ストーリー 会話文 ~バッドエンディングを目指して~

一回グッドエンディングを見た後、どうせならバッドエンディングも見ておこう、ということで、新たに会話文を載せていきます。アイザック、かなり悪い子です(笑)

第三幕 希望の残滓

群霞の老師
「よし。こんなとこじゃろう」

「ダブルーンをおぼえたことで、おぬしの使える
 魔法の幅は大きく広がったはずじゃ」

アイザック
「はい。
 老師様。どうもありがとうございます!」

群霞の老師
「世界にはまだまだ多くのルーンが
 隠されておるのじゃ」

「それらを見つけ出し、ダブルーンの組み合わせ
 をいろいろと試してみるがいいぞ」

アイザック
「はい!」

群霞の老師
「ワシは、壊れてしまった水の封印を
 修復せねばならん」

「北西の業火の湖には、火の杖を持つ賢者が。
 はるか西の金色砂丘には、
 土の杖を持つ賢者がおる」

「きっと力を貸してくれるはずじゃ。
 たずねてみるが良かろう」

アイザック
「賢者たちがみんな無事だといいんだけど・・」

群霞の老師
「そうじゃな。ワシのように操られている
 可能性もある・・・」

「そうじゃ!おぬしに、とっておきの
 水のルーンを授けてやろう」

「賢者に認められた者にしか教えられることはな
 い、スペシャルなしろものじゃよ!」

「火のルーンには水のルーン。
 おぬしの旅の助けになるはずじゃ!」


- 森の老魔導士の家 -


ふむふむ。群霞の老師にダブルーンを
教わったみたいだね


アイザック
「レオナルドさん!」

トリスティア
「レオナルド様!!!」

アイザック
「・・・・・様ぁ?」

レオナルド
「君の成長には、本当に舌を巻くよ。
 俺が見込んだだけのことはある!」

アイザック
「へへへ・・・」

レオナルド
「ダブルーンの効果は、
 ただ魔法を強化するだけではないんだよ」

「魔法の組み合わせを使えば、つかまえにくかっ
 た魔物も、ずっとつかまえやすくなるのさ」

「じっさいにやってみようか!」


- 実践練習 -


レオナルド
「君は飲み込みが早い。
 しっかり使いこなせそうだね」

アイザック
「ありがとうございます」

レオナルド
「そうだ。君に、僕の知っているルーンを
 ひとつ教えてあげよう」

「魔物の能力を一時的に下げる力のある、
 闇のルーンだよ」

アイザック
「・・・・。」

「あの・・・」

レオナルド
「うん?どうしたんだい?」

アイザック
「ひとつ聞いてもいいですか?」

レオナルド
「ああ。
 俺に答えられることならね」

アイザック
「あなたは・・・
 どうして僕を手助けしてくれるんですか?」

「以前、あなたは魔物は人間がうみだしたって
 教えてくれました」

「あなたはこの世界について、何か大きな秘密を
 知ってるんじゃないでしょうか?」

レオナルド
「ははは。
 おいおい、質問が2つになっているよ」

「・・・俺は、君の素質を引き出してあげたいと
 考えているだけさ」

「単なる興味、かな」

「それに俺は、だいそれた世界の秘密なんてもの
 は持ってないさ」

「ただ、他の魔導士に比べて、魔物のことを少し
 だけ深く研究しているだけなんだよ」

アイザック
「そうですか・・・」

「ごめんなさい。
 あなたなら、僕の父さんのことを知ってるよう
 な気がして・・・」

「なんとなく、そんな気がしたんです」

レオナルド
「アイザック・・・」

「君の父上は生きているよ。
 君の成長を・・・待っておられる」

アイザック
「え?」

「やっぱりあなたは・・・!」


- 場を去るレオナルド・・・ -


「やっぱりそうだ。
 あの人は、父さんのことを知っている」


- タムタ村へ -


- 村人を守るため戦闘 -


ナツ
「アイザック兄ちゃん、
 待っていたんだよ!」

アイザック
「あれ、
 おやかたたちはどこへ行っちゃったの?」

ナツ
「やっと、街道が通れるようになったの。
 お父さんたち昨日はお祭りさわぎだったのよ」

「みんなさわぎすぎて寝ちゃったけど」

アイザック
「そうか・・・おやかたたち、
 ついにやったんだね」

「絶望したり、あきらめたり・・・
 しなかったんだ」

ナツ
「これで前のように他の町にも行くことが
 できるんだよ!」

「わたしも、アイザック兄ちゃんみたいな魔導士
 になって世界中を旅するんだ!」

アイザック
「そうだね。
 あきらめなければ・・・」

「希望を捨てなければ、いつの日かきっと、
 自由に旅ができるようになる・・・」

