ストーリー 会話文 ~バッドエンディングを目指して~

一回グッドエンディングを見た後、どうせならバッドエンディングも見ておこう、ということで、新たに会話文を載せていきます。アイザック、かなり悪い子です(笑)

第四幕 誰が彼を罰するのか

アイザック
「いよいよ閉ざされた封印の門を
 開くことができるんだね」

トリスティア
「ええ、そうね
 アイザック、ちょっとはなれていて」

アイザック
「あ、うん」

トリスティア
「彼の者は光の継承者アイザック。
 地、水、火、そして風の祝福を受けしもの」

「万能なる創造神の力を分け与えられし、
 賢き者の名によって命ずる」

「四元素の門よ、いまひとたび、
 その厚き守りを解き放ちたまえ・・・」

「・・・・・」

「門が、開くわ。
 いきましょう!」

アイザック
「うん!」


- ルーンドルフ内部へ -


「・・・・・だれも、いない?」

トリスティア
「いえ、人の気配はあるわ。
 でも、まだ昼間なのに誰も外に出ていない」

アイザック
「何かあったのかな?」

「ん、あっちから人の声が聞こえるよ!」

トリスティア
「あーん、まってよ!」

白夜の法皇
「・・・・・・」


「白夜の法皇様、今回お納めできるのは、
 これだけです。もうこれ以上は・・・」

白夜の法皇
「・・・ふん」

「甘やかすものではないな。貴様のようなやつは
 生かしておく価値もないか・・・」

アイザック
「まて!」

白夜の法皇
「!?」

アイザック
「父さん!何をやってるんだよ!」

「魔法を使えない人に、
 魔法で攻撃しようとするなんて・・・」

白夜の法皇
「・・・貴様も我が支配にたてつくのか?」

アイザック
「父さん、何を・・・言ってるの?」

「父さん!」

白夜の法皇
「・・愚かな人間よ、支配を受けいれぬのなら」

「いっそ、消し去ってやろう!!!」

アイザック
「うわぁー!!!」


- 木漏れ日の森 -


アイザック
「う、うーん」

パラケルスス
「ぴぴいっ!」

アイザック
「・・・パラケルスス」

「ありがとう。
 大丈夫、ケガはしてないよ」

パラケルスス
「ぴぴいっ!」

トリスティア
「だいじょうぶ、アイザック?」

「・・・よかった、目をさましたのね」

「レオナルドさんが、あの場から
 助けてくれたのよ」

アイザック
「レオナルドさんが・・・」

「!?」

「父さん!?父さんっ!?」

トリスティア
「アイザック・・・」

「白夜の法皇は・・・」

アイザック
「父さんは!」


   やさしい人だったんだ!
  →悪魔に心を売ったんだ!


