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「背伸びをした女の子」読みました。

2007年04月01日 読書
インターネット界でじわじわと評価を上げ、売り上げを伸ばしている小説「背伸びをした女の子」。
もともとは、ティーン向けの小説だったそうですが、なぜかインターネット層を中心にサラリーマンや主婦からの人気が高まっている本です。
とても気になったので、自分も「背伸びをした女の子」を読んでみました。

主人公は小学4年生の女の子。
4年4組になった主人公の女の子の、ちょっと背伸びをした出来事が綴られていきます。

気になる男の子にイタズラをしてみたり…
カワイイ服を着てみたり…
お化粧してみたり…
一人でレストランに入ってみたり…

よくある少女の”背伸び”で、大人が読むにはちょっと甘酸っぱくて、そして懐かしい思い出に浸れます。

ある時、おじいちゃんが久しぶりに家にやってくるということで、女の子はとても楽しみにしていました。
ただ待っているだけでもつまらないので、どんな方法でおじいちゃんに会うかを考え始めました。

プレゼントを用意してみようかな…
お気に入りの服を着ておめかししてみようかな…
いきなり抱きついてみようかな…

いろいろと考え、「いないフリをしていて、突然飛び出して驚かそう!」という出会い方に決めました。
おじいちゃんに早く会いたくて、おじいちゃんに会うのが楽しみで、これが一番最善の出会い方だと思ったのです。

ですが、この後に悲劇が待っていました。

家にやってきたおじいちゃんの後ろから、「ワッ!」と大声を出して驚かしたら、そのままおじいちゃんは倒れてしまったのです。
意識不明のまま救急車で運ばれていくおじいちゃんを見ながら呆然とする女の子。

最善の出会い方のつもりが、最悪の出会い方になってしまいました。

お医者さんの話によると、「持って明日まで」ということでした。

女の子は、おじいちゃんが寝ているベッドまで行くと、
「ねぇ、おじいちゃん!ウソだよね?ちょっと寝てるだけだよね?また、起きて私と遊んでくれるんだよね!?」
とおじいちゃんに向かって叫びました。
しかし、おじいちゃんの返答はありません。
病室の静寂に女の子の声が響いただけでした。

「なんで?なんで?!起きてよ!起きてよ、おじいちゃん!」
静かにしなさい、と母親が止めるのも聞かずに女の子は泣き叫びました。

その時です。
眠っていたおじいちゃんの目がゆっくりと開き、消え入りそうな声で、だけれども芯のしっかりした声でこう言ったのです。

「ヨシミよ…お前は背伸びなんかしなくたって、立派な女の子なんだよ。ヨシミはヨシミらしく生きていきなさい…」

そう言って、おじいちゃんは息を引き取りました。

実は、おじいちゃんはもう末期のガンで、孫の最後の姿を見るために、家にやってきたのでした。
そして、ヨシミという名前は「好己」と書き、「自分のことを好きになりなさい」という想いを込めて、おじいちゃんが名付けた名前だったのでした。


この「背伸びをした女の子」を読んで、最後はボロボロと涙を流しながらずっと読んでいました。

”背伸び”をして、甘酸っぱい経験をした小さい頃の思い出…
”背伸び”ばかりしていないで、もっとしっかりと自分を持ちなさいというメッセージ…。

小学校4年生の少女の本でありながら、大人になった自分にもドキッとさせられ、考えさせられる本でした。
”背伸び”ばかりしている人には、ぜひともオススメしたい一冊です。
「背伸びをした女の子」は、これからもっともっと売れるだろうと思いました。


最後に、今はもう大人になった「好己」さんの公式サイトを紹介しておきます。
この時のことのインタビューやメッセージなどが載っています。

「背伸びをした女の子」公式サイト