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LED照明&長時間露光による物撮り写真撮影テクニック

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2013年04月08日 カテゴリ:カメラ・写真
前回の「プロ並み写真?LEDてるてる棒っぽく撮影してみた結果」の続きです。今回は、LED照明&長時間露光による物撮り写真撮影テクニックをまとめておきます。

LED照明&長時間露光による物撮り写真に必要なもの

まずは、LED照明&長時間露光による物撮り写真撮影に必要な物の用意です。
1.デジタルカメラ(5秒とか10秒とか長時間露光撮影できるもの)
2.三脚(あるいはカメラを固定できる台など)
3.LED照明(普通の懐中電灯やクリップライト等でも可)
基本的には上記3つの用意が必要です。

1のデジタルカメラには、当然バッテリーやSDカードなど、デジカメの動作に必要な周辺機器も必要です。

2の三脚は、撮影時に長時間露光が必須となるので、三脚などのカメラ固定台が必須です(手持ちではブレてしまって撮影できません)。その際、レリーズケーブルやリモコンシャッターなどがあった方が便利です。ない場合は、デジカメ内蔵の2秒タイマーや10秒タイマーで代用します。直接手でシャッターを押してしまうと、手で押した瞬間にブレが発生してしまうので、リモコンやタイマーなどを使いましょう。

3のLED照明については、後述しますが、なるべく点よりも面で照らすことができて、色温度が太陽光に近いものがオススメです。スタパさんの記事のように、ライトセイバーのような形である必要はありません。LEDである必要性もありませんし、棒のような形である必要もありません。普通の懐中電灯やクリップライトでも撮影可能です。白いページを表示したiPadなども利用できます。手で持てて、それなりの明るさを持った照明ならなんでも代用可能です。上級者向けには、なるべく光を拡散させて、点ではなく面で照らせるようにするとベストです。照明を箱に入れて、トレーシングペーパーで拡散させるなどすると良いです。

LED照明&長時間露光の撮影手順

LED照明&長時間露光の撮影手順は以下の通りです。
1.被写体となるものを撮影場所にセットする
2.カメラを三脚などに固定して構図を決める
3.カメラのモードをマニュアルにして、絞り、シャッタースピード、ISO感度を固定し、ピントを被写体に合わせておく
4.部屋を暗くする
5.シャッターを切って5〜10秒間くらいの長時間露光をして、その間に被写体をLED照明で照らしていく(塗るイメージ)

簡単にまとめると、マニュアルでデジカメのシャッタースピードを5〜10秒間くらいに設定して、その長時間露光の間に光を当てていく(塗っていく)イメージとなります。光を当てていったところに明るさとコントラストと彩度が付いていくので、「塗る」というイメージで作業します。カメラの撮影設定については、下の「カメラの撮影設定について」にまとめています。

三脚を使うのは、ブレてしまわないようにカメラを固定するためです。部屋を暗くするのは、余計な映り込みを避けるためと、余計な光源が混じってしまわないようにするためです。ベストを尽くすなら、被写体の周りは黒や灰色など、無彩色のもので囲っておくと、色かぶりと映り込みを防げます。

少しイメージが沸きづらいかも知れませんので、スタパさんの記事にあった「LEDライトセイバー 撮影 - YouTube」の中から、参考になりそうな動画を一つ貼っておきます。ちょっと下品な動画ですが(笑)


上の動画では周りを黒く囲っていないので、それほど完璧ではありませんが、一応ああいう感じで撮影します。LED照明で「塗る」イメージ、何となくわかったでしょうか。照明を動かす際、勢い余って照明を写真の構図内に入れてしまったり、レンズに直接光を当ててしまわないように注意しましょう(ゴーストやフレアの発生、余計なものを映り込ませないようにするためです)。

光の当て方でどう変わるか

LED照明&長時間露光によるブツ撮り写真の良いところは、光の当て方次第で変幻自在な写真撮影が可能なところです。

左、右、奥、手前の二次元ではなく、上方向や距離など三次元で光を当てる必要があるため、同じ写真は二度と取れません。難しいですが、奥はかなり深くて楽しい撮影方法です。失敗してもいくらでもやり直せるデジカメの利点です。

試しに右上奥方向から長めに照明を照らして撮ってみました。写真はこんな感じになります。


次に右手前から照らす時間を増やして撮ってみた写真です。右下のUSB端子の近辺の影がかなり薄くなりました。普通の一灯撮影ではまず撮れない写真です。


次に上方向から照らす時間を増やして撮ってみた写真です。コントローラ正面のテカり具合が変わりました。コントローラ手前の影も二重になっていて、いくつも光源があるかのような写りになっています。


というわけで、光の当て方(塗り方)によって、写真の仕上がりは大きく変化します。LED照明一灯しか使っていないのに、まるで高級な照明を多灯撮影したかのような仕上がりにすることも可能です。どこに何秒当てるか、それは繰り返し撮っていく中で試行錯誤していってください。

