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[検証]SSDの寿命は、4〜5年使用するとどれくらい縮むか

2014年04月19日 パソコン(PC)
SSD

[実験]SSDをデフラグすると速くなるのかの続きです。今使っているSSDは、IntelのX-25MというSSDで、2009年8月に購入したものです。すでに4年半以上もWindowsの起動用ドライブとして使い続けています。

最初はこのSSDにWindows7をインストールし、その後Windows8をクリーンインストールし、現在はWindows8.1にアップデートして使っています。ずっと起動用ドライブとして使い続けて、電源投入回数は数千回、使用時間は5000時間を軽く超えています。

2009年にSSDを導入する前は、SSDについてこんなことを言われていました。「SSDはHDDと違って書き込み回数に限界がある」と。書き込み回数を減らすためにページングファイルやテンポラリファイルは別ドライブに移した方が良いとか、SSDは壊れやすいからまだダメだとか、いろいろ言われていました。

さて、4年半以上使っているうちのSSDはまだ壊れていなくて、SSDの耐久性が本当に低いのか疑問に思えてきました。自分の経験上、HDDの方がずっと壊れやすいです。HDDは発熱するので、夏場に重いファイルをダウンロードしていると不良セクタが増えたりします。逆に冬場は寒くてなかなか起動しないこともあったり、HDDの方が耐久性が不安です。不良セクタが増えるだけなら救えるデータもありますが、完全に壊れてしまうHDDの突然死を経験したこともあります。前回の[実験]SSDをデフラグすると速くなるのかにも書いたように、SSDは書き込み回数に限界があり、SSDのデフラグは寿命を縮めるだけだとも言われています。SSDはいつ頃寿命を迎えてしまうのか、気になったので調べてみました。

うちのSSDは、メインPCとして4〜5年間ほぼ毎日使い続けている状況です。Windowsの起動ドライブとして、ほぼ毎日電源のオンオフ(Windows8にしてからは、ほぼスリープのみ)を繰り返しています。SSDの容量は少ないので、写真などの大きいデータはすべて別のHDDに保存しています。Windows本体、インストールしているアプリケーション、ページングファイルなどはすべてSSDにあります。サーバーなど一日24時間動かし続けている環境とは大きく異なりますが、一個人としてSSDのWindows PCを使う環境としては、かなり使っている方だと思います。検証用のSSDとして最適です。

インテル公式の「Intel Solid-State Drive Toolbox」を使うと、Trim機能による最適化や診断スキャンの他に、ドライブの詳細をSMARTから読み取ることができます。SSDでは、データの総書き込み量が得られるので、推定余寿命が自動的に算出されます。

SSDの寿命は、4〜5年使用すると一体どれくらい縮むのか…

SSD推定余寿命

減った寿命はたったこれだけでした!(4%)


SSDをWindowsの起動ドライブとして運用し、4〜5年使い続けても、寿命はわずか4%程度しか減りませんでした!


推定余寿命について、ヘルプファイルにこのように書かれています。
余寿命の計算は推定であり、ばらつきがある可能性があります。示される推定値は該当作業量に基づくため、作業量が変わるとその正確さは低下します。推定は現在までの使用に基づいており、SSD の保障期間を延長したり短縮することはありません。
SSDの耐久書き込み容量などのデータと実際の使用データを用いて、理論上の推定余寿命を計算しているようです。


もっと詳細なSSDの使用状況を日本語で得るには、「CrystalDiskInfo」というフリーソフトを使うと簡単です。このツールを使って調べてみた結果、メディア消耗指標は96でした(Intelのツールと多分同じ)。つまり、SSDの限界書き込みまで、理論値で96%程度残っているということです。違う言い方をすれば、あと25倍書き込んでも大丈夫ということです。4%使うのに約4年かかりましたから、100%使うのには約100年かかる計算です。

ん?

SSDは書き込み耐久回数がどうとか言われていたのに、自分の使い方だと100年持つようです。

長寿!


SSDをWindowsの起動用ドライブとして使用しても、書き込み寿命にはたいした影響を与えないようです。ページングファイルやテンポラリファイルの影響もそれほどたいしたことはなさそうです。4年でわずか4%ですから。

SSDが壊れるとしたら、SSDの書き込み限界まで使い込むことよりも、他のエラーで壊れてしまう確率の方がずっと高そうです。理論上あと96年書き込める耐久力があったとしても、その他の部分がポックリと壊れてしまうこともあり得ますから。

「CrystalDiskInfo」にはSSDの総書込量も表示されていたので、チェックしてみたところ約14TBでした。小さなファイルの書き込み/削除よりも、大きなファイルの書き込み/削除を繰り返すことの方が、SSDの書き込み寿命には影響しそうです。それでもまだまだ余裕はありそうです。

このSSD全体では、容量は80GBあります。今まで14000GB書き込んだということは、単純に最初から最後まで書き込んでいった場合で、SSDを約175周した計算です。したがって、SSDのデフラグを1度や2度したところで、書き込み寿命にはほとんど影響を与えません。「SSDをデフラグする意味はない!SSDの寿命を縮めるだけだ!」というのは、前回の記事と合わせれば、デマに近いです。SSDの使用状況によってはデフラグの効果はありますし、寿命もほとんど縮まりません。半分ソニーのせいで一時調子の悪かったSSD前回のデフラグ以降、元に戻りました。空き容量不足と空き容量の断片化とページングファイルの断片化等が良くなかったようです。


ということで、書き込み回数や書き込み量によるSSDの寿命というのは、自分が予想していたよりもずっと長い結果となりました。数年で寿命に近いところまで到達してしまうような耐久性ではなく、書き込み耐久性だけを見れば数十年〜百年は持ちそうな耐久性でした。書き込み限界を迎える前に、その他の要因で壊れてしまう確率の方が高そうです。SSD購入前は「SSDは耐久性が不安」等と言われていたのに、実際使ってみると全然問題ありませんでした。発熱の問題や物理的に可動部が多いHDDよりも安心です。2009年製のSSDでこれですから、最近のSSDだともっと性能が上がってるかもしれません(メーカーや製品によっては、信頼性の低いものもあるかもしれませんが…)。容量が3倍の240GBなら、単純に書き込み限界もその3倍あると思われます。SSDは、容量の大きなものを使って、空き領域を確保しながら使うのが一番良さそうです。