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SIGMA sd Quattro H を見てきた

2016年02月25日 カメラ・写真
SIGMA sd Quattro


2月23日に発表されたシグマのミラーレス一眼「sd Quattro」。本日から開催のCP+2016に行って、実物を見てきました。これがsd Quattro Hです。
SIGMA sd Quattro


一眼レフカメラというのは、ミラーの製造技術/精度技術が必要、ミラーショックが発生してブレやすい、光学ファインダーが必要、ボディ内手振れ補正の補正量が光学ファインダーで把握できない、重くて大きくなり高価、位相差AFによる怪しいピント精度、ミラーが跳ね上がっている間は何も見えない、などの欠点のある古いシステムです(極論ですが)。これらの問題を解決しているのがミラーレス一眼カメラで、ミラーも光学ファインダーも必要ありません。そのため、カメラボディは小型化でき、ミラーショックは発生せず(シャッターショックは一部を除き発生します)、ライブビューによりボディ内手振れ補正でブレ量が把握でき、コントラストAFが利用できてピント精度も正確です(ミラーレス一眼にもまだまだ問題は多いですが)。シグマも一眼レフカメラの欠点(ミラーショックやピント精度など)を克服できなかったため、晴れて一眼レフカメラからは撤退して、ミラーレス一眼カメラへ参入してきました。今も古いシステムの一眼レフカメラを本気で続けているのは、キヤノン、ニコン、それからペンタックスくらいでしょうか(キヤノンとニコンが続けているので安心、という見方もできます)。
一眼レフとミラーレスの違い


さて、シグマが新しく作ったミラーレス一眼は、既存のシグマSAマウントである一眼レフカメラのSDシリーズから、ミラーと光学ファインダーを取っ払ったカメラです。製品は二種類あり、名前はsd Quattroとsd Quattro Hです。マウントは一眼レフ時代のSAマウントのままなので、本当にミラーと光学ファインダーを取っ払って、電子ファインダーを付けただけのカメラです。しかし、デザインは大きく変わりました。光学ファインダーが必要なくなったため、ボディ上部が膨らんでいませんし、全体的な薄型化にも成功しています。dp Quattroの異様な横長デザインは継承されず、多くの人が納得いく格好良いデザインになったのではないかと思います。
SIGMA sd Quattro


背面はこのようになっていて、右のグリップ側が短くなっていて、下が平らになっていないことがわかります。
SIGMA sd Quattro


この形状はパワーグリップを付けたときに、最適サイズになるように設計したからではないかと予測されます。
SIGMA sd Quattro


なお、sd Quattroとsd Quattro Hの差は、搭載しているイメージセンサーのサイズの差です。sd QuattroはAPS-Cサイズ(23.4×15.5mm)、sd Quattro HはAPS-Hサイズ(26.6×17.9mm)です。sd Quattro Hに搭載されているイメージセンサーは、APS-Cサイズよりも一回り大きいAPS-Hサイズになります(フルサイズのイメージセンサー36×24mmよりかはかなり小さいサイズになります)。ボディのサイズは共通で、sd Quattro HはAPS-Cサイズにクロップして撮影することも可能ということなので、もし金額が同じならばsd Quattro Hの方を選んでおけば問題ありません。実際は、何万円高いか何十万円高いかはわからないので、最終的には予算で選ぶのが良いかと思います(過去にSIGMA SD1が発売されたとき、20〜30万円台を示唆しておきながら、いざ発売されたら70万円だった、という出来事もありました)。今回のsd Quattro Hもいくらになるかは現段階では全く想像が付かないので、発表されるまではなんとも言えません。

シグマからは、マウントコンバータMC-11という、ソニーEマウントのボディにキヤノンEFマウントやシグマSAマウントのレンズを付けられる製品も発表されました。
MC-11

残念ながら、この製品はsd Quattro Hには使えないため、sd Quattro HにソニーEマウントやキヤノンEFマウントのレンズを取り付けることはできません。sd Quattro HのベースマウントがシグマSAマウントではなく、ソニーEマウントだったら、Foveonセンサーで多数のレンズが使える夢のシステムになったのに、この点は残念でした。

早くsd Quattro Hでいろいろなレンズを使って撮影された写真も見てみたいですね。