アイザック
「父さんは、悪魔に心を売ったんだ!」

「石厳の梟将は、人を傷つけないために、
 自分を金色砂丘の奥に封じ込めた」

「でも、父さんは・・・」

トリスティア
「アイザック・・・」

レオナルド
「そう判断するのは、早すぎるんじゃないか?」

アイザック
「レオナルドさん・・・」

レオナルド
「君は、そんなにかんたんに父上を
 信じることをやめてしまうのかい?」

アイザック
「で、でも・・・」

レオナルド
「どんなことがあっても希望をすてないと、
 君は誓ったじゃないか。もう忘れて・・」

アイザック
「忘れるもんか!」

「・・・忘れるもんか」

レオナルド
「アイザック」

「真実とは、常に人の目に見える場所に
 あるばかりではないのだよ」

「もう一度、ルーンドルフに行ってみようじゃな
 いか。君に真実の見分け方を教えてあげよう」

「さあ、立ち上がるんだ。光の継承者よ。
 我が最後の教えを授けよう!」


- 風車ヶ原 -


気弱そうな少年
「・・・あーん、
 一体どこにいっちゃったんだよぅ」

「あ、あの、キミ・・・」

パラケルスス
「ぴっ?」

気弱そうな少年
「いや、キミじゃなくて・・・」

「そうそう、キミ、キミ」

「あのね。この辺りで、赤っぽい髪の
 元気いっぱいな女の子を見なかった?」

アイザック
「女の子?
 見てないなぁ・・・」

気弱そうな少年
「そっかぁ・・・
 もう、すぐに迷子になっちゃうんだから!」

「どうもありがとう!
 どこかで見かけたらタローが探してたって
 言ってくれるとうれしいな」

「じゃあね、ばいばい!」


- 木漏れ日の森 -


赤毛の少女
「もう!
 あいつったら、どこいっちゃったのかしら?」

「あ、そこの君!」

パラケルスス
「ぴっ?」

赤毛の少女
「いや、キミじゃなくて・・・」

「そうそう、キミ、キミ」

「あのさぁ、この辺りであなたと同じような
 金髪の男の子を見なかった?
 背もだいたい同じくらいなんだけど・・・」


  →見たよ
   いや、見てないなぁ


アイザック
「その子なら見たよ」

赤毛の少女
「え、本当に!?
 どこにいたのか教えてくれる?」


   風車ヶ原
  →銀嶺渓谷


アイザック
「銀嶺渓谷にいたよ」

アイザック
「確か名前は・・・タロー君?」

赤毛の少女
「そうそう!
 あいつったら、ホントにすぐ迷子になるのよ」

「私はヒバナ。
 あなたは?」

アイザック
「僕、アイザック」

赤毛の少女
「どうも、ありがとう、アイザック!
 探しに行ってみるね!」


- タムタ村 -


タロー
「あ、君はこのあいだの!」

パラケルスス
「ぴ・・・」

タロー
「いやいや・・・」

パラケルスス
「ぴぴぃー」

タロー
「ねえ、あのあと
 どこかでヒバナを見なかった?」

アイザック
「見たよ。
 えーと、あそこは・・・」


  →金色砂丘だ!
   木漏れ日の森だ!


