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三択老師?本物のサンタクロース?
むかしむかし、そのまた昔のそのまた昔…。
時間で言ってしまうなら、今からぶっちゃけ3時間くらい前のこと。
一人の少年(17歳くらい)が歩いていました。
すると、そこに赤い服を着たおじさんが現れました。
「わしは、三択老師」
「お主が落としたのは、どのオノじゃ?」
と、少年に聞いてきました。
時間で言ってしまうなら、今からぶっちゃけ3時間くらい前のこと。
一人の少年(17歳くらい)が歩いていました。
すると、そこに赤い服を着たおじさんが現れました。
「わしは、三択老師」
「お主が落としたのは、どのオノじゃ?」
と、少年に聞いてきました。
「…」
友達から、通称「健二君」と呼ばれるその少年は、三択老師の問いに答えませんでした。
すると、
「早く答えんか?お主が落としたのはどのオノじゃ?」
「1.金色に輝くこの豪華な金のオノか?
2.それとも、銀色に輝くこの銀のオノか?
3.それとも、この汚らしい使い古したオノか?」
と。
なぜか、質問に対する答えが三択になっていました。
「…」
それでも、健二君は答えようとしませんでした。
「早く答えんかい!」
三択老師に急かされ、ようやく健二君は重い口を開きました。
「っていうか、俺、オノとか持ってないし。」
「道ばたでオノ落とすなんて、ありえなくない?」
「そんな赤い服来て、オノ持ってるあんたが一番怪しいよ」
「赤い服来て、大きな白い袋持ち歩いてるならまだしも」
「赤い服来て、オノ三本持ってるおっさんって怪しくね?」
「ちょっと、その金のオノ見せてみろよ!」
「どうせ金のメッキで出来てるんじゃないの?」
健二君は、三択老師から金のオノを無理矢理奪い取りました。
ベトッ。
「うわっ!手に思いっきり付いてるし!」
「金メッキかと思ったら、これ金色に塗ってあるだけじゃねえかよ!」
「きったねー。せめて乾かしてから持ってこいよ!」
三択老師は口を尖らせて、こう言いました。
「いや、お主が帰ってくるのが予想よりも早かったから…」
「時間足りなくて、つい…」
「つい…じゃねぇよ。全く。」
「何でオノ触って、手汚さなくちゃいけないんだよ」
健二君は怒っています。
そりゃあそうです。
普段はベンチに座る時でさえ、ペンキ塗り立てかどうかいちいちチェックして座る健二君ですから。
三択老師はボソッとつぶやきました。
「Oh…No…」
この一言に、健二君は更にキレます。
「オーノーじゃねえよ!」
「…って、あんた、どこ見てんだよ!」
三択老師は遠い目をしながら隣の家を眺めています。
「そこ、大野さんちだから!」
「お隣の大野さんちだから!」
「確かに普段お世話になってるし、大野先輩の妹の真由美ちゃんも最近かわいくなってきたけど…」
「って、そんなこと関係ないから!」
健二君は怒っているせいか、お隣の大野さんのとこの来年高校生になる真由美ちゃんのことまで口走ってしまったようです。
三択老師は言いました。
「あんた苦労するよ」
健二君はさらにキレました!
「さっきまで”お主”とか言ってたくせに、何急に”あんた”に変わってんだよ!」
「あんたみたいな父親を持ったら誰だって苦労するよ…」
そうです。
この自称三択老師は、実は健二君の父親だったのです。
「全くこんな赤い服まで着て…」
「白い付けひげは半分取れかかってるし…」
「よく見ると、下の方とか金色に染まってるし…」
「あんた、イイ歳して何やってんだよ」
「いや、息子のことを思ったら、つい」
「午後休暇取って、急いで用意しとったんじゃが…」
「もう少しお前がゆっくり帰ってきてくれれば、万全じゃったんだが…」
「いやいや、オノで三択って時点でもうダメだから」
「サンタとオノって全然関連性無いから」
「プレゼントだったら、入手困難なPSPとかプレゼントしてくれよ」
「あっ、間違えてニンテンドーDS買ってくるなよ」
三択老師は答えました。
「あぁ。ゲームギアを買ってきて、息子に殴られたってニュースもあったからな…」
健二君は、あきれています。
「ゲームギアを知ってる時点でマニアック親父だな…」
「それに、そんな機種知ってるヤツはゲームギアとPSP間違えないよ!」
「そもそも、それ、嘘のニュースだから。」
健二君のこの発言に三択老師(自称)は驚きました!
「それはホントなのかい?」
と自分で言った後、さらに三択老師(ボケ親父)は驚いています。
そして、空を見上げています。
「まだ来ないのか?ワシの…ワシの…」
健二君はあきれてこう言いました。
「いくら待ったって、トナカイは来ないから」
「”ホントなのかい?”って、自分で言って”トナカイ”の存在に気付いたって遅いから」
「ソリ引きながら空飛んでくるわけ無いから」
三択老師(ダメ親父)は寂しくこう言いました。
「ソーリー…」
「わしはお前のサンタになりたかったよ…」
「たくさんプレゼントしたかったよ…」
「はいはい。わかったから。」
「もう家入るよ。」
「どうせ、あわてて家飛び出して、この道に出てきただけだろ」
「こんな姿誰かに見られたら、恥ずかしくてやってられないから」
三択老師(健二君のお父さん)は健二君のために、会社を半休し、健二君にプレゼントしようと考えていました。
しかし、それも叶わなかったようです。
自分の情けない父親を自宅へと入れ、健二君は二つのことを考えていました。
一つは、こんな父親を持ってしまった自分を哀れに思ってしまったこと。
そしてもう一つは、そんな父親でも自分の父親であることに変わりは無いということ。
普段会社で働いている父親と、家の家事、特に洗濯苦労している母親に、三泊四日の温泉旅行でもプレゼントしてあげようかと考えていました。
子供から親にクリスマスプレゼントをプレゼントしたって、罰は当たらないだろう…と。
そんな親孝行息子だったのです。
健二君は。
健二君が玄関のドアを閉める時、チラッと横の方を見ると一人の少女と目が合いました。
隣の家の大野真由美ちゃんです。
どうやら、窓から覗かれていたようです。
健二君は恥ずかしくなって、家へと入って行きました。
おしまい。
(この物語はフィクションです。)
子供から親へクリスマスプレゼント。
たまにはそういうプレゼントも素敵かもしれません。
今年はあなたが本物のサンタさんになれますように。
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