「よーし、僕は行くよ。
 おやかたによろしくね!」


- 風車ヶ原で戦闘 -


トリスティア
「街道にも、こんなに魔物がいるなんて・・・」

アイザック
「まだまだ、魔法を使えない人たちが安心して
 旅をすることはできそうにないね」

トリスティア
「・・そうね。せっかくおやかたさんたちが
 なおしてくれたのに」

アイザック
「草原のマナも、すっかり汚されてしまって
 いるみたいだ」

トリスティア
「浄化してまわるのにも限界があるわ
 やっぱり、根源を絶つしかないようね・・・」

アイザック
「とはいうものの、まずはどこに向かおうか?」

トリスティア
「そうねぇ・・・」

「ルーンドルフという高い砦に囲まれた町に、
 生き残ったひとたちが隠れ住んでいるという
 ウワサがあるわ」

「そこで情報を集めてみましょう」

アイザック
「ルーンドルフか・・・
 北のほうだね」

トリスティア
「ええ。
 行ってみましょう!」


- ルーンドルフへ -


アイザック
「うわー。
 ・・・・でっかい門だなぁ」

レオナルド
「城塞都市ルーンドルフ・・・」

「魔物たちの襲撃をからくものがれた人たちが、
 命からがら逃げ込んだ都市だよ」

アイザック
「あ、レオナルドさん!」

レオナルド
「この町の先にあるのが、天穹の神殿。
 白夜の法皇が守る、光の封印さ」

アイザック
「・・・父さんが、
 守っている場所・・・」

レオナルド
「しかし、この門は、魔物の進入を防ぐために、
 かたく封印をほどこされているんだ」

アイザック
「封印?」

レオナルド
「そう。
 封印をとくには、四元素の賢者・・・」

「すなわち『地』『水』『火』『風』の賢者に認
 められる必要があるのだよ」

アイザック
「そうか。
 だったら賢者たちに会うのが先だね」

レオナルド
「そういうことになるな・・・
 つらい戦いになると思うが・・・」

アイザック
「ううん、つらくなんてないさ」

「父さんは希望を捨ててない。
 だって、僕に杖を託したんだから」

「父さんより先に、僕が希望をなくしたりしたら
 父さんに合わせる顔がないよ」

レオナルド
「・・・そうだな、光の杖の継承者よ」

「君ならば、必ずや世界に光を取り戻すことがで
 きる。・・・俺はそう、信じよう」


- 木漏れ日の森 -


悪の魔導士
「くっくっく!
 ここは通さねぇぜー、こぞう!」

アイザック
「あ、あのときの追いはぎ!
 生きてたのか!」

悪の魔導士
「ノンノン、
 オレは魔法盗賊サマだぜ」

「先日は弟が世話になったようだな」

アイザック
「きょ、兄弟?」

悪の魔導士
「弟をいじめるやつは、ゆるさねー!
 勝負だ、こぞう!」

アイザック
「うーん。
 まあ、仕方ないか・・・」


- 戦闘 -


悪の魔導士
「ぐ、むむむ・・・」

「なぜこんな子供が、これほどの魔力を・・・」

アイザック
「見たか!
 これにこりたら、二度と・・・」

悪の魔導士
「くっくっく。ひひ、ふひ、ひゃはっはっは!」

アイザック
「!?」

悪の魔導士
「しかし、子供はしょせん子供だ。我が目的は果
 たしましたぞ、陽炎の公主さま!」

陽炎の公主
「うふふふふ。戦いに夢中になって、
 うしろがおろそかになっていたようだね」

「この娘はあずからせてもらうよ!」

トリスティア
「やめてよ、はなしなさいよ!」

陽炎の公主
「とらわれのお姫様がいたほうが、
 戦いも、もりあがるってもんだろう?」

「取り返したければ、
 業火の湖をこえてくるんだね、ナイト様」

「おほほほほほほっ!」

アイザック
「トリスティア!」

「なんてことを!
 ひきょうだぞ!」

陽炎の公主
「いい目だ・・・
 ゾクゾクするね」

「あんたとの勝負、楽しみにしてるよ」

「がっかりさせないでおくれ!」


- 連れ去られるトリスティア・・・ -


- ↑を無視して千里眼の塔へ -


セーレ
「見えます・・・」

「あなたには、ここに来るよりも先に、
 成すべきことがあるのではないですか?」

「それを成してから、またお訪ねください」


- 業火の湖へ -


アイザック
「ここが、業火の湖(ごうかのみずうみ)
 ・・・ものすごい熱さだな」

「神様が、人間にはじめて炎をくれた場所が
 ここなんだってさ」

パラケルスス
「ぴぴぃ・・・」

アイザック
「行こう、パラケルスス!
 あんまり長くいたらのぼせちゃうよ」

パラケルスス
「ぴぴぴ・・・」

アイザック
「・・・トリスティア、
 だいじょうぶかなぁ?