アイザック
「あれは、金色砂丘だったかな」

タロー
「本当に!?
 やっとヒバナに会えるぞ!」

「どうもありがとう。
 えーと・・・」

アイザック
「僕はアイザック、ヨロシクね」

タロー
「ボクはタロー。
 お父さんを探して、世界中を旅しているんだ」

アイザック
「父さんを・・・」

タロー
「どうもありがとう。
 そろそろヒバナを探しに行かなくちゃ」

アイザック
「早く会えるといいね!
 ヒバナさんと・・・お父さんに!」


- 銀嶺渓谷 -


アイザック
「あ、ヒバナさん!」

「タローには会えましたか?」

ヒバナ
「それがねえ、銀嶺渓谷をくまなく探したけど
 みつからないのよ・・・」

「いったいどこに隠れたのかしら?」

アイザック
「僕、タローに会いましたよ」

ヒバナ
「え、本当に?」

アイザック
「はい。
 あれは、えーと・・・」


   タムタ村
  →ルーンドルフ


アイザック
「あれは確か・・・ルーンドルフだったかな」

ヒバナ
「本当?
 いつのまにそんな遠くに・・・」

「ありがとう、行ってみるわ」

「待ってなさいよ、タローのヤツ!」

アイザック
「・・・なんか、おにごっこしてるみたい」


- 金色砂丘 -


タロー
「アイザック!」

アイザック
「あ、タロー」

タロー
「こんな砂丘にほんとにヒバナがいたの?」

アイザック
「うん・・・確か」

「もしかしたら、会った場所じゃなくて、行った
 先で待っていたほうが早いかもしれないね」

「えーとね、ヒバナさんは・・・」


   タムタ村に向かったよ
  →ルーンドルフに向かったよ


アイザック
「ヒバナさんは、
 ルーンドルフに向かったよ」

タロー
「ルーンドルフか・・・
 ちょっと遠いね」

「今度は会えるといいな」

アイザック
「そうだね。
 きっと会えるよ」

タロー
「うん、ありがとう」

「バイバイ、アイザック!」


- ルーンドルフ -


トリスティア
「・・・あいかわらず、陰気な町ね。
 みんな白夜の法皇を恐れているのかしら?」

「あ、ごめんなさい」

アイザック
「・・・ううん、いいんだ」

「父さんは、何のために人々を支配しようと
 しているんだろう?」

レオナルド
「人々にまだ利用価値があると・・・黄昏の歌姫
 が考えているのかもしれない」

アイザック
「利用価値?」

「黄昏の歌姫は、人間たちを全部
 滅ぼそうとしているんじゃないの?」

レオナルド
「最終的には、そうなのだろう。
 しかし、何か別の目的があるのかもしれない」

「その目的のために、白夜の法皇をあやつって
 人々を支配させているとしたら・・・」

「・・・しかし、なぜそのような回りくどいこと
 をするのだ。何かひっかかるな」

アイザック
「あ・・・」

レオナルド
「どうした、アイザック?」

アイザック
「・・・・・」

レオナルド
「どこへ行くんだ!?」

アイザック
「・・・・あの」

女性
「?」

アイザック
「・・・か、母さん
 母さんなの?」

女性
「・・・・・」

「アイザック・・・」

「アイザック!!!」

アイザック
「母さん!!!」

「いつか会えるって信じてた。
 生きてるって信じてた!」

母親
「アイザック・・・
 苦労をかけてごめんなさいね」

アイザック
「母さん・・・
 父さんが・・・」

母親
「・・・ええ」

「父さんは、黄昏の歌姫の言いなりになって、
 この町を支配しているわ」

「でも・・・
 母さんは父さんを信じているの」

「たとえ町の人たちみんなが、父さんのことを裏
 切り者だと言ったとしても・・・」

「私にはもう、信じることしかできないから」

アイザック
「・・・母さん、僕」


うわああ!
魔物が、魔物たちがあらわれたぞ!


