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【レビュー】ソニーα7 II買っちゃった!

2014年12月05日 カメラ・写真
ソニーα7II

ソニーα7を買ってから一年、ブログにα7のことを書いていたら、ネットでいろいろなことを言われました。「ネガキャンやめろ」「デマだ」「逆ステマだ」「マウントはたわまない」「そんなにソニーが嫌いなら使わなければいいのに」…などなど。

α7のマウントがたわむのは事実で、SONYのロゴを隠したのはデザイン上目立ちすぎるから自分なりにカスタマイズしただけです。嫌いならすぐに手放しています。待望の「誰も作らなかったカメラ」(フルサイズのミラーレス一眼)が登場したことで、それらも含めて楽しんでいたのですが、ちょっと悪い面だけが伝わってしまったようです。反省しています。

さて、α7のマウント強度についてですが、これはデマではなく事実です。先月発表されたα7II公式プレスリリースにも、「マウント部の強化」と宣伝されています。元々マウントが頑丈だったら、こんなアピールはしません。
ソニーα7II マウント部の強化

α7 II発表後、銀座ソニービルに行って、α7 IIの実機を触ってきました(その直前に品川本社のソニーフェアに行ってきたのですが、実機は置いてありませんでした)。今度のはマウントがガチガチに固くなっていることを確認できました。マウントだけでなく、ボディフロント側の強度も大きくアップしていて、全体の剛性も大きく改善していました。金属マウント採用のα7Sと比べても、α7IIの方がはるかに剛性感が高かったです。また、グリップも大幅に握りやすくなり、シャッターも押しやすい位置に変更されました。5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載したことによって重量増にはなっているものの、グリップを握ってカメラ全体を持ってみると、バランスが良くなって、むしろ軽いくらいでした。

α7 IIの実機を触ってみて、初代α7のハードウェア上の弱点がほとんどすべて改善されているように感じました。まとめると以下のような感じです。
グリップが握りにくい→グリップをデカくしました
シャッターボタンの位置悪すぎ→前に出して傾斜させました
ペンタ部のSONYのロゴが目立ちすぎ→少し落ち着いたデザインにしました
ストラップ取り付け環の位置が悪い→位置調整しました
マウントがふにゃふにゃ→金属製にしました
ボディがペラい→強度アップしました
MENUボタンとC2ボタンが押しにくすぎ→傾斜させて押しやすくしました
ファンクションボタンの数が少なめ→増やしました
高級感はあるが前ダイヤルが回しにくい→高級感のない普通のダイヤル式にしました
アイピースが固くて見づらい→柔らかくしました
AFがもっと速くなると嬉しい→30%高速化させました
起動時間遅すぎ→40%短縮させました
動画がもっと高画質に撮れると嬉しい→XAVC Sでの記録と、S-Log2ガンマを設定できるようにしました
無理だろうけど、ボディ内手振れ補正があったら良かった→世界初フルサイズ対応5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載しました

「うおー、今度こそ理想的な“誰も作らなかったカメラ”が登場した−!」

と、ついついα7 IIを予約してしまいました。ソニー銀行の口座とソニーカードを作ってしまったので、ソニーストアで。α7 IIの実機を触って、家に帰ってきてすぐ予約しました。

で、本日12月5日がα7 IIの発売日!今度は中身がオリンパスなんていう事故もなく、本物のSONY α7 II(ILCE-7M2)が届きました!
ソニーα7II

α7 II 外観レビュー

外観上の大きな変更点はここ。グリップとシャッター!シャッターの位置が悪く、小さいグリップにせざるを得なかった初代α7と違って、2代目のα7はグリップが大きく前に出ました。しかも、シャッターボタンはグリップの上に傾斜して付いていて、グリップを握ると自然に指がシャッターにかかるようになりました。
ソニーα7II


グリップの形状もよく考えられていて、薬指と小指はくぼみにフィットし、中指専用のくぼみでガッチリ握れるようになっています。また、α7で回しにくかった前ダイヤルが改善され、人差し指でも中指でもスムーズに回せるようになりました。人差し指でシャッターに手をかけながら、中指で前ダイヤルを回せるようになったところもすばらしい進化です。
ソニーα7II


横から見るとこんな感じです。小柄なボディながら、グリップのサイズはしっかりと確保しています。
ソニーα7II


α7IIでは、ボディ内手振れ補正を内蔵し、少し厚みが増しました。それでも元々が極薄だったため、多少厚くなってもまだまだスタイリッシュです。これでフルサイズですから。原理的にミラーボックスのいらないミラーレス一眼、最高です。
ソニーα7II