「ついた時にはユデダコになってたりして・・」


- 戦闘 -


- 業火の湖 奥地へ -


陽炎の公主
「早かったじゃないか、ナイト様」

「ふふふ・・・
 ずいぶん汗をかいているようだ」

「水のジイさんのルーンをもってしても
 この業火はこたえるだろう?」

アイザック
「トリスティアはどこだ!」

「なんのために、トリスティアをさらった?」

陽炎の公主
「おやおや。
 言ったじゃないか」

「とらわれのお姫様がいたほうが、
 戦いがもりあがるだろう?」

「こんな小娘には、なんの価値もないからな。
 余興の引き立て役くらいがちょうどいいのさ」

アイザック
「!?」

「陽炎の公主、ゆるさないぞ!」

陽炎の公主
「ふひゃはっ。
 いいねえ、その目!ぞくぞくするよ」

「おいで、ぼうや。
 わたしはジイさんのようにはいかないよ!」


- 陽炎の公主と戦闘 -


陽炎の公主
「はあ・・・はあ・・・」

「なかなかやるじゃないか、こぞう・・・・」

「う、う、あが・・・
 ぐわぁぁぁぁー!!!」

トリスティア
「アイザック!」

アイザック
「トリスティア!」

「だいじょうぶだった?
 けがはない?」

トリスティア
「うん、ぜんぜん。
 平気よ」

アイザック
「よかった」

トリスティア
「アイザック、
 助けにきてくれて、どうもありがとう」

アイザック
「う、うん。
 ・・・えへへ」

トリスティア
「あ・・・陽炎の公主は!?」

陽炎の公主
「・・・う、う」

「わたしは今まで・・・
 いったいどうなってしまっていたのだ?」

「おまえは・・トリスティア・・・」

トリスティア
「黄昏の歌姫に敗れ、心をあやつられていたので
 すよ、陽炎の公主」

「群霞の老師も同じでした。
 黄昏の歌姫は、心を支配し、
 意のままにあやつる魔力をもっています」

陽炎の公主
「・・・そうだったのか」

「はずかしい姿を見せてしまったようだな。
 あやつられるのは、心にスキがあるからだ」

「賢者一の攻撃魔法の使い手、最強の魔導士と呼
 ばれ、力にたよりすぎてしまったツケがまわっ
 たようだ」

「アイザック・・・めいわくをかけたな」

アイザック
「いえ、僕はまだまだ未熟です。
 あなたの魔法には、おどろかされました」

陽炎の公主
「しかし、おまえはそれに打ち勝ったのだ。
 自信をもっていい」

「おまえは強い。
 そして、澄んだ良い目をしている」

「・・・お前になら、この火のルーンを
 たくすことができそうだな」

アイザック
「陽炎の公主様・・・」

陽炎の公主
「こら、そんな深刻な顔ばかりしているものでは
 ないぞ」

「魔法の力は自由だ。得意なものばかり使うので
 はなく、ときにはいろいろなルーンの組み合わ
 せをためしてみることが大切だ」

アイザック
「はい」

陽炎の公主
「!?」

「・・・炎の封印が暴走してしまったようだ。
 修復には時間がかかりそうだ・・・」

「わたしはこの地を守らねばならない。
 地の力をもつ賢者は、はるか南西の地、
 金色砂丘に身をおいているという。」

「いってくれるか、若き魔導士よ!」

アイザック
「はい!」


- 千里眼の塔へ -


セーレ
「お待ちしておりましたよ、光の継承者」

アイザック
「あなたは?」

セーレ
「わたくしはセーレ。
 砂の予言者と呼ばれております」

アイザック
「セーレさん・・・
 あの・・・」

セーレ
「言わずともわかっております」

「地の杖の継承者、
 石厳の梟将(せきがんのきょうしょう)様に
 会いにいらしたのでしょう?」


   はい
  →いいえ


アイザック
「いいえ」

セーレ
「そうですか・・・
 では、他に目的があるのですか?」


   立寄っただけです
  →占ってください
   やはり会いたい


アイザック
「占い師のあなたに、
 僕の未来を占って欲しいんです」

セーレ
「・・・なるほど。よろしいでしょう。
 しばらく目を閉じていてください。」

「・・・・・」

「なるほど。
 あなたには2つの道が示されています」

「ひとつは、世界の破滅にあらがい、
 大切な何かを失う道」

「もうひとつは・・・いえ、これはお伝えしない
 ほうが良いのかもしれません」

「言えることはひとつです」

セーレ
「哀しいことですが、世界は滅びます。
 もう打つ手はありません」

「人間は、ただ従容として死に就くしか
 ないのです」