アイザック
「!?」

「大変だ!母さん、ここに隠れていて!」

母親
「ア、アイザック!!!」


- 町人を守りながら戦闘 -


母親
「アイザック!
 怪我はない?」

アイザック
「うん、大丈夫」

母親
「・・・少し見ない間に、強くなったわ。
 あの泣き虫のアイザックが・・・」

アイザック
「えへへ」

母親
「父さんも、・・・父さんも、きっと喜ぶわね」

「おまえがすぐに泣くことを、父さん、
 ずいぶん心配していたから・・・」

アイザック
「・・・母さん」

母親
「うん・・何?」

アイザック
「僕、父さんにもう一度会ってみるよ。
 母さんの言うように、もう一度・・・」

「もう一度、父さんを信じてみようと思う」

母親
「アイザック・・・」

「あなた、本当に強くなったわ・・・」

「これを持っていきなさい。父さんが、自分にな
 にかあった時アイザックに渡すようにと私に預
 けていったものよ」

「これを渡せば、おまえを戦場に送り出すようで
 気がひけるけど・・・」

「男の子は、いつか一人で巣立っていくもの
 ですもの」

アイザック
「母さん・・・これは」

「ルーン?」

母親
「ええ。父さんが守っていた光の力」

「光のルーンよ」

アイザック
「・・・父さんが、守っていた力」

母親
「さ、しゃんと胸を張って!」

「私たちのお父さんを・・・頼むわよ、
 アイザック」

アイザック
「うん、まかせて。
 きっと2人で・・・帰ってくるよ!」


- 天穹の神殿 -


トリスティア
「お母さんに会えて良かったわね、アイザック」

アイザック
「うん」

トリスティア
「お父さんだって、きっと戻ってくるわ。
 大切な家族ですもの」

「・・・もう少しよ。がんばりましょう」


そうは、いかぬな


トリスティア
「!? だれ?」

黄昏の歌姫
「待ちくたびれたぞ、光の杖の継承者よ」

「これ以上、我が手駒を失うわけにはいかんので
 な。貴様には、ここで消えてもらおう」

アイザック
「黄昏の歌姫!!!」

「僕はお前を許さない!
 父さんを邪悪な支配から解き放て!」

黄昏の歌姫
「・・・ずいぶんいせいがいいな、小僧。
 少し魔法を学んだくらいで増長したか?」

「む?」

「・・・おやおや、これはこれは。
 新月の道化師もご一緒とはな」

「逃げ回っていたようだけれど、ついに観念した
 ということかな、闇の杖の継承者よ?」

アイザック
「新月の・・・道化師?
 闇の杖の・・・?」

レオナルド
「ちっ・・・」

アイザック
「レオナルドさんが・・・賢者?」

黄昏の歌姫
「それでは、最後の2本の杖をまとめて頂くこと
 としようか・・・」

白夜の法皇
「黄昏の歌姫様、あなたのお手をわずらわすまで
 もありません」

「私めにお任せください」

黄昏の歌姫
「・・・・・」

「ふ、まあいいだろう。
 親子の対決というのも見物だ」

「行け、白夜の法皇よ!
 光と闇の杖をうばい取るのだ!」


- 白夜の法皇と戦闘 -


アイザック
「か、勝てない・・・」

「・・・父さん。
 なんで・・・」

白夜の法皇
「ふん。運良く他の賢者たちをやぶって
 調子に乗ったようだが」

「賢者の長たるこの白夜の法皇を軽く見てもらっ
 ては困るな」

アイザック
「父さん・・・僕は」

白夜の法皇
「まだ私を父と呼ぶか」

「・・・良かろう。
 父みずから、引導を渡してやろう」

レオナルド
「おっと」

「・・・俺を忘れてもらっては困るな。
 白夜の法皇さん」

「俺はあなたを尊敬していた。賢者の長として、
 そして魔導士の先輩として・・・」

「どんな形にせよ、こうしてあなたと対決できる
 ことを幸せに思う。そして俺は、
 ・・・いまこそあなたを乗り越えよう!」

白夜の法皇
「くっくっく・・・」

「はっはっはっはっ!」

「良いだろう、闇の杖の継承者。
 魔物に愛されし、哀しき人の子よ」

「おまえの力の全てを私にぶつけるが良い。
 そして、絶望に打ちのめされよ!」

レオナルド
「(アイザック、良く聞け)」

アイザック
「(レオナルドさん?)」

レオナルド
「(今黄昏の歌姫の目から逃れるのは
 困難だ)」

「(白夜の法皇と俺は、君とトリスティアを逃が
 すために、これから一芝居打つ)」

「(気の父さんは操られてなんていないよ。
 人々を一人でも多く生き長らえさせるために、
 彼なりの方法で戦っているんだ)」

「(・・・本当にすごい人だよ)」

アイザック
「(レオナルドさん・・・)」

レオナルド
「(ルーンドルフの西に広がる廃墟へ向かえ。
 そこに君へ伝えるべきものを隠しておいた)」

アイザック
「(滅びの聖都・・・だね)」

レオナルド
「(そうだ)」

アイザック
「(でも、レオナルドさんは?)」

レオナルド
「(心配するな。黄昏の歌姫の目をくらまして、
