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α7レビュー1 - 唯一シャッターだけがややイマイチ

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2013年11月21日 カテゴリ:カメラ・写真
α7

ソニーα7は、以前のNEX-7やNEX-5系の機種と比べて、操作性が大幅に進化しています。

たとえば、頑なに不便を強いられてきたISO感度1段ずつのみの変更が、ついに細かく設定できるようになったりとか!
α7 ISO感度

他にも数えるのが大変なくらい、旧NEX系機種と比べて操作性が進化しています。まだそれほど使い込んでいるわけではないので、良くなったポイントはまた今度書くとします。大幅に良くなったポイントは別として、どうしても一つ言いたいことが。ほとんどの機能が進化している中で、一つだけ大幅に劣化しているポイントがあります。それは…

シャッター!
α7シャッター

NEX-7やNEX-5Rのシャッターは、電子先幕シャッター採用によりレスポンスが高速で、非常に軽快なシャッターが切れました。ニコンD700の後に使っても、「速っ!」と感じるほどの高速レスポンス。ソニーの電子先幕シャッター搭載機種なら、すべてこのスピードが保証されているのかと思っていました。「ソニーα7を注文した。その理由とは…」で書いたように、ローパスフィルターレスのα7Rではなく、α7を選択した決め手がシャッターレスポンスです。

α7を買う前のシャッターレスポンスのイメージとしては、
α7のシャッター:速い
α7Rのシャッター:遅い
だと思っていたのが、現実には、
α7のシャッター:並
α7Rのシャッター:遅い
でした。

α7でシャッターを切ると、一瞬タイムラグがあり、そしてシャッターが切れた後の像消失時間が長めです。明らかにシャッターの動きが遅く、フルサイズ用のシャッター制御が大変なように感じます。

初めてα7でシャッターを切ったとき、あまりの動きの遅さに、「あれ、シャッタースピード遅かったっけ?」とすぐにシャッター速度を確認してしまいました。1/8秒くらいに設定していたのかと思って確認してみたら、1/80秒。それほど遅くはありませんでした。すぐに1/320秒に設定し直してもう一回シャッターを切ってみたものの、旧NEX系機種と比べて明らかにレスポンスが悪かったです。

NEX-5R、D700、α7のシャッター比較

NEX-5R、D700、α7を3台並べて、シャッター速度を同一の1/100秒にして順番にシャッターを切ってテストしてみました。結果は、
NEX-5Rのシャッター:速い
D700のシャッター:速い
α7のシャッター:並
でした。

NEX-5Rはもちろんのこと、あらためてニコンD700のシャッター制御のすばらしさを感じてしまう結果となりました。

NEX-5Rのシャッター音は、「シャッ!」という静かで軽快な音。ブラックアウト時間が極めて短く素晴らしいレスポンスです。
D700のシャッター音は、「ガシャッ!」といううるさく甲高い音。ただ、シャッターの動きにキレがあって速く、像消失時間も短くてレスポンス良く撮影できます。
そしてα7のシャッター音は、「キュルンッ…」というすでにレスポンスの悪い音の後に、長めのブラックアウト時間があります。NEX-5Rに比べてシャッター性能がランクダウンし、普通のミラーレス一眼並みのシャッターレスポンスになってしまいました。

以上のテストは、高速なはずの「電子先幕シャッター 入」で撮影した場合です。これを「電子先幕シャッター 切」に設定すると、先幕動作が加わりα7Rのシャッターレスポンスを擬似的に体験できます。そのときのシャッター音は「シュシャッ!」という音で、さらにレスポンスが悪くなりました(シャッター音については、α7とα7Rで違います。レスポンスについては、電子先幕シャッターを切に設定すれば、ほぼ同等だと思われます)。ただ、購入前に想像していたほどの差はなく、風景をのんびり撮るタイプの人とかであれば、α7を選ばずα7Rを選ぶ方が正解かもしれない、と思うようになりました。α7のシャッターレスポンスはもっと良いものだろうと期待しすぎていました。連写速度は2.5コマ/秒に下がったものの、最高シャッター速度は1/8000と高速になったので、もう少し良いかと思っていたんですけどね。

α7のシャッターボタンの位置

それから、α7のシャッターボタンの位置について。
α7シャッター位置

初めてα7のデザインを見たとき、「NEX-7のようなシャッター位置ではなく、なんでボディ上部に移動しちゃったの!?右手人差し指が窮屈じゃん」とすぐ思いました。「そこじゃなくて、その前のダイヤル位置辺りにシャッターボタンを持って行ってよ」と。

この位置に変更されたことは、実際に使ってみるまでかなり不安でした。結果としては、α7のグリップの出来が優秀なので、それほど押しにくくはありませんでした(もっと前に傾斜して付いていた方が好ましいけれど)。

α7のシャッターストローク

シャッター位置よりも気になったのが、シャッターストロークについて。α7は、半押しはかなりやりやすいのですが、そこからシャッターが切れるまでのストロークが長いです。かなり深く押し込まないとシャッターが切れなくなっていて、この辺りもレスポンスの悪さにつながっています。これはα7の個体差ではなく、2台のα7ともに同じシャッターストロークでした。

