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今年読んだ本2004

2004年12月31日 読書
今年もいよいよ最終日となりました。
そこで今日は、今年読んだ本をまとめてみようと思います。

今まで24年間生きてきて、実は数えるほどの本しか読んだことはありませんでした。
なぜ読まなかったのかと言われれば、
 ・どの本を読んだら良いのかわからない
 ・読むのが面倒くさい
ぐらいだったと思います。
大した理由もなく、「本を読む」という習慣がなかったため、全然読んでいませんでした。
今まで読んだ本の中で覚えている作品と言えば、
 ・中学生の時、読書感想文で読んだ夏の庭―The Friends
 ・星新一さんのショートショートセレクション
くらいですから、いかに読んでいなかったかがわかると思います。

ところが、ある本に出会ってから、今年一年だけで今まで読んだ本以上の本を読むことになりました。
以下、今年読んだ本の一覧です。(専門書、コンピュータ関係、資格関係、コミックなどの本は省いてあります)
本のタイトル 個人的な評価
月の影 影の海〈上〉 十二国記 ☆☆☆☆☆
月の影 影の海〈下〉 十二国記
風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記
風の海 迷宮の岸(下) 十二国記
東の海神 西の滄海 十二国記
風の万里 黎明の空〈上〉 十二国記
風の万里 黎明の空(下) 十二国記
図南の翼 十二国記
黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉 十二国記
黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉 十二国記
華胥の幽夢(ゆめ) 十二国記
蹴りたい背中 ☆☆☆☆☆
インストール ☆☆☆☆☆
蛇にピアス☆☆☆
解夏(げげ)☆☆☆
世界の中心で、愛をさけぶ☆☆
バカの壁 ☆☆
キノの旅―The beautiful world ☆☆☆
キノの旅〈2〉the Beautiful World
キノの旅〈3〉the Beautiful World
悪魔のミカタ―魔法カメラ ☆☆
悪魔のミカタ〈2〉インヴィジブルエア
悪夢の棲む家 (上) ☆☆☆
悪夢の棲む家 (下)
東亰異聞 途中で断念
黒祠の島☆☆☆
屍鬼〈上〉 読み途中
屍鬼〈下〉
稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方 ☆☆☆
堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方
100億稼ぐ仕事術
一冊の手帳で夢は必ずかなう-なりたい自分になるシンプルな方法☆☆☆☆


今年、本を読むきっかけとなったのは…
上の表を見てもわかる通り、一番数の多い十二国記シリーズです。

初めて、十二国記と出会ったのは、テレビで放映されていた「月の影 影の海」の総集編版です。(2003年の話)
たまたまテレビを付けたら、開始から少し経ったくらいのところで、このアニメがやっていたので少し見てみることにしました。
ところが、見れば見るほど、謎は深まるばかり。
突然襲われたり、浅野君がいなくなったり、猿はケラケラ笑うわで…。
しかも総集編だということを知らずに見ていたので、話はとびとびになっていて、辛いことばかり起きてしまって…。
なぜ陽子がこちらの世界に来たのかも、最初見ていないのでわからないし…。
気付けば、最後まで見てしまっていました。(二時間くらい)

結局、陽子が何者かも全然わからない状態で終わってしまって、番組の最後に制作者が出てきました。
 アニメ版では、こちらの世界に来る人を原作より二人増やしたのが良かったですね。
 この後、陽子は王となって、また頑張っているんですよ。

とのコメントが。
全然何を言っているのかわかりませんでした。

その時はそれで放っておきましたが、数ヶ月経ってから、また十二国記という響きを聞くことがありました。
しかも、十二国記が流行っているらしいという情報付きで。

そこで、十二国記の小説を読み始めたのが、今年本を読むことになったきっかけです。


月の影 影の海〈上〉 十二国記は、一番最初に読んだ本です。
数ヶ月前に、アニメ版で気になっていた部分が明かされるのかと思ったら…
余計わけがわからなくなりました。
しかも、今までほとんど小説を読んだことがない自分にとっては、難しい漢字もたくさんあり、内容も読んでいて主人公陽子が辛いところばかりで、読むのに苦労しました。

月の影 影の海〈下〉 十二国記は、下巻に入り、今までの謎が一気に解けていきました。
楽俊はいい人(ネズミ)だし、なぜこの世界に来たのかも徐々にわかりかけてきて…
 何、何?!
と思いながら、一気に読み進めていくと、全てが明かされ、すぐに終了。
下巻でこれほど面白くなるとは思っていなくて、ビックリしました。
小説がこんなに面白いと思ったのも初めてでした。
こうして、小説の面白さに気付いてしまったのが2004年の初めです。