 後から必ず追いかける)」

「(ふ、隠れるのだけは得意技なんでね。)」

「(いいかい、
 俺が魔法を唱えたらそれが合図だ。トリスティ
 アを連れて逃げろ)」

アイザック
「(わかった・・・)」

レオナルド
「(よし)」

「白夜の法皇よ、
 我が闇の秘術をとくと味わうが良い!」

「冥府の深淵より、来たれ
 漆黒の世界にうごめく闇の精霊達よ!」


- 滅びの聖都 -


トリスティア
「ここは、滅びの聖都・・・」

「・・・寒いわ。
 人々の嘆きと哀しみが渦巻いてる・・・」

アイザック
「ねえトリスティア、レオナルドさんは父さんが
 操られてないと言ってたけど・・・」

「いったい、どういうことなんだろう?」

トリスティア
「そうね・・・
 もし操られていないのだとしたら・・・」

「白夜の法皇様は、自分の意志で人々を支配し
 苦しめていることになってしまうわ」

アイザック
「ねえ・・・」

「魔物って、何?」

トリスティア
「え?」

アイザック
「レオナルドさんが前に言ってたんだ。
 魔物は・・・」

「人間が生み出した物だって」

トリスティア
「・・・・・」

「私も詳しくは知らないんだけど」

「かつて人間は<杖>の力を求めて長く悲惨な
 戦争をしたと言われているわ」

「魔物は、その戦争の中で・・・」

「人間が人間を殺めるために生み出した、
 憎しみの権化だと言われているの」

「戦争が終わり、役目を終えた魔物たちは、賢者
 たちの封印によって<魔界>という異世界に封
 じられたわ」

「私たち賢者の役目は、過去の罪の結晶である魔
 物を封じ込め・・・」

「争いの火種となった<杖>を永久に権力者や為
 政者の手に渡らないようにすることなのよ」

アイザック
「魔物は、憎しみの権化・・・」

「憎しみの力が、魔物の存在理由だとしたら・・・
 そのあたりに何か秘密があるのかもしれない」


- 戦闘 -


アイザック
「気味の悪い魔物がたくさんいるね・・・」

トリスティア
「大昔、ここには大きな都があったの。
 魔法の力を利用した、古の王国」

「でも・・・」

「その繁栄は、一夜にして滅び去ったと
 いわれているわ」

アイザック
「大きな都が、一夜にして?」

トリスティア
「ええ・・・」

「戦争のためとも、巨大な魔物に滅ぼされた
 とも言われているけど、はっきりしたことは
 わかっていないの」

「かつて、人間たちは賢者の杖の魔力を
 奪い合い、大きな戦争が何度もおきたわ」

「杖の魔力は巨大だった。
 それは、この大地に住む人すべてを
 十分にうるおすことのできるものであった」

「・・・でも、人はそれをみんなで使うことが
 できなかったので。王はそれを、自分の
 ためだけに使おうとした」

アイザック
「・・・哀しいことだね」

トリスティア
「そうね」

「だから、私たち賢者が、その力を預かる
 ことになったのよ」

「賢者たちは、二度と杖の力が戦いに
 使われることのないように、何千年もの間、
 それを守り続けてきたの」

「魔物を封じ込めること、そして・・・
 杖という名の魔物を封じ込めることが」

「それが、賢者の・・・使命」

アイザック
「賢者の・・・使命」


- 悪の魔導士現れる -


悪の魔導士
「ううーん、いいねえ。
 死者たちのざわめき、嘆き・・・」

「ふひゃははは!
 オレサマの自慢の魔物たちも、
 ようやく満腹になったみたいだぜ」

「白夜の法皇の奴さえいなければ、ルーンドルフ
 に隠れてるやつらもエサにしちまうものを」

「お?」

「子供が2人、こんなところに何の用だ?」

アイザック
「死者を冒涜するようなマネは許さないぞ!」

悪の魔導士
「許さないなら、どうする?
 気に入らなければ、力でつぶすか?」

「憎しみは魔物の力の糧。憎め、憎め!
 俺を憎め!ひゃははははっ!」


- 闇の魔導士との戦闘 -


アイザック
「・・・トリスティア・・・
 僕、ようやくわかったような気がする」

トリスティア
「わかったって、何が?」

アイザック
「父さんの、戦い方・・・」

トリスティア
「本当!?」

アイザック
「うん」

「考えてみて。
 父さんがルーンドルフを支配しているおかげで
 結果的には人々は生き長らえてる」

「今みたいな悪い魔導士はたくさんいるけど、奴
 らは父さんが支配している町には簡単には近づ
 けないはずだよ」

「彼らは弱いものには高圧的だけど、力が強いも
 のには簡単に屈服するからね」

「父さんが「ルーンドルフは俺の縄張りだ」と
 言っていれば、少なくとも他の心無い魔導士の
 支配を受けることはないわけだよね」

トリスティア
「・・・なるほど」

「白夜の法皇の支配が、結果的にルーンドルフの
 人々を守っているというわけね」

アイザック
「それを黄昏の歌姫がどういう風に納得している