トリスティア
「あなた、何を言っているの?」

セーレ
「・・・わたくしの瞳は、来るべき未来を視る
 「幻視」の瞳です」

「人間たちの世界は滅び、魔物と力によって支配さ
 れた新たな世界が準備されているのです」

「これは神の手によって「書かれて」いるのです
 運命を人間の力で変えることは出来ません」

トリスティア
「そんな・・・」

セーレ
「お引き取りください」

「最後の時に、
 あなたの心に平安が訪れますように・・・」

トリスティア
「な、何言っちゃってるのよ!?」

「石厳の梟将は金色砂丘にいるのでしょう?
 世界の滅亡を止めるために、
 彼に会わなくてはならないの!」

セーレ
「石厳の梟将様は、黄昏の歌姫との戦いに敗れ、
 心を支配されてしまわれました。」

「しかし、彼は黄昏の歌姫に利用されることをよ
 しとせず、最後の力を使い、自らを砂嵐の中に
 封じられたのでございます」

「その封印を預かったのが、
 弟子であるわたくしなのです」

「もう一度いいます」

「ここはお通しできません。
 お引き取りください」

トリスティア
「もういいわよ!」

「いくわよ、アイザック!」

セーレ
「・・・石厳の梟将さま
 これで良かったのです、よね?」


- 千里眼の塔から離れるアイザックたち・・・ -


トリスティア
「なによ、あの人!」

「予言者だか何だか知らないけど、
 えらそうに、「全部お見通し」みたいな
 顔しちゃってさ!」

アイザック
「・・・・・」

「でも彼女、哀しそうな顔をしていたよ」

「心を閉ざしてしまったのには、
 きっと何か理由があるんだ・・・」

「僕、もう一度彼女に会ってみるよ」

トリスティア
「アイザック!
 ま、待ってよ!」


- 再び千里眼の塔へ -


セーレ
「・・・またいらしたのですか」

アイザック
「は、はい」

セーレ
「ごめんなさい」

「何度来ていただいても、
 ここをお通しするわけにはいかないのです」

アイザック
「・・・・・」


   もう一度話を聞いて
  →あきらめます


アイザック
「わかりました、今回はあきらめます」

セーレ
「せっかく訪ねてくれたのにごめんなさいね。
 これも神によって定められた運命なのです」


- 千里眼の塔から離れて出直す -


セーレ
「・・・またいらしたのですか」

アイザック
「は、はい」

セーレ
「ごめんなさい」

「何度来ていただいても、
 ここをお通しするわけにはいかないのです」

アイザック
「・・・・・」


  →もう一度話を聞いて
   あきらめます


アイザック
「もう一度、話を聞いてくれませんか?」

セーレ
「・・・・・」

「いいでしょう。
 もう一度だけお話をお聞きましょう」

アイザック
「ありがとうございます」

「僕は、ある目的で旅をしています。
 それは・・・」


  →黄昏の歌姫を倒す!
   黄昏の歌姫から逃げる
   世界を救いたい


アイザック
「僕は、僕は・・・
 黄昏の歌姫を倒したい!」

「師匠を手にかけた黄昏の歌姫が
 許せないのです!」

セーレ
「それで、・・・あなたは、黄昏の歌姫を
 この世から消し去りたいのですか?」


   はい
  →いいえ


アイザック
「いいえ。
 そうではありません」

セーレ
「・・・では、黄昏の歌姫を倒して、
 どうしようというのですか?」

アイザック
「彼女は、天秤の杖を持つ賢者は、
 人間に絶望したと聞きました」

「僕は、彼女に教えてあげたいのです。
 人間がどんなに素晴らしいかを」

「弱くて、愚かだけど。
 不完全だからこそ人間は素晴らしいんだって」

「完璧じゃないからこそ、成長できるんだって」

「だから・・・人間に失望しないでって」

セーレ
「そうですか・・・」

「あなたのおっしゃりたいことは
 良く分かりました」

「・・・でも、残念ですが、
 ここをお通しすることはできません」

アイザック
「な、なぜです!?」

セーレ
「神によって、そう定められているからです」

「あなたが黄昏の歌姫を救いたいことは
 理解しました」

「しかし、その試みは永遠に果たされることは
 ありません」

「わたくしは、師である石厳の梟将と共に、
 この砂嵐の中から世界の終焉を見守りたいと
 思います」

アイザック
「あなたはまちがってる!」

セーレ
「!?」


   神は死んだ!
  →僕が世界を救う!