そしてα7で驚異的な押しにくさを誇ったC2ボタンは、α7IIではC3ボタンとなってリニューアルしました。このC3ボタン、ボディに傾斜がかかったことによって、自然にC3が押せるようになっています。今までの押しにくさは何だったのかと思うくらいの進歩。そして、その他のボタンの押し心地も向上。上部にはC1、C2ボタンが並び、押し心地が抜群。まるでゲーム機の優秀なコントローラーに付いているボタンのような、気持ちの良い押し心地です。電源を切って、何度もクリックして遊んでしまいました。
ソニーα7II


α7IIの目玉機能でもある、世界初フルサイズセンサー対応の光学式5軸手ブレ補正機能。ボディ正面左側に、「SteadyShot INSIDE」と控えめに書かれているだけです。他の文字は白くて自己主張が強いのに、ボディ内手振れ補正の表示は灰色で控えめです。
ソニーα7II


前作で派手すぎた「SONY」のロゴも、少し落ち着いて違和感が少なくなりました。これならロゴを隠さなくても大丈夫そうです。ボディの材質が金属で黒のつやつやから、シボ加工に変更になったことも効いています。シボ加工、指紋や汚れが目立たず、反射が少なく落ち着いていて、手触りも良く、シボ加工大好きです。
ソニーα7II


背面液晶は、大幅に薄型になりました。手振れ補正機構を内蔵することで、ボディが厚くなってしまう弱点を、極限まで薄くしようとする努力が垣間見えます。
ソニーα7II


強化されたマウント。もう「マウントがふにゃふにゃ」なんて言わせません。ガチガチです。
ソニーα7II


ネジをど真ん中に止めなくても、少しずれていても大丈夫なくらいのマージンが取られています。手で押しても、全くたわみません。ボディとの一体感があります。また、ボディそのものの剛性が上がっていて、レンズを付けたときも、たわんでレンズが横を向いたりなんてことはありません。
ソニーα7II


マウントの位置そのものがα7より上方に上がっていて、SONY マウントアダプター LA-EA4を付けたときの操作性が上がりました。LA-EA4はモーターが下に飛び出していて、α7との一体感はイマイチでした。α7IIは、マウント位置が上方に上がり、一体感がアップしました。また、驚くべきは、マウントの強度。α7にLA-EA4を付けると、マウントが弱くてエラーが頻発し、「このマウントで大丈夫か?」と心配してしまう状況でした。「もしかしてマウントアダプタの方にも問題が?」と思ったりもしたのですが(点検の結果、異常なし)、α7IIに付けてわかりました。強化されたマウントと剛性の上がったボディで、LA-EA4がガッチリ付いています。LA-EA4に問題はありませんでした。これでもうAマウントの一眼レフ用レンズを付けても心配ありません。ボディもマウントも頑丈になっています。しかも手振れ補正まで効きます。
ソニーα7II


初代α7の発売から一年と数週間で、ハードウェア上の弱点をほぼすべて克服したパーフェクトなα7 IIがやって来ました。一つ悪くなったことと言えば、重量増です。強度アップとグリップの大型化とボディ内手振れ補正機構の搭載により、約474gから約599gへと重量が増えました(公称のバッテリーとメモリースティックPROデュオを含む値)。実際にボディ左側から持ってみると、「少し重くなったな」という実感があります。でも、右手でグリップを握ってカメラ本体を持ったときには、重量増を感じさせません。重いレンズを付けた場合には、むしろ軽く感じるくらいです。この重量増をどうとらえるかは個人によりますが、自分としてはこれで良かったと思っています。頑丈なボディと握りやすいグリップとボディ内手振れ補正。今後、レンズ内に手振れ補正を持たないレンズが増えていったときに、ボディ内手振れ補正の良さがさらに実感できるのではないかと思います。軽いフルサイズボディは、EVFを省略したα5等の登場に期待しましょう。

5軸ボディ内手ブレ補正機構の効果は?