 のか分からないけど・・・」

「生き残った人間には、何か大きな利用価値があ
 るのかもしれない。
 それが何かは、今は分からないけど」

トリスティア
「黄昏の歌姫が人間を生かしておく意味・・・」


- 滅びの聖地 奥地 -


アイザック
「・・・見て、トリスティア!
 壁に何か書いてある!」

トリスティア
「賢者たちに伝わる秘密文字だわ。
 ちょっと待ってね、読んでみるから」

「・・・・・・」

「・・・ま、まさか?」

アイザック
「な、何が書いてあるの!?」

トリスティア
「新月の道化師、レオナルドさんは、魔物のルー
 ツについて研究していたみたいね」

「魔物は過去の戦いで人間によって生み出され、
 憎しみの兵器として利用されたのだって、
 前に話したことがあったわよね?」

「その魔物の材料となったのは・・・」

「・・・・・・人間」

アイザック
「!?」

「そんなバカな!
 人間が、人間を兵器にしたというの?」

トリスティア
「落ち着いて・・・続きがあるわ」

「魔導士は、人間から作り出した魔物を操って
 戦いを有利に進めた」

「肉体的に脆弱な魔導士を守るには、屈強で忠実
 な魔物は非常に有用だった・・・」

「・・・これはアイザックも実感している
 ことでしょう?」

アイザック
「・・・・・・」

トリスティア
「今は、人間から魔物を作る術は失われて
 いるらしいけれど・・・」

「当時の魔導士は、人間の持つ憎しみの力を魔法
 で増幅させてあげれば、簡単に魔物を作り出す
 ことができたと記されているわ」

アイザック
「・・・ひどい」

トリスティア
「魔物は、いわば憎しみの結晶」

「憎しみの対象である人間が完全に消滅するまで
 戦うことをやめないわ」

「逆に、倒すべき人間がいなくなったとき・・」

「魔物も消滅するのだそうよ」

アイザック
「!?」

「じゃあ、黄昏の歌姫がルーンドルフの人たちを
 見逃しているのは・・・」

トリスティア
「そうね、おそらく・・・」

アイザック
「!?」

レオナルド
「・・・・・・」

「アイザック・・・」

アイザック
「レオナルドさん!
 無事だったんですね!?」

トリスティア
「・・・アイザック!
 何か様子がヘンだわ!」

レオナルド
「・・・魔物の子とさげすまれ、人間に失望した
 俺が、どうして人間を守る・・・賢者などに」

「・・・俺は、人間を憎んでいるのではないか。
 人間を滅ぼしたいと、黄昏の歌姫以上に願って
 きたのではないか」

「・・・いや、違う!」

「人間は・・・人間は・・・」

「ぐっ・・・」

「頭が・・・」

「ぐわあああああああああっっっっ!!!」

アイザック
「レオナルドさん!
 しっかりして!」

「レオナルドさん!」

トリスティア
「アイザック、危ない!」


- 新月の道化師との戦闘 -


レオナルド
「・・・アイザック
 本当に君は強い。いや、強くなった・・・」

「何が君をそこまで強くさせるのか。
 俺には何が足りていないのか・・・」

「正直少々・・・嫉妬してしまう・・よ」

アイザック
「レオナルドさん!」

「僕はそんなに強くなんてないよ」

「トリスティアが、レオナルドさんが、父さんと
 母さんが、賢者のみんなやおやかたが。
 そして師匠が・・・」

「僕を支えてくれる。
 だから僕は何度やられたって立ち上がれる」

「ただ、それだけのことなんだ」

レオナルド
「・・・そうか。
 アイザックはひとりぼっちじゃないんだな」

アイザック
「うん」

レオナルド
「・・・安心した」

「すまない、アイザック。
 君のことを、ずっと試していた」

「賢者は、その使命を全うする時、新たな世界の
 担い手に「最後のルーン」を手渡すのだよ」

「数千年の時を経て、神から受け継がれた
 最後の魔法・・・・」

「ロストマジック」

アイザック
「ロスト・・・マジック?」

レオナルド
「さあ、受け取るんだ。闇のロストマジック!」

「君はこの力を受け取るのにふさわしい!」

「行こう、アイザック。
 最後の杖を持つ賢者よ!」

「君の父さんを迎えに。
 そして、新しい世界を切り拓くために!」

アイザック
「うん!」


- ルーンドルフ -


アイザック
「・・・光の壁があるよ」

レオナルド
「大丈夫。闇のロストマジックの力を手に入れた
 君には、光の結界は通用しないよ」

アイザック
「本当に?」

「うわっ!!!」

「・・・神殿への道が、開けた?」

レオナルド
「どうやら、奥へといざなっているようだな」

トリスティア
「行きましょう、アイザック!
お父さんを!そして、黄昏の歌姫を・・・」

「黄昏の歌姫を・・」

アイザック
「うん。約束するよ。
 僕は・・・必ず・・・黄昏の歌姫を」


  →たおしてみせる!
   とめてみせる!


