ストーリー 会話文 ~バッドエンディングを目指して~

一回グッドエンディングを見た後、どうせならバッドエンディングも見ておこう、ということで、新たに会話文を載せていきます。アイザック、かなり悪い子です(笑)

最終幕 吹き抜ける風の鎮魂歌

黄昏の歌姫
「さあ、アイザック。
 わが忠実なしもべ・・・」

「怒りに身を任せるがいい・・・
 力の誘惑に酔うがいい・・・」

「トリスティアは旧き神の秩序を守るために命を
 散らしたのだ。二度とこのような不幸をくりか
 えしてはならぬと思わぬか?」

「さあ・・・」

「旧き神のつくった秩序を我らの手で打ち壊そう
 ではないか。我らの手で、新たな世界を築こう
 ではないか・・・」

アイザック
「旧き神の秩序が・・・
 トリスティアをうばった・・・」

黄昏の歌姫
「そうだ、アイザック
 旧き秩序の守り手である賢者たちを」

「・・・そなたの手で亡き者にするのだ」

アイザック
「・・・・・」

黄昏の歌姫
「ふふふ、ふははは・・・」

「ふははははははははは!!!」


- 銀嶺渓谷へ -


群霞の老師
「・・・アイザック」

「おぬし・・・なんと禍々しい・・・
 なんと哀しい瞳なのじゃ・・・」

アイザック
「・・・・・・」

群霞の老師
「前に会ったおぬしは、出会う人すべてに希望を
 もたらす、澄んだ瞳をしておった」

「ワシは・・・ワシが学んできた全ての知識を
 おぬしに託しても良いとさえ思っていたのに」

「・・・帰って来い、アイザック!」

「たのむ・・・
 帰ってきて、くれ・・・」


- 群霞の老師と戦闘 -


アイザック
「・・・水のマナが、はじけていく?
 旧き神の封印がこわれた・・・のか」

「!?」

「これが水の・・・ロストマジック」

「くっくっく・・・
 ありがたく頂いておくことにするか」


- 業火の湖へ -


陽炎の公主
「アイザック・・・」

「その血・・・
 まさか、レオナルドを・・・?」

「・・・力におぼれ、我を見失ったのか、
 アイザック!!!」

「自らの弱さを知り、しなやかで強い心をもって
 いたおまえは・・・
 一体どこへいってしまったんだい?」

アイザック
「・・・・・だまれ」

陽炎の公主
「力におぼれるなと、あれほど・・・」

アイザック
「だまれ!!!」

陽炎の公主
「・・・仕方ないね」

「賢者一と言われたこの魔力で、
 絶対におまえを止めて見せるよ!」


- 陽炎の公主と戦闘 -


アイザック
「・・・たける炎が解放されたか」

「・・・・・」

「これが火の・・・ロストマジック」

「すばらしい、破壊の力だ。
 これさえあれば・・・」


- 金色砂丘へ -


石厳の梟将
「・・・アイザック、どうしたのだ?」

「希望に満ちた貴公らしくないぞ。
 いったい何があったというのだ?」

アイザック
「・・・・・・」

セーレ
「お師匠さま、あぶないっ!!!」

「きゃああああああー!!!!!」

石厳の梟将
「セーレ!!!」

「何をするか、アイザック!
 貴公、まさか・・・」

アイザック
「邪魔だ。消えろ!」

石厳の梟将
「ぬうう!
 黄昏の歌姫の術中に堕ちたか・・」

「だが安心せい!
 我輩が、貴公のその怒り、すべて受け止めて
 やろうではないか!」


- 石厳の梟将と戦闘 -


アイザック
「はは、口ほどにもないな」

「何が『受け止めてやろう』だよ」

「ふはは、はは、はははは!!!!」

「さて、と。
 土のロストマジックはいただいていこうか」

「ロストマジック・・・