アイザック
「僕が・・・
 僕が世界を救うんです!」

セーレ
「・・・」

「なんと・・・」

「なんと傲慢な。なんと不遜な・・・
 光の継承者よ・・・」

「やはり、あなたを通すわけには参りません」

「おのれの弱さを自覚しない者は、いつの日か
 必ず自滅します」

「・・・お気をつけなさい」


- 千里眼の塔から離れて出直す -


セーレ
「・・・またいらしたのですか」

アイザック
「は、はい」

セーレ
「ごめんなさい」

「何度来ていただいても、
 ここをお通しするわけにはいかないのです」

アイザック
「・・・・・」


  →もう一度話を聞いて
   あきらめます


アイザック
「もう一度、話を聞いてくれませんか?」

セーレ
「・・・・・」

「いいでしょう。
 もう一度だけお話をお聞きましょう」

アイザック
「ありがとうございます」

「僕は、ある目的で旅をしています。
 それは・・・」


   黄昏の歌姫を倒す!
  →黄昏の歌姫から逃げる
   世界を救いたい


アイザック
「僕は・・・逃げているんです。
 黄昏の歌姫から」

「怖くてたまらないんです。
 賢者達を倒した黄昏の歌姫が」

「師匠も、父さんも、みんな・・・」

「本当は逃げたいんです。
 使命だとか、希望だとか、そんな重いものは
 背負えません」

セーレ
「ええ・・・」

「わたくしも怖いです」

「あの者は、我が師である石厳の梟将を
 いともかんたんに屈服させた・・・」

「人間の時代は、黄昏をむかえたのです。
 わたくしたちは、さながら夜を怖がるおさなご
 のようなもの」

アイザック
「でも・・・でも・・・
 僕は光の杖を捨てられずにいる!」

セーレ
「それは、なぜですか?」


  →父さんとの絆だから
   世界に残った希望だから


アイザック
「それは・・・
 父さんと僕との絆だから」

セーレ
「絆・・・ですか」

アイザック
「父さんは、僕たちが生きる世界を守るために
 命をかけて戦ったんだ」

「そして、僕に杖を託した」

「今は何をすればいいかわからない。
 けど・・・」

「きっと父さんは、僕を待っている」

「だから僕は、僕は、こわくても
 前に進まなくてはならないんです」

セーレ
「そうですか・・・」

「あなたのおっしゃりたいことは
 良く分かりました」

「・・・でも、残念ですが、
 ここをお通しすることはできません」

アイザック
「な、なぜです!?」

セーレ
「神によって、そう定められているからです」

「世界は予言どおり黄昏をむかえました」

「わたくしは、師である石厳の梟将と共に、
 この砂嵐の中から世界の終焉を見守りたいと
 思います」

アイザック
「あなたはまちがってる!」

セーレ
「!?」


  →神は死んだ!
   僕が世界を救う!


アイザック
「神は、死んだのです!」

「いつまでも、死んだ神様の予言にしたがって
 生きていくなんて、ばかげています!」

セーレ
「!?」

「あなたは、あなた自身の力で、神の定めを変え
 ることができるというのですか!?