アイザック
「僕は、黄昏の歌姫をたおしてみせる!
 師匠の仇をうつんだ!」

トリスティア
「うん。そうだね。
 きっと、あなたの師匠も・・そう願ってるね」

アイザック
「トリスティア・・・?」


- 天穹の神殿 奥地-


白夜の法皇
「よく来たな・・・
 アイザック」

アイザック
「父さん・・・」

「僕は、父さんとは・・・
 戦えないよ」

白夜の法皇
「ふん、甘いことを!」

「おまえはここまで来た。
 それは一体、何のためだ?」

アイザック
「それは・・・」


  →母さんと約束したから
   最後の希望を託されたから


アイザック
「僕は、父さんを助けたい。
 そう、母さんと約束したから」

白夜の法皇
「・・・この期におよんで、
 なおも家族のことなどを語るか?」

「人間が安穏と暮らせる世界はもうないのだ。
 強くならねば、生きてはいけない」

アイザック
「父さんは・・・わかってない!
 人間はそんなに強くないんだ」

「誰かに助けてもらわなければ、自分の正義も
 貫けない、弱い存在なんだ」

「だから・・・」

「だから!
 僕には父さんと母さんが必要なんだよ!」

白夜の法皇
「・・・・・」

「よかろう。おまえのその決意、その魔法に訊ね
 てみることとしよう!」

「来い!」


- 白夜の法皇と戦闘 -


白夜の法皇
「強くなったな・・・アイザック
 本当に強くなった」

アイザック
「父さん!!!」

白夜の法皇
「まだ・・私を・・父さんと、呼んでくれるか」

「おまえは本当に、優しい子だ。
 母さんに、似たのだな・・・」

アイザック
「父さん、しっかりしてよ、父さん!
 母さんが、まってるんだから!」

白夜の法皇
「すまなかった。
 私は、おまえを試していたのだ」

「おまえが、本当に光の杖を継承できるに値する
 かどうかを、試したのだ」

「そのために、おまえや母さんにつらい思いをさ
 せてしまった。本当にすまないと思っている」

「光の力と光のロストマジックを手に入れたとき
 おまえは光の賢者としての力を全て継承する
 こととなるのだ」

「受け取ってくれ。
 賢者たちが守り伝えた、光の・・・
 ロストマジック」

アイザック
「僕が、光の・・・賢者に?」


・・・・茶番はそろそろ終わりにしましょう
白夜の法皇


黄昏の歌姫
「あなたが私の支配をはねのけていたことには気
 付いていましたよ。さすがは賢者たちの長」

「あなたがルーンドルフの人間どもを守ろうと苦
 しみ悶える姿、本当に見物でした」

「しかしそれも・・・
 いささか飽きましたね」

「そろそろ最終楽章とまいりましょうか」

「光の賢者など、生まれさせてなるものですか。
 あなたたち親子には・・・
 この場で消えてもらいます」

トリスティア
「姉さん!
 もうやめて!!!」

「もう、これ以上・・・哀しみを増やさないで」

アイザック
「トリスティア?
 ・・・トリスティアの、姉さん?」

トリスティア
「黄昏の歌姫は、私の実の姉よ
 美しくて優しくて賢い・・・」

「私の自慢の姉さんよ!」

黄昏の歌姫
「愚かな妹よ、まだ理解できないものか?
 人間など、守るべき価値もないものだと」

「おまえは、最後には理解できると信じて生かして
 おいてやったのに。
 どうして命を粗末にするのだ?」

トリスティア
「姉さんが、人間を滅ぼして新しい世界を創ると
 いうのならば・・・」

「私は人間として、姉さんの手にかかりたいと
 思います」

黄昏の歌姫
「ふ・・・そうか」

「おまえも所詮、頭の堅い賢者の一人と
 いうわけだな・・・」

「では・・・そこの親子と共に始末してやろう」

白夜の法皇
「ここは逃げろ、アイザック!」

アイザック
「父さん!?」

白夜の法皇
「今、黄昏の歌姫に勝つことはできない!」

「全ての賢者に会って、6つのロストマジックを
 集めるんだ!」

「早く行け、アイザック!」

アイザック
「う、うん!」


- 天穹の神殿 奥地より逃げるアイザック -


アイザック
「!?」

トリスティア
「まちぶせされてるわ!」

アイザック
「黄昏の歌姫は・・・本気だ!」

レオナルド
「突破するんだ、アイザック!
 全部の魔物にかまっていてもしかたがない!」

アイザック
「うん、わかった!」


- 戦闘しながら逃げるアイザック達 -


レオナルド
「くそっ、
 いったいどれだけ魔物をそろえているんだ?」

トリスティア
「姉さん・・・
 もう、やめて・・・」

「もう、やめて・・・」

レオナルド
「・・・トリスティア
 黄昏の歌姫、いや、セネカは・・・」