 手に入れるたびに力がみなぎってくるようだ」

「神が残した『純粋な力』は、杖ではなくこの
 ロストマジックなのかもしれないな・・・」


- 滅びの聖都へ -


レオナルド
「アイザック・・・」

アイザック
「新月の道化師?
 ・・・生きていたのか」

レオナルド
「ふっ、身を隠すのだけは得意技でね」

「アイザック、君は黄昏の歌姫に
 支配された俺を救ってくれた」

「今度は俺が・・」

アイザック
「違うよ。
 あなたと僕では絶対的な違いがある」

「僕は本当に絶望しているんだ。
 あんたたち賢者が守ってきた、この旧い世界に
 ・・・うんざりしているんだよ」

レオナルド
「アイザック!」

アイザック
「邪魔だ!!!」


- 新月の道化師と戦闘 -


レオナルド
「アイザック・・・
 最後にひとつ・・・聞かせてくれ」

「君は・・・
 いったいどんな世界を創ろうというんだい?」

アイザック
「おまえの知ったことか!」

「・・・くだらない賢者の掟にしばられない
 本当に自由な世界を創ってやるのさ」

「・・・自由。
 それこそがトリスティアが望んだ
 ものだから・・・」


- 天穹の神殿へ -


アイザック
「!?」

白夜の法皇
「アイザック!!!」

アイザック
「と・・・父さ・・」

「!?」

白夜の法皇
「アイザック・・・
 世界の秩序を守る賢者として、」

「そして、おまえの父親として・・・」

「私はおまえを止める!」


- 白夜の法皇と戦闘 -


白夜の法皇
「アイザック、
 おまえ、父親に向かって・・・」

アイザック
「・・・・・」

「僕はいやだったんだ!」

「権威的で、子供になんでもかんでも押し付ける
 父さんが・・・」

「杖を継承したいなんて、
 僕はひとことも言ってないのに!」

「言ってないのに!!!」

白夜の法皇
「・・・・・アイザック」

「しかし、父親とはそういうものだ。
 自らのかなえられなかった夢や希望を、
 子であるおまえに託した」

「それをおまえが受け入れてくれはしないかと
 思ったのだが
 ・・・そうそう都合よくいかないものだな」

「無責任な父であった。すまん」

アイザック
「・・・・・・」

「さよなら、父さん」

「僕は・・・勝手に決められた運命にほんろうさ
 れるのは、もうこりごりなんだよ」


- 風車ヶ原へ -


・・・・・!

アイ・・ック・・!!

アイザック
「!?」

「トリスティア!?」

トリスティア
「アイザック!!!」

アイザック
「トリスティア・・・
 まさか・・・」

トリスティア
「アイザック、ごめんなさい。
 私のために、あなたを深く傷つけてしまった」

「いつもいつも、足手まとい・・・だね」

アイザック
「・・・・・・・」

トリスティア
「アイザック?」

アイザック
「うそだ!!!」

「うそだうそだうそだうそだうそだ!!!」

「おまえは死んだんだ!
 ニセモノめ、その姿で僕の前に現れるなんて!
 ・・・許さない!!!」

「許さない!」

トリスティア
「アイザック、待って!
 話を聞いて!」

アイザック
「絶対に許さない!!!」


- 風招の巫女と戦闘 -


トリスティア
「アイザック・・・」

「アイザック、ごめんなさい。
 こころ優しいあなたを戦いに巻き込んで
 しまったのは、私の責任・・・ね」

「私の、賢者たちの失敗を・・・
 あなたひとりに全て背負わせてしまったわ」

「さあ、あなたの手で、私を・・・」

アイザック
「トリスティア・・・」


  →さよならだ
   僕にはできない(分岐)


