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オンラインゲームは、何時何分何秒に次の日に切り替えるべきか

2013年04月15日 ゲーム全般
一般には、23時59分までが前の日で、0時0分からが次の日です。一部業界では、25時や26時という表現を用いて、次の日に切り替わっていないように見せる手法もあったりします。

さて、今流行りのソーシャルゲームなどを含むオンラインゲーム(ネットゲーム)では、何時何分何秒に次の日に切り替えるのがベストでしょうか。何も考えず普通に設計してしまうと、00時00分00秒に次の日に切り替わるように設計してしまいます。しかし、この設計ではユーザーからの不満が募る場合があります。

なぜでしょうか。

どういう場合でしょうか。

オンラインゲームにおける「次の日」とは、「次のイベントが発生する日」でもあります。0時0分ちょうどに次の日のイベントが始まってしまうと、ユーザーによっては不公平が生じます。

0時0分とは10代ユーザーにとっては夜更かしにあたるわけで、こんな時間に新規イベントや日替わりイベントが始まってしまう状況というのは好ましくありません。睡眠不足より夜更かしを選択してでも、日替わりイベントの実行や新規イベントのスタートダッシュを決めたいユーザーもいたりします。11時半頃に寝ようとしていても、「あと30分起きていれば…」と、ついつい夜更かししてしまう状況が起こりえます。このように、0時0分ちょうどに次の日に切り替わるシステムは、青少年にとって不健全なシステムとなってしまう可能性があります。

今度は逆に、夜遅くまで働いているサラリーマンのことを考えてみましょう。仕事を終えて家に帰ってきたらすでに0時を過ぎていたり、家に帰って一息ついていたら0時を過ぎていた、なんていうことはしょっちゅう起こります。人によっては全く起こらないかもしれませんが、起こる人にはよく起こります。0時ちょうどに次の日に切り替わってしまうと、日替わりイベントをやり損ねてしまう状況が多々発生してしまうわけです。

このような不公平感を解決するためには、「0時0分に次の日に切り替えるのをやめる」という解決策を取るのが簡単です。現実には次の日になっているわけですが、ゲーム内では次の日に切り替えないという手法です。

よく用いられているのは夜0時ではなく、朝方に次の日に切り替えるシステム。朝4時や朝5時や朝6時やそのくらいの時間帯に、次の日に切り替える方法です。「次の日」とは、「寝て起きたら次の日」というのが感覚的にわかりやすく、朝方に次の日に切り替えるのは理にかなっています。

一般的に、夜更かししてゲームをするより、早起きしてゲームをする方が健全だと思われています。また、夜更かしする場合と比べて、ゲームのためにわざわざ早起きする人の数は大幅に少ない傾向にあります。さすがに3時頃早起きさせてしまうのは早すぎるので、朝5時頃オンラインサーバーをリセットして次の日に切り替えるのがベターです。朝5時頃というのは、日本全体のインターネットアクセス数も少なく、サーバー負荷も軽い時間帯なので、それまでに前日分のバッチ処理等を終えてゲーム内の次の日をスタートさせると、サーバー負荷的にも楽になります。

というわけで、オンラインゲームでは00時00分00秒に次の日に切り替えるよりも、朝5時頃に次の日に切り替えた方が、ユーザーの不満、サーバー負荷の面で楽だったりします。

その際もっとも大事なことは、「何時にシステムが切り替わるか」をしっかりと告知しておくことです。ユーザーとの対話がない一方的なオンラインゲームは成功しません。「朝5時にリセットします」とか、「朝5時から次の日のイベントが始まります」とか、たった一行でもわかりやすく告知しておくだけで、システムが切り替わる時刻を開発者側の都合で設定できるわけです。

また、新規イベントなら開始時刻を自由に設定できるはずなので、事前に何時からイベントを始めるのかアナウンスしておくことも大事なことです。これとは逆に、ゲリライベントと称して、何時に発生するかわからないイベントを作っておいたりすると、ユーザーのログイン率を高めることができます。とは言っても、深夜や早朝にイベントを発生させて、ユーザーの睡眠を妨害するのはやめましょう。ユーザーあってのオンラインゲームですから、ユーザーの健康を第一に考えたシステム設計であるべきです。