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α7のEXIFに焦点距離やレンズ情報を入力する方法1

2014年03月06日 カメラ・写真
ソニーα7/α7Rは、世界最小・最軽量のフルサイズミラーレス一眼で(厳密にはα7Rが世界最軽量で、α7が世界最重量)、フランジバックも短いため、マウントアダプターを付けて各社のオールドレンズを付けて楽しむことができます。

歴史の長いニコンFマウントのレンズを付けられる非純正マウントアダプターを付けてみると、ニコンのレンズも使用できます。サイズ的にもコンパクトで、ダイヤル豊富なα7のおかげで、自由にマニュアル撮影できるようになります。α7のすばらしいところです。
α7マウントアダプター

ただ、レンズとボディが電気的な接点を持っていないため、焦点距離、絞り値、レンズ情報などがEXIFに記録されません。ニコンのカメラの場合は、電気的な接点を持っていないレンズのために、焦点距離やF値を手動で入力する機能が備わっています。オールドレンズを付けて撮影した場合でも、画像ファイルに情報を入力することが可能になっています(ニコンD700では10本まで登録可能でした)。ソニー製のカメラには、そのようなレンズ登録機能は搭載されていないため、いつかアップデートで対応してもらえたらなと思います。


さて、ソニーEマウントのカメラは、「PlayMemories Camera Apps | ソニー」に対応している機種であれば、アプリをダウンロードすることによって、カメラの機能を拡張することができます。α7発売日には対応していなかった、「レンズ補正」というアプリが去年の12月に対応しました。1000円払って早々にα7にインストールしてみたところ、アプリ内に焦点距離の入力欄がありました。「これで非純正マウントアダプタでも焦点距離をEXIFに記録できる!」と思って撮影してみたのですが、EXIF記録には全然対応してくれない仕様でした。せっかく焦点距離入力欄があるのに、そのデータが画像に記録されません。かゆいところに手が届かない残念な仕様です。

普段RAW(.ARWファイル)で撮影しているので、EXIFに焦点距離が記録されていないと、あとから見返したときに、何のレンズで撮ったのかわからなくなってしまい不便です。愛用のRAW現像ソフト「Adobe Photoshop Lightroom」にはレンズ補正データが入っています。非純正マウントアダプタを付けていようが何だろうが、手動でレンズを選択すれば、自由にレンズ補正をかけることができます。何のレンズを付けて撮ったのかさえ覚えていれば、後から歪曲補正ができるというわけです。レンズデータを記録できないため、時間が空くと、いずれ忘れてしまうのですけどね…。

単焦点レンズの場合は、歪曲の少ない物が多く、レンズ補正を入れる必要はあまりありません。いつも単焦点レンズで撮影するのは不便だな、と感じて、先月ズームレンズを装着してα7で撮ってみました。

「友達と登って、恋人と下りてきた。」
友達と登って

「友達と一緒に登ったのに、頂上で偶然恋人と出会って、友達置き去りにして帰ってきたのかよ、ひでぇwww」みたいな話ではなく、ハッピーな話で、このキャッチコピーは面白いです。

上の画像を見てみると、壁が歪んで見えます。これがレンズの歪曲収差です。本当は壁は歪んでいません。正しいレンズ情報と焦点距離データが画像ファイルに記録されている場合であれば、Lightroomを使ってイイ感じに歪みを補正できます。

ただ、α7にマウントアダプターを付けて撮影した場合は、上述したように、データが記録されません。焦点距離データがないままLightroomでレンズ補正をかけると、間違った歪曲補正をかけてしまいます。具体的には、28mmの広角側で撮影しているのに、75mmの望遠側の歪曲補正データを適用してしまい、歪曲補正が反対方向に働いてしまうわけです。Lightroomに焦点距離の手動入力機能が備わっていればほぼ解決するのですが、そのような機能はありません(完璧な補正をするには、本当は撮影距離の情報も必要です。他のRAW現像ソフトのDxO Optics Proだと、撮影距離の手動入力にも対応しています)。

α7に非純正のマウントアダプターを付けて撮影すると、そのままではレンズの歪曲を補正できないし、単純な樽型歪曲ではなくて複雑な陣笠歪曲なので、自分で歪曲補正するのも難しい…

ということで、α7のEXIFに焦点距離やレンズ情報を入力してみることにしました。情報を入力した状態で、Lightroomでレンズ補正をかけると、下のように簡単に補正されました!(完璧ではありませんが、上の画像よりはいいと思います)
恋人と下りてきた


長くなってしまったので、手順は次の記事に続きます。


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