京都競馬場 †
【京都3200m】 †
天皇賞春の専用コース。菊花賞が行われる京都3000mとほぼ同じ設定で、わずかにスタートしてから第1コーナーまでの直線が200m長いという違いだけである。スタートしてから第1コーナーまでの距離は417mと長く、しかも緩やかな上りになっているため、無謀な先行争いはほとんどない。
1週目は、ゆっくりと3コーナーのを頂上とする坂を上って下りる。そして、スタンド前では馬を落ち着かせて、折り合いをつけることに専念する。もしスタンド前直線のペースが速くなった場合は、向こう正面が遅くなり、スタンド前直線のペースが遅くなった場合は、向こう正面が速くなる。ペース配分が重要になってくるため、騎手の腕の差が如実に表れるコースである。
道中のどこかで一旦息を入れることになるため、坂を下りながらのラストの800mのラップは速く、上がりの競馬になりやすい。それでも実質的には3200mを走るのであり、やはりスタミナがないと勝ち切ることはできない。瞬発力とスタミナの両方を兼ね備えていないと苦しい。紛れの非常に少なく、実力が反映されやすいコースである。
【京都3000m】 †
3000mを完走するには、3コーナーの丘を2度越えなければならない。3〜4コーナーの中間点にかけて急激な丘の下り坂になっていて、ここでスピードが乗りやすい。馬が行く気になってしまわないようにゆっくりと坂を下るのが、このコースの最初のポイントとなる。
その後、スタンド前を走ることになるため、ここでも馬がエキサイトして引っ掛かってしまうことがある。馬の行く気を削ぎ、スタンドの大歓声から馬を守るためには、他馬を前か横に置くことができれば理想的である。平成9年のマチカネフクキタルは内枠を利して、馬群に馬を閉じ込めることによって、最後の直線まで末脚を温存することに成功した。
このコースを逃げ切った馬は平成9年まで1頭もいなかったように、逃げ馬にとっては非常に厳しいコースである。その常識を破ったのがビッグシンボルという馬で、万葉Sでアッと驚く逃げ切りを成し遂げた。まずは前半の下り坂を利用して他馬を引き離す。ここでひとり旅の状態を作り上げ、飛ばしすぎというイメージを植えつける。そこで、すかさずペースを極端に落とし、息を入れる。ここでスタミナを回復する。そして、3コーナーを回ってから、再び下り坂を使ってラストスパートをかけるという戦法である。その後、この戦法で菊花賞を優勝したのが平成10年のセイウンスカイで、下のラップを見てもらえば、前半を非常に速いペースで飛ばし、道中のペースはガクッと落ち着き、上がりは速いことが分かる。
平成10年 菊花賞ラップ セイウンスカイ 13.3-11.5-11.7-11.7-11.4-12.1-13.1-13.5-12.7-12.9-12.3-11.9-11.6-11.5-12.0
強い逃げ馬ならば、この勝ちパターンで勝てることが証明されたのだ。
ただし、基本的には前半折り合いをつけながらゆっくり行き、残り4ハロンからの瞬発力勝負になるレースがほとんどである。つまり、折り合いさえついてしまえば、中距離馬で瞬発力があれば十分に対応できることになる。
もちろん、前半のラップが遅いとはいっても、実質上3000mを走るわけであって、スタミナそして底力の裏付けがないことには勝ち切ることはできない。3コーナーからの勝負所で、バテて下がってきた馬を捌くのに苦労することもあるが、それ以外はコースも広々としているので、各馬が力を出し切れるフェアなコース設定である。
【京都2200m】 †
スタンド前からの発走となり、最初のコーナーまでの距離は397mと短くも長くもない。枠順による差もほとんどなく、1コーナーまでには各馬の位置取りがスムーズに決まることが多い。コーナーを2つ回って、向こう正面にかけて比較的穏やかにレースが進む。レースが動き出すのは3コーナーの下り坂から。そのため、前半が遅く後半が速いという後傾レースになりがちである。折り合いの難しい馬(スローペースで我慢が利かない馬)、瞬発力に欠ける馬にとっては、勝ち切ることが難しいコースである。