   はい
  →いいえ


アイザック
「いいえ。そうではありません」

「僕ひとりの力では、何もできません」

「だからこそ、みんなの協力が必要なのです。
 僕は小さい小さい存在です。でも・・・」

セーレ
「でも?」

アイザック
「人々に小さな希望を与えることはできる。
 そう、信じています」

セーレ
「・・・・・」

「なるほど」

「・・・わかりました」

アイザック
「!?
 ・・・じゃ、じゃあ?」

セーレ
「石厳の梟将は金色砂丘の奥深くに自らを
 封じています」

「これから、砂嵐の結界を弱めます。
 これで、砂丘に入ることができるでしょう」

「砂丘には、おそろしい魔物がはびこっています
 くれぐれも、無理をなさらぬよう・・・」


- 金色砂丘へ -


アイザック
「砂漠・・・いや、これは・・・海の砂だ!」

「ここは昔は海底だったのかな?」

トリスティア
「そうよ。この金色砂丘(こんじきさきゅう)は
 太古の昔、海だった場所なの」

「ここだけではないわ。私たちが住んでいる
 この大地は、すべて神が海底から引き上げた
 ものだと言われているの」

アイザック
「へえ・・・
 トリスティアは物知りなんだね」

トリスティア
「・・・まあね」

「・・・・・」

「って、どうして意外そうな顔をするのよ!」

アイザック
「そそ、そんなことないって!」

「さ、はやく石厳の梟将をさがそうよ!
 この砂丘のどこかにいるんでしょ!?」


- 金色砂丘 奥地へ -


アイザック
「この広い砂丘のなかから、石厳の梟将を
 さがしだすのは大変だな・・・」

トリスティア
「そうね・・・
 あのおっさん、どこにかくれてるのかしら?」

アイザック
「・・・あのさぁ」

トリスティア
「うん、何?」

アイザック
「どうしてトリスティアって、
 そんなに賢者たちのことについてくわしいの?」

トリスティア
「え?」

「そりゃあ・・・」

「きゃああっ、じ、地震?」

石厳の梟将
「なぜ・・・なぜ・・・ここへ来た?」

「我が弟子を・・・セーレを・・・
 手にかけたのか!?」

「・・・ゆるさぬ。
 ゆるさぬ!ゆるさぬ!ゆるさぬ!」

トリスティア
「ななななっ!何なのよー!
 突然出てきてびっくりさせんじゃないわよ!」

アイザック
「群霞の老師や陽炎の公主と同じだ・・・」

「とにかく、一度気を失ってもらうしかないよ。
 トリスティア、さがって!」


- 石厳の梟将と戦闘 -


石厳の梟将
「ぐ、ぐはっ!」

「まさか我輩をたおし、黄昏の歌姫の呪いから
 解き放ってくれる者が訪れるとは・・・」

「見事だ、少年!」

トリスティア
「他の賢者とちがって、あやつられながらも
 意識だけは保ってたわけね」

「・・・さすが、賢者一の頑固者だわ」

アイザック
「石厳の梟将様・・・」

「セーレさんの言ってたように