レリーズについては、ソニー開発者のこだわりのようで、このようなコメントが載っていました。
「レリーズも最高級のフィーリングを目指しました。小型化には苦労しましたが、ぎりぎりまで粘った甲斐もあり、これまでのEマウントカメラで採用していた構造を刷新し、Eマウントの最上級機種として相応しいフィーリングに仕上がっています」
深いシャッターストロークは、あえて新規採用したようです。

使い慣れているD700はかなりシャッターストロークが浅くて、半押しのつもりが強く押しすぎると間違ってシャッターが切れてしまうくらいです。D700を買った当初、あまりにも浅いのでニコンのサービスセンターに持って行って聞いてみたことがあります。「これは正常ですか?」と。ニコンの人から返ってきた答えはこうでした。
「これは素晴らしいシャッターですね。プロの方は、限界までストロークを浅くしてくれと調整しに来るくらいです。大事なシャッターチャンスを逃さないためにも、ストロークは短い方がいいんです」
それから5年、浅いシャッターストロークに慣れすぎて、α7のような深いストロークに違和感を覚えるようになってしまいました。自分的には、NEX-5Rのシャッターストロークで十分だったんですけどね。新規採用のα7のシャッターに慣れるまでは、少し時間がかかりそうです。

α7のEVF

シャッターと同じくらい気になっていたのがEVF。EVFが良くないと、シャッターレスポンスにも悪影響を与えます。
α7 EVF

NEX-7では、周辺が滲んで見えてしまって個人的に使い物にならなかったEVF。メガネ使用者にはツラいEVFでした。α7でも周辺が滲むものの、NEX-7よりもずっと見やすくなり、なんとか普通に使えるEVFになりました。コントラストが高くなり、色温度も変更できるので、黄色くすると見やすくなります。

アイピースが大きめで、レンズ光軸のセンターに来ていることも見やすさにつながっています。NEX-7のように左側にあるファインダー位置は小型化に有利です。見やすさという面では、一眼レフのようなボディ中央寄り上部に配置されているα7のファインダー位置の方がいいです。昔ながらのカメラボディデザインは、理にかなっていることを実感させられます。

α7は、シャッター以外はほぼ満足

シャッターレスポンスは期待していたよりも少々残念だったものの、その他はダイヤルやボタンが増え、メニューもRXシリーズと同等のものが採用され、NEX時代と比べα7はかなり使いやすくなりました。

細かいことを言えば、撮影直後にISO感度変更ホイールを回してもなぜか硬直して受け付けなくなるとか、MENUボタンが左上で遠くて押しにくいとか、C2ボタンや絞りダイヤルが段差が付いていて押しにくい回しにくいとか、相変わらずライブビューと電子水準器とヒストグラムを同時に表示できないとか(ライブビューを表示させなければ、電子水準器とヒストグラムを同時に表示させることは可能になった)、ON/OFFの文字などが明るい白で太く塗ってあってダサいとか、EVF/LCD切り替え専用ボタンが欲しいとか、バッテリー充電器を付属して欲しいとか、箱に高級感がなくなってしまったとか、画像再生/拡大表示がさらにやりにくくなってしまったとか、NEX-5Rに比べてタッチパネルが付いていなくてAFポイントの移動が大変だとか、4:3や1:1の画像比率を選べないとか、1.2倍クロップや1.3倍クロップに設定できないとか、多少の不満はあります。

でもそれを余裕で上回るほどの進化を遂げているのがα7でした。なぜかこだわられていたISO感度1段ずつ変更なども廃止され、使いにくいメニューも一新され、ないがしろにされていた露出補正が露出補正専用ダイヤルまで付いて、ゼブラ表示で白飛びが簡単に確認できるようになって、良くなった点を挙げるのが大変なほど進化しています。

今までは、あまり気の利いていないのがソニー機種という感じでしたが、今回のα7はNEX-7から相当ブラッシュアップされています。ソニー側の譲歩がかなり感じられます。

その中で、シャッターだけが少し劣化してしまったのが少々残念でした。初めてのフルサイズミラーレスということで、これが限界だったのだと思われます。それ以外はほぼ進歩していて、APS-Cでミラーレスの技術を磨いてきたソニーだけあるな、という感じです。フルサイズになってもその技術はしっかりと受け継がれ、そして進歩しています。

NEX-7は1年も持たずに手放してしまいましたが、α7とは長い付き合いになりそうです(シャッター性能が改善した新機種が発売されたら、そちらが欲しくなってしまう可能性はありますが)。シャッター以外は満足できる造りで、買って良かったと思います。


追記1α7レビュー2 - ISO感度別ノイズテスト
追記2アマゾン限定「SDSDXPA-032G-JAZ」を購入。95MB/sの威力は?
追記3α7で手ぶれ補正の効かないレンズがある理由が判明
追記4ソニーα7Rとα7のマウントがふにゃふにゃな件