アイザック
「トリスティア、さよならだ」

「僕は、死したる神の旧い秩序をこわして、
 新しい世界を築く」

「そのためには、君が・・・
 秩序の担い手である賢者が邪魔なんだ」

「さよならだ、トリスティア」

トリスティア
「ええ・・・
 さようなら、アイザック」

「あなたに会えて良かった。
 あなたの瞳にやどる希望に、勇気をもらった」

「・・・あなたの創る新しい世界を・・・
 見たかった、な・・」


- ねじれた杖の城 -


黄昏の歌姫
「・・・よくやった、アイザックよ」

「古き神の封印はすべて解かれ、
 我の邪魔をするものはいなくなった」

「魔法の力によって支配される、
 理想の世界を創りだす準備はととのった」

「最後に残った仕事は・・・」

「光の賢者を消すことのみ」

アイザック
「!?」

「だ、だま・・・」

黄昏の歌姫
「愚かで哀しい最後の賢者よ」

「さらばだ」


そのあと、世界はどうなったのだろう?

僕は、何を間違えたのだろう?

古いものを捨て、哀しみのない新しい世界を
創りたかった。

ただ、それだけだったのに?

ただひとつ言えること、

僕の杖をうばって新たな神となった
黄昏の歌姫の創りだす世界は・・・

最初から血塗られた歴史を運命付けられたもの
になるであろう、ということ

僕は・・・

そんな世界に生まれ変わるのは

・・・いやだな



- THE END -










僕にはできない(分岐)