風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記風の海 迷宮の岸(下) 十二国記東の海神 西の滄海 十二国記は、月の影 影の海が楽しかったので、続きも読むことに。
十二国記の世界がどんどんわかるのが良い感じでしたが、もう月の影 影の海の主人公陽子は出てこないのかと思って、ちょっとだけ残念に思ったりもしました。

風の万里 黎明の空〈上〉 十二国記は、もう出てこないと思っていた陽子が再び出てきました。
しかも、他に主役級が二人いて、三人の場面が順々に移り変わっていきます。
話の流れを理解するのに苦労しつつ、陽子と、文句ばかり言っている鈴と祥瓊の話を読んでいきました。

風の万里 黎明の空(下) 十二国記は、文句ばかり言っていた鈴と祥瓊が、急激に変わっていきました。
身分を隠していた二人が、水戸黄門のように、身分を明かしたシーンは最高でした。
十二国記の中で一番好きな本です。

図南の翼 十二国記黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉 十二国記黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉 十二国記華胥の幽夢(ゆめ) 十二国記は、十二国記シリーズを全部制覇しようと思って全て読みました。(番外編魔性の子はまだ読んでいませんが)
風の万里 黎明の空に勝る内容のものはありませんでしたが、どれも楽しめる内容でした。

最初は、電車の中で時間を潰すために読んでいたはずが、駅に着いてからも本の内容が気になって仕事が手に付かなかったり、家に帰ってきてから、時間もないのに寝る間も惜しんで読み続けたり…。
十二国記のおかげで本を読む楽しさを教えてもらいました。

ならば、と。
 他にも楽しい本はいっぱいあるのでは?
と思い、いろいろ本を読むことにしました。


最初に読んだのは、蹴りたい背中です。
以前からインストールという作品の題名だけは知っていたので、芥川賞を取った綿矢りささんの蹴りたい背中を読んでみました。

蹴りたい背中は、小説にはこういう書き方もありなんだと感じさせられた作品です。
プリントをちぎってしまう主人公ハツの気持ちも、オタクのにな川の気持ちも共感できて、
 蹴りたい背中って、こういう意味で使ってたんだ!
と驚きもしました。
読む前は、何かの比喩だとばかり思っていました。
「葉緑体?オオカナダモ?ハッ?っていうこのスタンス」がとても良かった作品です。大好きです。

インストールは、蹴りたい背中が楽しかったので、読むことにしました。
蹴りたい背中よりもまだ文章に幼さが残っていますが、こっちもこっちで楽しめました。

蛇にピアスは、もう一つの芥川賞ということで読んでみました。
読んだ感想は
 気持ち悪い…
読んだ後に、これほど、なんて言うか気持ち悪さが残る作品も珍しいような気がしました。
楽しさ、悲しさとも違う気持ち悪さ…。
読み終わった後に爽快感は残りませんでした。

解夏(げげ)は、さだまさしさんの作品ということで読んでみることに。
解夏以外にも三作品収録されていて、そのどれもが考えさせられるところのある内容でした。
ただ、淡々と物語が進んでいって、十二国記を書いている小野不由美さんのような文章の深さみたいなものはあまりありませんでした。
ほとんど本を読んだことがなかった人間が、いきなり十二国記を10冊以上読んでからスタートしているので、基準が全て十二国記になってしまうのがちょっと欠点でもあると感じました。

世界の中心で、愛をさけぶは、世間で有名になる前から知っていた作品でした。
 セカチュー、セカチュー!
と、一人叫んでいたので、間違いありません。
当然この時は、「セカチュー」という呼び方をしている人は誰もいなく、普通に考えれば「せかあい」か「せかさけ」だろうけど、「セカチュー」の方が「ピカチュウ」に似ててイイじゃん。などと思っていたら…
一年以上経ってから、「セカチュー」が一般的になってしまいました。柴咲コウさんのコメントと共に…。
そこで、「自分以外にも変なネーミングセンスを持った人がいるんだなぁ」記念で、世界の中心で、愛をさけぶを読むことにしました。
初めて「セカチュー」を知ってからもう一年以上経っていて、期待度だけは抜群!だったのですが…
全くの期待はずれでした。
何より、主人公に共感できないのが一番の問題点でした。
この作品を読むくらいなら、解夏(げげ)夏の庭―The Friendsを読んだ方がよっぽど死について考えさせられると思います。

バカの壁は、当然タイトルに惹かれて読んでみたわけですが…
読む前は、タイトルのようなコミカルな本かと思っていたら、全然違いました。
「Y=aXのaが0になってしまうと、全く反応しなくなってしまう。それがバカの壁だ。」
みたいに書かれていて、予想とは裏腹に真面目に語っているだけでした。
「バカの壁とか言ってるヤツがバカの壁だ」とか、言いそうになってしまいました。
とか言ってるヤツが「バカの壁だ」とか言われそうです。

