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dp2 Quattroのノイズを低減するワークフロー

2014年06月30日 カメラ・写真
sigma dp2 quattro


前記事の「SIGMA dp2 Quattro、本日発売!」の中で、SIGMA dp2 QuattroのRAW現像をした結果やLightroomを使ったワークフローについて少し書きました。実際の画像を載せずにわかりにくかったので、今度はもう少し詳しく書いてみます。発売前にdp2 Quattroのサンプル写真が出てきたときに、「粉っぽい」「ノイズが多い」と感じていたので、Merrillと同様に自分でRAW現像をしてみることが大切です。

RAW画像は、「町田ダリア園: しんさんの四季彩色」のところから勝手にお借りしてきました。

QuattroのRAW画像をSPP6で現像

まずはdp2 Quattroで撮影されたRAW画像をSPP6で開き、シャープネスを下げて、ホワイトバランスを晴れにして、他はデフォルトのままJPEGに出力してみました。ノイズリダクションは、色ノイズ、輝度ノイズともにデフォルトの中央設定です。出力した画像はこちらです。
このJPEG画像を見てわかったことは、「Quattroの画像はたいして粉っぽくない」ということです。シグマ公式の実写サンプルがひどかっただけで、自分でRAW現像してみると全然ひどくありません。むしろ、解像度は上がっているのに、Merrillよりもノイズは少なそうです。カラーノイズや色むらも少なく、すっきりと見えて好印象です。

QuattroのRAW画像をSPP6とLightroomで現像

上のサンプルではノイズが少なく、すでにノイズ軽減をする必要もなさそうなのですが、一応前記事に書いたノイズ軽減ワークフローについても書いておきます。2行でまとめると、以下のようになります。
1. SPP6でRAW画像を開き、シャープネスを下げ、ホワイトバランスを整え、16bit TIFFのS-HIで出力。
2. LightroomでTIFF画像を読み込み、ノイズ軽減とシャープを設定して、リサイズしてJPEG出力。

上の手順で出力した画像はこちらです。 SPP6では、JPEG現像したときと全く同じパラメータで、S-HIのTIFF出力しています。今回、Lightroomの設定では、ノイズ軽減を輝度ノイズ15、カラーノイズ20にしました。シャープ設定は、適用量30、半径0.6、ディテール5、マスク15にしています。ノイズリダクションをかけてから、細かいノイズを強調してしまわないようにシャープネスを上げています。SPP6でS-HI出力しているのは、S-HIにしてもそれほど解像感が落ちないので、画像を大きくしてからノイズリダクションをかけて、Adobe Photoshop Lightroomのリサイズ処理とシャープ処理がうまく働くようにしているためです。

今回の結果として、以下2枚のJPEG画像ができあがりました。
正直、元々の画像のノイズがあまり多くなかったので、それほど差は出ませんでした。それでも、Lightromでノイズ軽減した方の画像の方が粉っぽさやノイズが少なくなっているのは確認できると思います。ただ、ノイズ低減処理のトレードオフとして、シャープ感が落ちてしまっています。その辺りは、設定や好みで変えると良いのではと思います。


追記コメント(2014年12月):SIGMA Photo Proのバージョンも6.2まで上がり、Quattro登場時よりもデフォルト出力のシャープネスや暗部ノイズが大きく改善されました。今後はTIFF出力に頼らなくても良いかもしれません。