アイザック
「・・・だめだ」

「だめだよ、僕にはできない」

「僕には・・・」

トリスティア
「アイザック?」

アイザック
「・・・僕は、いったい何をしているんだ?
 僕は、僕は・・・」

「賢者たちを・・・僕は・・・」

「取り返しのつかないことをしてしまった」

トリスティア
「・・・アイザック」

「ごめんね、アイザック」

「もう少し早く、私が、あなたを止めてあげる
 ことができたら、あなたをこんなに傷つける
 ことはなかった」

「さあ、行きましょう」

アイザック
「・・・行くって、どこへ?」

トリスティア
「あら、あきれた!
 あなた、私に約束したじゃないの」

「・・・姉さんを助けてくれるって」

「約束、してくれたよね」

アイザック
「トリスティア・・・」

「うん、行こう。
 今なら黄昏の歌姫の哀しみが、
 痛いほど理解できる」

「トリスティアが僕を助けてくれたように、
 彼女を哀しみから助けてあげなくちゃ」

トリスティア
「うん・・・」

「そうだ、大切なものを渡しておくね」

「風のロストマジック」

「なにごとにも捕らわれることのない、
 自由と解放の力よ」


- ねじれた杖の城へ -


アイザック
「黄昏の歌姫・・・」

黄昏の歌姫
「・・・ほう
 よもや、私の魔力がやぶられるとはな」

「正直、おどろかされたぞ。
 何がおまえをそこまで強くしたのだ?」

「トリスティア、おまえか?
 どんな秘術を使ったかは知らぬが、
 おまえが我が魔力を打ち払ったのだな?」

「・・・しかし残念だ」

「たとえ魔法を打ち払ったとしても、たった一本
 の杖ではどうすることもできまい」

トリスティア
「・・・セネカ姉さん、
 私は、あなたを取り戻しにきました」

「強すぎる力にとりつかれ、
 己の役目を見失った哀しいひと・・・」

「神は、どうして力を7つに分けたのか、
 姉さんには分かる?」

「強すぎる力は、その人を、そして周囲の人たち
 みんなを不幸にしてしまうからよ」

黄昏の歌姫
「愚かな妹よ。すべての不幸の源は、人間そのも
 のであるとなぜ気づかない?」

「人間がいる限り、不幸の連鎖は永久に消えるこ
 とはないのだ。そんな哀しい生き物など、いっ
 そ滅ぼしてしまえば良いではないか」

「なぜ人間を守ろうとする?
 我が愛する妹よ」

「トリスティア・・・私は、おまえを・・・
 こんなに愛しているのに」

「おまえが自由に生きられるように、あえて賢者
 の道を選んだというのに・・・」

「選んだというのに・・・」

トリスティア
「姉さん・・・」

黄昏の歌姫
「アイザック、貴様か!貴様が妹を私からうばっ
 ていこうとするのか!」

「私は全ての力を手に入れた!
 なのに、なのに、なぜ手に入らない!」

「なぜ心に安らぎが訪れない!」

「おまえを・・・消してやる!!!」

アイザック
「トリスティア、さがって。
 僕に・・・まかせて」

トリスティア
「うん、姉さんを・・・
 姉さんを助けてあげて」

アイザック
「うん、必ず。
 ・・・約束するよ」


- 黄昏の歌姫と戦闘 -


黄昏の歌姫
「おのれ・・・」

「なぜ、そんな貧弱な杖で、この私を
 傷つけることができるのだ・・・・」

「ありえない・・・」

「ありえない・・・」

「ありえない・・・」

「ありえるものかー!!!」

「私は神!
 新たな時代の創造神!」

「集え、魔物どもよ!」

「おまえたちの憎しみの力で、
 世界を絶望で包み込むのだ!」


- 黄昏の歌姫と魔物と戦闘 -


黄昏の歌姫
「ばかな!ばかな!ばかなばかなばかな!」

「6つの杖を手に入れ、限りなく神に近い存在と
 なった私が、なぜたった・・・
 たった一本の杖に敗れるのか!?」

「なぜ・・・なぜだ・・・」

トリスティア
「神が私たち賢者たちに託したものは、
 決して破壊のための力ではないのよ」

「世界を守るために与えられた力で、
 世界を滅ぼすことはできない。
 それは当然のことなのかもしれないわ」

「使い道をあやまった6つのちからが、
 正しく使われた1つの力に敗れたのよ」

アイザック
「僕らは、魔法の持っている力のみにとらわれ
 すぎていたんだ」

「あなたも、僕も・・・
 杖の持つ力ばかりに気を取られて、本当に大切
 なことを忘れてしまっていたのかもしれない」

トリスティア
「ええ・・・」

黄昏の歌姫
「バカな!
 杖こそが神の象徴!神の力!」

「私は認めない!私は、私は認められない!」


トリスティア
「姉さん!?」

アイザック
「トリスティア、城が崩れる!
 はやく、ここを脱出するんだ!」

トリスティア
「姉さん!!!!!」


その日・・・僕は何に勝利したのだろう。

魔物たちは、杖の城とともに姿を消した。

残されたのは、生き残った人々と荒廃した大地
・・・そして魔法が失われた世界。

僕らが倒したのは、数千年前に死んだはずの
神の亡霊だったのかもしれない。

光の杖は、その残った力で荒廃した大地を
癒し、そして砕け散った

皮肉なものだ・・・

神が残した力によって世界は滅亡の危機を迎え
そして同じ力によって世界は守られたのだ


トリスティア
「アイザック・・・
ごめんなさい」

「あなたには、
 本当に辛い思いをさせてしまったわ」

「魔法は失われ、これから私たちがどうなってい
 くか誰にも分からないけれど」

「きっと生きている限り、希望はあるんだわ」

「戦いの中で死んでいった多くの人たち、
 賢者たちのためにも・・・」

「私たちががんばって、魔法のない新しい世界を
 創っていかなければならないの」


トリスティアは、そう言って
さみしそうに微笑んだ

世界に満ちていたマナは消え去って・・・

ひとは、水のせせらぎと火のうなりを
聞き取るすべを失い

そして、
二度と風の歌を聞くことはなくなった

結局僕は、母さんとの約束を守ることは
できなかったのだけれど、

でも、母さんは大気に満ちたあたたかな光の力
こそ、父さんそのものだと言って

笑顔で青空を見上げた

僕は誓おう

杖はなくなっても、光の賢者として、
この青空を守っていくのだと

黄昏の歌姫と戦い、ようやく気付いたんだ

過ぎた力は、決してひとを幸せにはしない

ごめんね

師匠・・・



- THE END -

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