キノの旅―The beautiful worldキノの旅〈2〉the Beautiful Worldキノの旅〈3〉the Beautiful Worldは短編小説だということで読んでみることに。
国によっていろいろなことが起こり、短編なので気軽に読むことは出来ますが…。
「○○の国」というタイトルを見ただけで、オチがわかってしまったり(ありがちな内容)、少し読めばすぐオチがわかってしまったり…。
短編で気軽に読めるところは良いところですが、短編小説星新一さんのショートショートセレクションのような驚くような内容では無いところがちょっと残念です。

悪魔のミカタ―魔法カメラ悪魔のミカタ〈2〉インヴィジブルエアは、ある人から借りて読んでみましたが、世界観があまりにもオタク過ぎてイマイチでした。


こうやって、いろいろと十二国記以外の本を読んでみました。
最初読んだ綿矢りささんの作品は良かったのですが、その後、読むたびに十二国記には全くかなわないような気がしてきて…。
世間で話題になっている世界の中心で、愛をさけぶなどは、小野不由美さんのような驚くようなストーリーでも文章力でもなく、
 もしかして小野不由美さんがすごすぎるだけ?
という疑問がわいてきて、次は小野不由美さんの本を読んでみることにしました。
悪夢の棲む家 (上)悪夢の棲む家 (下)東亰異聞黒祠の島屍鬼〈上〉屍鬼〈下〉をまとめ買いしました。

悪夢の棲む家 (上)悪夢の棲む家 (下)は、小野不由美さんの本というだけで適当に買ってみましたが、実は今では手に入れにくい悪霊シリーズの総集編みたいなものになっていて、登場人物がいろいろ出てきますが、その元を知らないので楽しさは半減してしまいました。
内容もホラーという割にはあまり恐くなく、
 もしかして十二国記だけ特別に面白い?
という疑問がわいてきてしまいました。

東亰異聞は、世界観が理解しづらく文字も難しくて、途中まで読んで断念しました。
いつか時間のある時にでも、また読んでみたいと思っています。

黒祠の島は、よそ者を拒絶する隔絶された島に探偵風な主人公が乗り込んでいって、いろいろ聞き込みをしながら推理していく物語でした。
犯人がだれか?というよりは、
 その人とその人ってそうなってたの?
という驚きと、それを知った時に今まで起きたことが自分の頭の中でぐちゃぐちゃになってしまうところは面白かったです。
ただ、主人公は既に起こってしまったことを順に追っていくだけなので、緊迫感はあまり無かったのが残念です。

屍鬼〈上〉屍鬼〈下〉は、ついに読み始めました。
小野不由美さんの本をまとめ買いして、東亰異聞を読んでいる時に、この屍鬼をどうするか非常に悩みました。
だって、一冊で500ページ以上あり、値段も2000円以上しましたから。
しかも分厚すぎて、持ち歩いて電車の中で読もうなどという気は起きません。
時間のある時に家で読もうとしても、なかなか終わりそうもなく…。
ただ、評判は非常に良いので、是非読み終えようと思っています。
これを読み終えれば、小野不由美さんが本当にすごいのかどうかわかるような気がします。(十二国記だけでも十分すぎるほどすごいですが)


あと、小説ではありませんが、社長の本も読んでみました。

100億稼ぐ仕事術稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方は、ライブドア社長堀江さんの本です。
稼ぐが勝ちを本屋でペラペラ読んでいたら、けっこう面白かったので買うことにしました。
いきなり社長の二冊目から買うのも変な気がしたので、3冊まとめ買いしました。
内容は…どの本も三分の一くらいは毎回同じことが書かれているので、3冊読む意味はあまりありませんでした。
ただ、何事もシンプルに考えようとする堀江社長の考え方は非常に参考になります。

一冊の手帳で夢は必ずかなう-なりたい自分になるシンプルな方法は、GMO熊谷社長の本です。
手帳を探している時(fILOFAXの手帳を買う参照)に、買ってみたら実は熊谷社長の本だったという出会いでした。
堀江社長とは全く考え方の違う社長さんですが、人の良い感じが読んでいて好感度が上がります。
良い言葉がたくさん書いてあり、手帳の使い方までわかる良い本でした。



以上が今年2004年に読んだ本です。(専門書、コンピュータ関係、資格関係、コミックなどの本は省いてありますが)
一年を振り返って、自分が読んだ本をまとめてみると、いろいろ新たな発見が出来るかもしれません。

今年は、本の楽しさを教えてくれた十二国記に感謝しています。
また来年もステキな本に出会えると良いなと思っています。