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Touit 1.8/32 はAFがちょっと残念。あとシャープネスチェック

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2013年07月25日 カテゴリ:カメラ・写真


前回の「カールツァイス Touit 1.8/32 レビュー2-性能チェック編-」からの続きです。今回はAF性能とシャープネスチェックについてレビューします。
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Touit 1.8/32のAFについて

さて、「瞬間の達人」こと「Touit 1.8/32」のAFは、公式ページにこのように記載されています。
静かでスムーズなAFモード

オートフォーカスシステムのデザインは、特定レンズ群の極めて正確な移動を要求します。動かされるレンズ球(群)の重さに応じてさまざまなモータータイプが使用されます。その際、Touitレンズのフォーカスシステムは、レンズデザインに関する制約が発生しないようになっているにもかかわらず、丈夫でスムーズなオートフォーカス機構を実現しています。

「静かでスムーズなAFモード」。これに期待していましたが、全くの期待外れでした。

まず音。AFをオンにすると、ジーコジーコ言いながらピントを合わせようとします。最近の超音波モーターやリニアモーターを搭載したレンズと違って、音が発生してうるさいです。

次にAFのスムーズさ。「Touit 1.8/32」に内蔵されているAFモーターは、けっこうパワーがあります。パワーがあるので、フォーカススピードそのものは速いのですが、AFアルゴリズムが良くありません。コントラストAFではAFアルゴリズムが重要で、このアルゴリズム性能により、AFが速くなったり遅くなったりします。「Touit 1.8/32」のAFアルゴリズムはあまり良くないです。AFをオンにすると、毎回前後を大きくフォーカス移動して、ピントが合うまで常に時間がかかります。モーターパワーはあるのに、結果としてAF速度はあまり速くありません。位相差AF用のレンズを無理矢理コントラストAFで使っているような感覚を覚えます。

ピント精度については概ね良好ですが、たまにAFを外して、そのまま諦めてしまうシーンがあります。全くピントが合っていないのに、合焦状態と判断されて、ひどいピンぼけ写真になることがあります。途中で諦めないでもらいたいです。

また、ソニー純正レンズではないので、ファストハイブリッドAFが効かないのも痛いです。ソニー純正レンズであれば、ファストハイブリッドAFにより高速なAF合わせが可能です。カールツァイス製の「Touit 1.8/32」ではファストハイブリッドAFが効かず、AFは速くなりません。

それならと、ファストハイブリッドAFが効かないレンズとAF速度は同じくらいかと疑問に思って、手持ちの「シグマ 30mm F2.8 EX DN 」と比べてみました。シグマの方は、リニアモーターにより無音で、しかもAFアルゴリズムが良く、AF速度は速いです。AF速度も考慮してレンズ設計をしてある最新のレンズと、昔ながらのプラナータイプのレンズでは、やはりAF速度に差が出るようです。

それから、致命的なのが動画撮影。NEX-5Rで動画撮影を開始し、追尾フォーカスをオンにすると、ガタガタしてピントが全く合わなくなります。使い物になりません。この辺りが、ソニー製ZEISSレンズと、カールツァイス製Touitレンズの差なのかもしれません。

AFについてまとめると、「Touit 1.8/32」のAF音は無音ではないし、AF速度も行ったり来たりしてあまり速くはありません。たまにAFを外したまま、変なところで合焦します。そして動画撮影には全く使えません。こんな感じです。AFがそれほど速くはないと前もって理解していれば、まぁこんなものかと、普通に使えるレベルだと思います。ものすごく遅すぎるというわけではありませんので。それと、ダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)に対応しているので、ピントを外した後に調整できるよう、AFモードはDMFにしておくと使いやすいです。

Touit 1.8/32のシャープネスチェック

続いて、シャープネスをチェックしてみました。

■F1.8(絞り開放)
まずは絞り開放F1.8から。



上の写真はガラス越しに撮影していて、もしかしたらピントが合っていなかったかもしれません。ちょっとゆるゆるすぎる感じがします。

参考までに、同じく絞り開放F1.8で撮った別の写真を載せておきます。絞り開放では、ゆるいけど、まぁこんなものかなぁという写りです。周辺光量落ちは少なめです。

追記前回の記事で訂正したように、今回の画像はすべてRAWで撮影してからJPEGに出力しています。その際、自動補正項目は適用されていませんので、歪曲も周辺光量落ちもソフトウェア補正前の素の状態になっています。


■F2.8
今度はF2.8まで絞って撮影してみました。



中央部はめちゃくちゃシャープになりました。F2.8まで絞るとゆるさがなくなり、一気にシャープになるレンズのようです。


■F5.6
F4.0の写真は、ピントが合わず失敗してしまったので、飛ばしてF5.6の写真。



中央から周辺まで、見事にシャープです。モアレも出ていて、1600万画素のイメージセンサーに余裕で対応しているようです。


■F8.0


文句の付けようがない写りです。開放のボケ味を楽しめるレンズでありながら、絞ると隅々までシャープに写ります。周辺光量落ちも少なく、均質性のある写りで、風景写真にも使えそうです。

Touit 1.8/32のまとめ

前回、今回と「カール ツァイス Touit 1.8/32 E-mount」について、いろいろ各種性能をチェックしてみました。このレンズは現代的な突出した高性能というわけではなく、良くも悪くもプラナーという感じの写りを率直に感じました。

データで見るとそれほどでもないように見えるかもしれませんが、実際に撮ってみると、できあがった写真の雰囲気はすごく良かったです。ゆるく見える開放の写りも、ポートレート写真だといい感じでした。

結論として、「Touit 1.8/32」は買いか、自分で買うか、と言われたら、「買わない」と答えます。正確には、「買えない」ですかね。APS-Cサイズ用の32mm F1.8の標準レンズでありながら、実売価格がなんと8万円台!全然手が出ません。3万円くらいなら購入検討しますが、8万円台では厳しいと言わざるを得ません。AFがそれほど速いわけでもなく、動画撮影時には使い物になりませんでしたし。

というわけで、カールツァイス大好きでお金持ちの人にだったら、「Touit 1.8/32」は薦められます。一般の人に、8万円台の標準レンズを薦めるのはなかなか難しいなぁという感じです。


続きTouit 1.8/32 レビュー-自由作例1-

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