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どこまで写るのか!オリンパスのボディーキャップレンズBCL-1580レビュー

2012年10月15日 カメラ・写真

BCL-1580 15mm F8.0 1/30秒 ISO160

1円玉より薄い!?オリンパスのボディーキャップレンズBCL-1580を買ってみたので、早速試写してみました。あまりにも薄いレンズなので、もしかしたら「画面が白っぽくなってコントラストが低くて、シャープさのかけらもないボヤボヤな写真になったりするのでは?」と心配していました。

実際に撮影してみればすぐにレンズの実力はわかるので、早速撮影に行ってきました。オリンパスの「ボディーキャップレンズ BCL-1580」は、15mm(35mm判換算で30mm) F8.0の広角レンズです。28mmの広角レンズに慣れている人にとっては、違和感なく使える画角です。

さて、どれほど実用的な写りをするのでしょうか。

近接撮影は見事!

まずは、MFレバーを最短30cmに合わせて、近接撮影をしてみました。レンズが薄いので、あまりシャープには写らないと思っていたのですが…!?

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO2000

想像をはるかに超える写りで驚きました!シャープさ、色乗りなど、ボディーキャップだと言われなければわからないほど良く写っています。「ボディーキャップのおまけとして写真も撮れる」というレベルは簡単に超えていて、普通にレンズとして使える描写です。驚きました。


BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO2000

難点は、絞りF8固定なので、あまり明るくないとISO感度を上げなくてはいけない点です。この時は絞り優先モードでシャッタースピードを自動にしていたら、勝手に1/125秒になっていて、ISO感度が2000まで上がってしまっていました。マイクロフォーサーズでISO2000はなかなか厳しいので、シャッタースピードをもっと遅くしておくべきでした(広角レンズなので、1/30秒や1/40秒くらいでもあまりブレないはず)。

遠景撮影ではそこそこの周辺光量落ちあり

近接の次は、MFレバーをパンフォーカス位置に合わせて、もう少し遠くの被写体を写してみました。

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO250

近接撮影の描写に比べると、写りは一歩も二歩も劣る感じです。パッと見てわかるのは、周辺の光量落ちと、それに伴うわずかな色被りです。また、拡大して見るとわかりますが、画面中央はシャープですが、周辺は少しぼやけています。

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO400

こういうトイカメラ的な写りをするレンズというのは、それはそれで魅力が合ったりします。周辺光量落ちを活かしつつ、コントラストを高めに撮影すると、印象的な写真が撮れたりします。

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO1600

周辺の描写がイマイチなら、「周辺にピントを合わせない」撮り方をすれば良かったりします。こういう写真なら、何の問題もなく普通に撮れます。

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO500

ボディキャップレンズ恐るべし!という感じでした。「遠景をパンフォーカスにシャープに写す」という用途以外ではなかなかの性能です。

フォーカス位置とボケ方チェック

BCL-1580」のMFレバーが止まるところは、30cm、パンフォーカス、無限遠、閉です。30cmは近接時に使えば良いとして、パンフォーカスと無限遠は、遠景を撮る時にどちらを選択すべきか迷います。

バリアを閉じた状態 近接30cmの状態

いろいろ試してみましたが、遠景を写すのであれば、パンフォーカスか、あるいはパンフォーカスを少し通り過ぎて無限遠の手前辺りがベストでした。

下の写真は、パンフォーカスをわずかに通り過ぎた位置にセットしました。ピント位置は中央の車の辺りです。この車より後ろは全てシャープに写っています。一方で、この車より手前の部分は、想定する被写界深度よりも大きくボケているように見えます。特に周辺の木などは、大きめにボケています。ということは、後ボケよりも前ボケの方が強めに出るレンズということです(収差的に)。後ろのビル辺りをシャープに撮りたいなら、今回のようにパンフォーカスを少し通り過ぎた辺りがベストです。無限遠にセットする必要はありません。手前の木のことを考えるのなら、何も考えずにパンフォーカス位置にセットしておけば良いと思います(パンフォーカス位置と無限遠位置の間に調整するのも大変ですし)。

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO500

また、このボケ方が気になるのは遠景を撮った場合だけで、近接撮影では特に気になりません。

BCL-1580 15mm F8.0 1/125秒 ISO2000


BCL-1580」は、レンズの特徴を覚えて、使い方さえ理解してしまえば、ボディキャップレンズとして十分な性能を発揮してくれるレンズでした。

「画面が白っぽくなってコントラストが低くて、シャープさのかけらもないボヤボヤな写真になったりするのでは?」という心配は杞憂に終わりました。意外と良く写ります。でも、本気で撮るなら、やっぱり普通のレンズを使った方がいいです。このレンズは、「ボディキャップの薄さで、これだけ写る」というのが特徴なので、高性能レンズ並みの写りを期待していると、さすがにガッカリすると思います。どれくらい写るのかわかりにくい人は、「高倍率ズームの絞り開放時くらいの描写」と覚えておくと、どの程度の性能かわかりやすくなります。

自分としては、この薄さでこれだけの写真が撮れれば満足です。しかも、5000円でお釣りが来るレンズですからね。

写真がそれなりに良く写るのはわかったので、今度は、動画でどれくらい写るのか試してみたいと思います。

続き1BCL-1580で撮るお台場ダイバーシティガンダム
続き2ボディーキャップレンズ BCL-1580で動画を撮ってみた