業界初フルサイズセンサー対応の光学式5軸手ブレ補正機能、さて実際の効果は?ということで、α7IIにSONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを付けて実験してみました。α7IIのボディ内手振れ補正は、CIPA規格準拠の最高4.5段分が謳われている手振れ補正です。

55mmのレンズなので、シャッター速度1/60秒の時に、ブレずに撮れたり、たまに撮れなかったりします(自分の場合)。1/80秒以上なら、ほぼブレずに撮れます。4.5段分の手振れ補正効果というと、1/4秒でブレずに撮れる可能性があります。

実験の結果…
1/4秒:ブレる
1/8秒:たまにブレない
1/15秒:ブレたりブレなかったり
1/30秒:たまにブレる
このようになりました。

1/4秒はさすがに無理でした。1/8秒でたまにぶれていないこと、何より1/15秒でブレない写真が増えてきたのは良かったです。手振れ補正なしだと1/15秒では絶対にブレますから。何度も取り直せる状況なら、1/15秒が十分実用になります。4.5段分の手振れ補正効果があるかというと、個人差の影響が大きいようです。それでも、2段分の手振れ補正効果は体感できました。2段分でも、付いているのといないのとでは大違いです。それから、動画撮影時にもこのボディ内手振れ補正効果は有効です。動画のゆらゆらした気持ち悪いブレ映像が軽減されます。

他、気になったこと等いろいろ

■30%速くなったAF速度
まだ体感できていません。

■40%速くなった起動時間
速くなって良かったです。

■再生方法の進化
コントロールホイールの割り当てが変わりました。誤操作が減りました。

■XAVC S
撮影しようとしたら、「メモリーカードが対応していない」と言われて、撮影できませんでした。SanDiskの95MB/s Extreme Proなのに…

■手振れ補正のファンクション割り当て
ファンクションに割り当てて、手振れ補正のON/OFFをすぐ切り替えられます。マウントアダプタ使用で他社製のMFレンズを付ける場合は、焦点距離の変更もできます。ファンクションボタンが一つ増えて良かったです。

■ボディ内手振れ補正で、EVFの揺れが止まる
「ファインダーを覗いて撮るなら、手振れが止まった状態で構図を決められる、レンズ内手振れ補正の方が有利だ」と今までは思っていました。ミラーレス一眼なら、ボディ内手振れ補正でもファインダーの揺れが止まって、構図を正しく決められたんですね。これを可能にするには、EVFの遅延が少なくレスポンスが速いことが必須なのですが、α7IIは条件をクリアしています。マウントアダプタで望遠レンズを付けたときに、手振れ補正効果をもっとも実感できるかもしれません。

■一眼レフ用レンズのAF微調整
Aマウント用のレンズをLA-EA4経由で付けると、AF位置がずれます。ズレ量はα7とα7IIで違っていました。これだから、一眼レフ用の位相差AFレンズのAF精度は怖いですね。また設定し直しです。

■LA-EA4のシャッター遅延と手振れ補正の効き具合
LA-EA4を付けて撮影すると、撮影にラグが生まれます。おそらくレンズの絞り動作のせいだとは思うのですが、このせいでワンテンポ遅れて、手振れ補正が少し効きにくいように感じました。

■画質は?
イメージセンサーが同じなので、多分初代α7とほとんど同じだと思われます。動画撮影のモードにXAVC Sが加わりましたが、全画素読み出しでの動画記録はできません。

■箱が小さくなった
α7IIになり、α7よりも箱が小さくなりました。

■バッテリーの持ちが…
ボディ内手振れ補正を搭載したことにより、α7よりもバッテリーの減りが早くなったように感じました。

まとめ

初代α7の弱点をほぼ克服したα7II。ボディは頑丈になり、握りやすくなって、最高です。新たにボディ内手振れ補正が付きましたが、ボディの進化だけでもα7IIを買っていたかもしれません。それくらい良い出来です。あとは、前回の祝☆ソニーα7発売一周年レビューに書いた、AFモード/AFエリア切り替えの進化と、ピント拡大と全体のダブル表示のライブビューが加わると最高です。「ネガキャンやめろ!」とか周りに言われても、不満点は伝えていった方が良いのではないかと、個人的には思います。次機種の改善につながる可能性がありますから。

ということで、懲りずにまた初期ロットに手を出してしまいました。今回のα7IIは5年ワイド保証を付けました。何かあったら修理してもらって、末永く愛用していきたいと思います。


追記
α7IIレビュー2 - ISO感度別ノイズテスト
α7IIレビュー3 - シャッター周りも地味に進化!
【原因は?】α7IIのバッテリーの持ちは悪いのか