外回りコースでは、4コーナーの出口で内回りコースと合流するため内柵がなくなり、内にポッカリとスペースができる。そのため、内埒沿いを走っていても前が詰まることが少なく、脚さえ残っていれば確実に馬群を割ることができる。よって、脚を余して負けるということが極めて少ない、実力が正直に反映されるコース設定となっている。
【京都2000m】 †
京都の芝で2000mのレースを行うには、内回りを使用せざるを得ない。なぜなら、外回りを使ってしまうと、スタートから1コーナーまでの距離が極端に短くなってしまうからだ。京都競馬場は基本的には紛れの少ないコースであるが、内回りのコースに限っては紛れの要素が多く、強い馬が勝つとは限らないコースである。
スタンド前の直線の半ばからスタートして、1コーナーまでの距離が最長のAコースでも308.7mとなる。スタートしてから1コーナー、そして1コーナーから2コーナーまでの距離が短いことによって、フルゲートにもなると先行ポジション争いは自然と激しくなる。2コーナーまで厳しい先行争いは続き、向こう正面の坂でレースは一旦落ち着く。
3コーナーから下りが続くこと、直線が平坦なことによって、ラスト800mの時計は驚くほど速く、前に行っている馬は簡単には止まらない。そして、直線が短いことを含めて、騎手に先行馬有利という意識が強く働くため、3コーナーからすでに各馬の動きが激しくなる。そのため、3コーナーからの各馬の動きが展開を大きく左右することになる。後続の仕掛けどころが遅れると、前がそのまま残ってしまうし、後続が早く仕掛けすぎると前崩れが起きるという現象が起こる。
さらに、勝負所である3コーナー入口と4コーナーが狭くなっているため、馬が密集しやすい。この地点で不利を被ってしまった馬は、余程力が抜けていない限り挽回することは難しい。
つまり、1コーナーまでの先行争い、そして3コーナーからの仕掛けどころ、という2点において、レース自体の展開におけるアップダウン(緩急)が非常に激しくなってしまうコース設定になっている。
そのため、強い馬が力を発揮することなくレースが終わってしまうような展開になることも少なくない。
また、レースに行ってからの各馬の動き方がレースの展開に大きな影響を与えるため、レース前にどのような展開になるのかも予測しづらい。そのレースごとに極端なハイペースになったり、極端なスローペースになったりするのである。騎乗するジョッキーだけではなく、予想をする私たちにとっても、非常に難解なコースと言える。
【京都1600m】 †
向こう正面の直線を2コーナー側に延長したポケットからのスタート。第1コーナーとなる3コーナーまでの距離は711mと長く、逃げ馬が気分よく行ってしまうとオーバーペースになりやすい。しかし、3コーナー過ぎてからは下り坂となるため、多少のハイペースで行ったとしても、前もなかなか止まらない。結果として、平均ペースのレースになりがちで、実力どおりの決着となることが多い。力さえあれば、展開にはあまり左右されることのないコースといえる。
京都の1600mコースには内回りと外回りがあり、G1であるマイルチャンピオンシップは外回りを使って行われる。外回りコースは、4コーナーで内回りコースと合流するため、内にポッカリとスペースが開きやすい。そのため、直線で前が詰まる心配がほとんどなく、差し馬にとっては安心して乗れるコースである。
第1コーナーまでの距離が長いため、枠順による有利・不利はほとんどない。あるとすれば、最初の直線において、ポケットの直線から本線に入る際、わずかに内の馬が窮屈になることぐらいか。とはいえ、1番枠でない限り、ほとんど気にする必要はないだろう。
参考「ガラスの競馬場」 http://www.glassracetrack.com/blog/