「孤独の中でひとり、苦しんでいるんだ。
 闇の中から君の助けを求めている。君が強くな
 らなくては、彼女を助けることはできない」

トリスティア
「・・・・・」

レオナルド
「風の力は全てのよどみを解き放つ解放の力」

「その軽やかな力で・・・
 セネカの心の闇を払うのだ、風招の巫女よ」

トリスティア
「はい・・・」

アイザック
「安心してよ、トリスティア。
 僕がかならず、君のお姉さんを助けてみせる」

「約束するよ」

トリスティア
「アイザック・・・」

アイザック
「さあ、急ごう!」

トリスティア
「私、いつの間にか、アイザックに頼ってばかり
 いたのかもしれない」

「強くならなくちゃ。
 アイザックに負けてられないものね・・」

「強く・・・ならなくちゃ」


- 戦闘しながら逃げるアイザック達 -


トリスティア
「ふう・・・
 ここまで来れば、きっと安心だわ」

「このあたりに身を隠して、白夜の法皇様を
 待ちましょう」

黄昏の歌姫
「どこへ行こうというのトリスティア?」

「せっかく姉さんが、あなたを消し去ってあげよ
 うとしているのに・・・」

「逃げられるわけがないのよ、あなたは・・・」

「だってあなたは・・・私の目なのだから」

トリスティア
「私が・・・姉さんの・・・目?」

黄昏の歌姫
「ふふ・・・風の杖をいただいた時、
 あなたに魔法をかけさせてもらったのよ」

「あなたの目で見えるものは、すべて私の目でも
 見ることができるという、特別な魔法をね」

トリスティア
「じゃあ、まさか・・・」

黄昏の歌姫
「そう。あなたのおかげで、アイザックを
 常に監視することができた」

「こそこそ隠れまわっていた新月の道化師が
 どこにいるかも知ることができた」

「そして、あなたが森の老魔導士に出会ってくれ
 たおかげで、手間もなくあのおいぼれを消すこ
 とができた」

トリスティア
「・・・・そんな」

「じゃあ、私のせいで、
 アイザックの師匠は・・・?」

「そんな・・・」

「ワタシ・・・ノ・・・セイ」

「ミンナ、ワタシノ・・・セイ・・・」

アイザック
「トリスティア!!!」

「ダメだ!耳を貸すな!」

黄昏の歌姫
「どうする、光の杖の継承者よ?」

「トリスティアの心は支配させてもらった。
 私が舌をかめといえば、彼女はすぐにでも
 そうするだろう」

「光の杖を差し出すのだ。
 そうすれば、トリスティアは返してやろう」

「どうしても杖を差し出せないというのなら」

「トリスティアの命はない」

アイザック
「くっ!」

レオナルド
「黄昏の歌姫!あなたはどこまで!
 どこまで堕してしまったのか!?」

「どうする、アイザック!?」

「杖を渡してしまったら・・・もう黄昏の歌姫に
 打ち勝つことは不可能だ」

アイザック
「しかし、杖を守ろうとすれば・・・」

レオナルド
「決断・・・しなくてはならないな」


   杖を渡す
  →杖を渡さない


アイザック
「杖は渡さない!
 これが最後の、最後の希望だから!」

レオナルド
「・・・アイザック、本当にいいんだな?」


  →はい
   いいえ


黄昏の歌姫
「なるほど・・・」

「あくまでその杖で、私と勝負しようと
 いうのですね。
 もっとも神に近い位置にいる、この私に」

「くははははっ、おもしろい!」

トリスティア
「・・・・・・」

黄昏の歌姫
「では、わき役にはご退場ねがうことと
 いたしましょうか」

アイザック
「・・・・」

「ト・・・トリス・・・」

「ト・・・
 トリスティア!?」

黄昏の歌姫
「なんですか、その顔は?
 ・・・あなたが選んだ道でしょう?」

「あなたは、あなたの正義を守るために力を
 選んだのです。その決断はあなたの正義」

「全ての人間を救うために、たったひとりの
 犠牲をなぜなげくのです?」

アイザック
「トリス・・・ティア?
 と・・・」

黄昏の歌姫
「ふはは、ひゃは、ふひゃははは!」

「あんたの師匠は、力を求めるなと教えたんじゃ
 なかったのかい?」

「口ばかりで、結局自分のことだけがかわいいの
 さ。人間なんて、なぁ!」

レオナルド
「いかんアイザック!
 耳を貸すな!」

「心のすきまを突かれるな!
 それが黄昏の歌姫が心をしばるための
 手段・・・」

黄昏の歌姫
「うるさいハエだね!
 あんたもさっさと退場しないよ!」

アイザック
「僕が、トリスティアを・・・・」

黄昏の歌姫
「そうさ。あんたの決断がトリスティアの
 命を絶った」

アイザック
「僕が・・・」

「あ、あ、あ・・・」


最終幕へ

▲トップページへ