覧できる、というのはそれだけで強みです。

アンチがいようといまいと関係のないことです。
しかもアンチというのは、ファンがいなければなかなか存在しにくいもので、その上にわかファンよりもずっとずっと詳しかったりします。
アンチから「マナベル」こともあると思います。
アンチを排除する方向に動き「不幸になる生き方」をするよりは、アンチは安置して、よりファンが幸せになる方に努力した方が良いのではと思います。

アマゾンのレビューで本当に怖いのは、レビュー数の多い商品ではなく、レビュー数の少ないニッチ商品の方です。
自分も今月新刊を発売した著者として一言言わせてください。
例えば、8月5日に発売された「公開API活用ガイド」は、いまだにレビュー件数が0件です。
ここで誰かが1件レビューを書いた場合に、その評価が「星一つ」だったら、周りの人はどう思うでしょうか?

数あるレビューの中に星一つの評価がある場合と違って、レビュー件数1件で、その評価が星一つだと、星一つが100%の評価となってしまいます。
まるで全員が星一つを付けたくなるようなダメ著書のように感じてしまいます。
もちろん星一つの評価があること自体は悪いことではないのですが、たった一人の意見が総意になってしまうような状態はあまり好ましいとは思えません。
レビュー数が多くなれば多くなるほど、アンチや熱狂的なファンの声に押しつぶされることなく平均的な評価に落ち着きます。
レビュー数が少ないと一人の声が大きくなりすぎてしまいます。
本当に怖いのは、レビューが多いことよりも、少ないことの方です。

まぁ、本当に大事なのは、「レビューを読む側」の考え方です。
アマゾン以外にも、レビューが載っているサイトやブログはあったりしますし、そちらの方が信頼度が高かったりしますからね。
自分をグーグル化する方法」を考えて、もっと検索する習慣を身につけるべきです。
感じ方は人それぞれなので、自分の好みに合わないレビューがあったとしても、それを批判するのはどうかと思います。
インターネットと上手く付き合って、「自分をデフレ化しない方法」を見つけ出した方が良いと思います。