 世界は滅びる運命にあるんですか?」

「神は人間を見捨ててしまったのでしょうか?」

石厳の梟将
「ふむ・・・
 そうであるかもしれぬ」

「しかし、少年。
 貴公は今、我輩を運命の檻から
 解放してくれたのではないか?」

「つまり貴公は、自らの行動をもって、
 運命とは人の力で変えることのできる
 ものであると証を立ててみせたわけだ」

「未来は不確定なものなのだよ、少年。
 セーレの語る未来は、あくまで
 最もおこる可能性の高い未来なのだ」

「貴公のその心は、未来を変える力そのもの」

「わかるな、少年?」

アイザック
「はい!」

石厳の梟将
「うむ。さすが、セーレがみとめただけの
 ことはある」

「あいつは我輩に似て、なかなかの頑固者
 だからな!がっはっは!」

アイザック
「ふふふ」

石厳の梟将
「おお、そうだ」

「我輩をたおした証として、
 地のルーンを貴公に伝授しよう!」

「貴公なら、このルーンを使いこなすことができ
 るだろう。そして・・・壊れゆく世界を・・・
 希望を、つないでくれるか?」

アイザック
「(コクリ)」


- 奥地より離れて -


アイザック
「水の群霞の老師、ひの陽炎の公主、
 地の石厳の梟将・・・」

「四元素の賢者ってことは・・・
 あと、残るは風の杖を持つ賢者だけだね。
 いったい、どこにいるんだろう?」

トリスティア
「へっ!?」

アイザック
「ん?なに?」

トリスティア
「あなた、本気で言ってる?」

アイザック
「・・・なにが?」

トリスティア
「『なにが』って・・・」

「・・・・・」

「私、言ってなかったっけ?」

「私の名前は
 風招の巫女(かざおきのみこ)。
 風の杖の継承者よ」

アイザック
「え・・・」

「・・・・・」

「えっ!えっ!えっ!」

「えー!!!!!」

トリスティア
「なんでそんなにおどろくのよ!」

アイザック
「だって、トリスティアって
 ぜんぜん賢者って感じじゃ・・・」

トリスティア
「し、失礼ね!」

「そんな失礼なこと言うんだったら、
 風のルーンを教えてあげないわよ!」

アイザック
「うそうそ!」

「トリスティアは気分屋・・・じゃなくてすごく
 落ち着いてるし、知的で、美人で、まさに
 賢者って感じだよね!?」

トリスティア
「・・・・・」

「なんか釈然としないけど。
 ・・・ま、いいか」

「風の杖の継承者トリスティアの名において、
 光を継ぎし魔導士アイザックに
 風のルーンを授けましょう!」

「鋭い風をあやつるカマイタチの力をもった
 すばらしいルーンなのよ。
 感謝してよね!」

アイザック
「(やっぱ似合わないよなぁ・・・)」

トリスティア
「ん?何か言った?」


第四幕へ

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