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富士フイルムX-Trans CMOSのRAW現像ソフト比較

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2013年07月30日 カテゴリ:カメラ・写真


富士フイルムXマウントのカメラは、今のところX-Trans CMOSによる独自配列のイメージセンサーが使われています。独自配列のイメージセンサーであることから、RAW現像できるソフトも少ない状況です。発売当初は、カメラ内生成のJPEGファイルか、付属の「RAW FILE CONVERTER EX powered by SILKYPIX」を使ってJPEGにできるだけでした。

しばらくして、Adobeの「Lightroom 4がX-Trans CMOSのRAW現像に対応しました。さらにLightroom4.4になってからは、富士フイルムとの協力により、画質が改善されました。そして、Phase Oneの「Capture One Pro 7」もX-Trans CMOSのRAW現像に対応しました。

現在は、「RAW FILE CONVERTER EX powered by SILKYPIX」、「Lightroom」、「Capture One」の3本がX-Trans CMOSのRAW現像に対応していることになります。

それぞれ使い勝手の違う現像ソフトで、出力結果もきっと違うはずですので、それぞれ現像して見比べてみることにします。

X-E1ボディ内画像エンジンによるJPEG画像

まずは基準となる、X-E1ボディ内画像エンジンによるJPEG画像です。


AWBで撮影した写真なので、少し青っぽい感じもします。XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを使って撮影していて、レンズの性能もなかなか高いので、解像力は高いように見えます。

ただ、ローパスフィルターレスと言っても、SIGMAのFoveonセンサーのようなカリカリにシャープに写っているわけではありません。解像力の割には、意外とモヤッとしている印象も受けます。ボディ内画像エンジンだからこうなのか、JPEGの圧縮によってこう写るのか、X-Trans CMOSの特徴なのか、いろいろと気になるところです。

他の現像ソフトを使って、色や解像力をチェックしてみます。

RAW FILE CONVERTER EXによるRAW現像

「RAW FILE CONVERTER EX powered by SILKYPIX」とは何かというと、SILKYPIXの富士フイルムカメラ専用バージョンのソフトです。パナソニックも同様の提携をしていて、RAW現像ソフトを自社で作りたくないメーカーは、SILKYPIXと手を組むことが多いようです。

何もいじらず、デフォルトのまま現像してみました。


「RAW FILE CONVERTER EX powered by SILKYPIX」はX-E1の付属品なので、現像結果もカメラ内JPEGと同じような結果になるかとも期待しましたが、全然違いました。

カメラ内JPEGよりも青みが抜けて、緑が黄色っぽくなりました。気になるのは解像力の部分で、わざわざPCで時間をかけてRAW現像したのにもかかわらず、部分的に解像力は落ちて、少しモヤモヤ度がアップしてしまいました。シャープネスやコントラストが低いせいで、そのように見えるだけかもしれませんが。

LightroomによるRAW現像

次はAdobeの「Lightroom」で試してみます。まだLightroom5は買っていないので、旧バージョンのLightroom4.4での現像です。純正の色合いを模したカメラプロファイルが用意されていないため、Adobe Standardでの現像になります。


今度は全体に緑っぽくなりました。この「Lightroom」のAdobe Standardというカメラプロファイルはくせもので、いろいろなカメラで現像を試したことがありますが、色相がずれていてまともな色が出た試しがありません。

そこで、海外からX-E1用の非公式Lightroomプロファイルを拾ってきて、適用して現像してみました。


Adobe Standardよりもずっと良い色合いになりました。気になる解像力は、カメラ内JPEGと同等のようです。JPEGの圧縮率を選べる分、JPEGノイズの点ではLightroomの方が上だと思われます。

Capture OneによるRAW現像

次に、Phase Oneの「Capture One Pro 7」で現像してみました。


今度は青が濃すぎる画像になりました。特に設定をいじっていないデフォルトだと、青が濃すぎるようです。

気になる解像力は、「Capture One」が一番です。シャープネスが強すぎるだけの可能性もありますが、X-Trans CMOSに対応しただけあって、しっかりと解像できています。

他の参考画像

1シーンだけでは判別しにくいので、他のシーンでも試してみました。


■カメラ内JPEG
これが元となるX-E1によるJPEG記録ファイルです。派手すぎず地味すぎず、良い色合いで、さすがは富士フイルムです。



■Silkypix
やはりSilkypixによるRAW現像だと、色が薄くなりコントラストも下がるようです。物足りない場合は、自分で調整した方が良さそうです。



■Lightroom(Adobe Standard)
青が少し派手になってしまっているところが目に付きます。Adobe Standardでは使いづらそうです。



■Lightroom(X-E1用プロファイル)
プロファイルを適用すると、色の不自然さが解消されます。Adobeの方で、X-E1用のプロファイルを用意してくれれば、もっと使いやすくなることは間違いなさそうです。



■Capture One
Capture Oneのデフォルトは、やはり青が濃すぎます。彩度を下げるなど調整が必要そうです。解像はいいんですけどね。

まとめ

以上、X-Trans CMOSのRAWデータを、「RAW FILE CONVERTER EX powered by SILKYPIX」、「Lightroom」、「Capture One」の3本で現像してみました。

現像前は、カメラ内生成ファイルと比較して、RAW現像だとすごくシャープになるのではないかと期待していました。結論としては、全然そんなことはありませんでした。カメラ内JPEGもRAW現像JPEGも同等でした。ローパスフィルターレスであっても、X-Trans CMOSの画像は意外とモヤッとするな、というのが自分の印象です。

色に関して言えば、富士フイルムによるカメラ内JPEG画像が一番でした。他の現像ソフトを使うと、現像ソフトのクセが出ます。この辺りは、使いこなしが必要だと思います。

ということで、X-E1のカメラ内生成JPEGファイルのレベルは高く、RAW現像しなくても、そのままで何の問題も無いことがわかりました。「どのRAW現像ソフトが一番か?」を比較したかったのに、一番はカメラ内JPEGでした。特にX-E1は、白飛びにも強く、ノイズも少ないので、撮って出しのJPEG記録でも使いやすいです。JPEG記録のみか、あるいはおさえでRAW+JPEG記録にするかは、個人の判断で。

問題は、オートホワイトバランスが外れていて、撮影後に色温度を変えたいときです。この場合、RAWから現像しなければいけません。その場合は、富士フイルムの現像エンジンは使えず、他社の現像ソフトを用いることになってしまって、色合いが異なってしまうのが残念なところです。RAW現像ソフトよりもカメラ内JPEGの方が結果が良いという、嬉しい悩みでしょうかね。


追記2014年4月9日Lightroom5.4の登場で、富士フイルムのRAW現像が快適に!



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