カメラの撮影設定について

カメラの設定は、まずはマニュアルモードが基本となります。長時間露光を設定できるデジカメでないと撮影できません。絞りF8、シャッタースピード10秒、ISO感度200くらいを基準にしてください。あとは撮影後のプレビューを見て調整します。人によって持っている照明の明るさが違い、被写体によって反射率も変わってくるので、全員同じ設定とはいきません。

まずは絞りF8、シャッタースピード10秒、ISO感度200に設定して、試し撮りしてみてください。光を当てる距離や時間によって明るさや仕上がりも変わってきます。

プレビュー画像を見て写真が暗かったら、絞りのF値を小さくするか、ISO感度を上げてください。プレビュー画像を見て写真が明るすぎたら、絞りのF値を大きくするか、ISO感度を下げるか、シャッタースピードを速くしてください。シャッタースピードを変えると、LED照明を振る時間も変わってくるので、やりやすい時間を探してみてください。オススメは、5秒〜10秒くらいです。絞りやシャッタースピードの関係を知りたい人は、「絞り値、シャッター速度、被写界深度の関係を覚えよう!」も参考にどうぞ。

三脚について

三脚は、ブレずにカメラを固定できるものであれば何でもかまいません。三脚にセットしてシャッターを押す際は、なるべくレリーズケーブルやリモコンやセルフタイマーを使ってください。使わないとブレる可能性があります。

三脚を持っていない人は、Amazonで安い三脚を手に入れることが可能です。自分も持っていますが、「King Fotopro 軽量コンパクトアルミ三脚(4段)」なら1000円ちょっとで売られていますす。縮長38cmなので鞄に入るコンパクトさで、3WAY雲台・クイックシュー・水準器・エレベータを装備していて、送料込み1000円ちょっとです。ミラーレスカメラで動画を撮るとき、旅先に持って行くのに重宝しています。

試しにフルサイズ一眼レフのニコンD700を乗せてみたら、強度不足で全然耐えられませんでした。雲台とクイックシューがセットなのがこの三脚の良いところですが、重い一眼レフに耐える性能は備えていません。この三脚の対応はコンデジから重くないミラーレスまでです。三脚を購入する際は、使用するカメラとレンズに合わせて選びましょう。

LED照明について

LED照明についてですが、実際にやってみてわかったことは、別にLED照明である必然性はなかったということです。別に白熱電球や蛍光灯でも撮れます。白熱電球よりは蛍光灯の方が良いのですが、演色性の面において蛍光灯よりLEDの方が優れているかはわかりません。今回使ったLED照明は、色温度が高すぎてダメダメでしたし。

ただ、蛍光灯は光が安定するまでに時間がかかる上、熱を発してしまうのに対し、LEDは最初から明るくて低発熱で取り回しやすいという利点があります。

撮影中に光を当てる際、点光源よりも面光源の方が光を「塗り」やすいです。つまり照明を直に当てるよりは、トレーシングペーパーなどでディフューズした方が良いです。したがって、熱くならないLED照明の方が向いていると言えます。演色性が高く、太陽光に近い色温度で、照明の強さを可変できる面型のLED照明をディフューズするのがもっともベストなのではないかと思います。

そんなLED照明をいちいち用意していられない、という人は、普通の懐中電灯やクリップライトやスタンドライトでも撮影できます。大きいと振り回すのが大変ですが。

そういうことを考えると、 スタパさんの紹介していたLEDてるてる棒はうってつけなのだろうと思います(自分で試したことはないので評価できませんが)。

光の当て方によって質感が変わってしまうので注意

光の当て方については、たとえばシャッタースピード10秒で撮影するなら、その10秒間のうち、右から何秒、左から何秒、手前から何秒、奥から何秒、真上から何秒、斜め上から何秒…といった形で光を当てていきます。使う照明は一つですが、多灯撮影のようにさまざまな角度から光を当てて、影を柔らかくしたり、あるいは影を強くしたり、光を自由自在にコントロールできます。この自由度の高さこの撮影方法の良いところというわけです。

ただ、注意しないといけないことは、光の当て方によって質感が全然違うものに変わってしまう可能性があることです。

たとえば、2種類のコントローラを今回の「LED照明&長時間露光による物撮り写真撮影」方法で一枚写してみました。部屋の照明で照らすよりも影が柔らかい仕上がりとなっています(もう少し明るく写すべきでしたが)。


次に、機材も構図も全く同じ状況で、もう一度「LED照明&長時間露光による物撮り写真撮影」方法で一枚写してみました。上の写真と見比べてみれば、コントローラの質感が全く違うことに気づくはずです。特に左の黒い灰色だったコントローラの色は、明るい灰色に光っています。


このように、光の当て方によって質感が変わってしまうので、撮影の際に注意しましょう、ということです。これは物撮り撮影全般に言える、表現方法の難しいところですが。

というわけで、デジカメ、三脚、LED照明を持っていれば、まるでプロのような写真が撮れる「LED照明&長時間露光による物撮り写真撮影テクニック」のまとめでした。