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キヤノンは「EOS M」を売る気がないのか

2012年09月04日 カメラ・写真
キヤノンから今月中旬に、待望のミラーレス一眼「EOS M」が発売されます。大手カメラメーカーの中では最後発で、キヤノンユーザーからも他社ユーザーからも、Canonのミラーレス一眼の完成度に注目が集まっています。

そんな中、日経トレンディネットに、キヤノンマーケティングの企画本部長のインタビューが掲載されていました。

記事タイトルにもある「専用レンズが2本しかないワケ」が気になります。2ページ目の見出しに、このように書かれていました。
専用レンズの少なさは、一眼レフへのステップアップを重視したことの現れ

ステップアップ?キヤノンの中では、「ミラーレス一眼は一眼レフの格下」、という位置付けのようです。そして驚きのコメントがありました。
EOS Mを十分に使いこなせるようになれば、性能面で満足できなくなる日がいつか必ずやってくる

「EOS Mを十分に使いこなせるようになれば、性能面で満足できなくなる日がいつか必ずやってくる」。このコメントは、Canonのミラーレス一眼に期待していた人に向けるコメントとして適切なのでしょうか。馬鹿にされたような気分になってもおかしくありません。

また、このようにもコメントされています。
一眼レフにステップアップする際、EOS Mの専用レンズは利用できないが、EOS MでEFレンズを使っていれば、すべてそのまま使ってもらえる

「一眼レフにステップアップ」。キヤノンの中では、ミラーレス一眼は一眼レフの完全に格下扱いのようです。

「EOS Mを十分に使いこなせるようになったら、性能面で満足できなっちゃうよねー」なんてメーカー側から言われたら、買う気をなくします。「だったら初めから一眼レフを買おうかな」と思わせるような気もしますが、そもそも一般の人が一眼レフを買わない理由を理解しているのでしょうか。

「デカくて、重くて、高い」からです。

いざ大金を出して一眼レフを買ってはみたものの、大きくてかさばるし、そのまま持ち出さなくなってしまう人もたくさんいます。

「一眼レフが上で、ミラーレス一眼が下」、そんな上下関係はありません。手に入れたカメラは使わなくてはただの置物だし、使うためには持ち出さないといけません。どんな決定的瞬間も、その時カメラを持っていなくては撮影できません。「大きくて重い」一眼レフを家に置いたままでは、重大な機会損失を生みます。いつでも持ち歩けるカメラの方が、結果として優れていると考えることだってできます。

「ミラーレス一眼は一眼レフへのステップアップ」などという考え方はやめて、「EOS M」のレンズシステムを拡充させた方が良いと思います。「EOS Mを十分に使いこなせるようになったら、性能面で満足できなっちゃうよねー」ではなくて、性能面で満足できる専用のレンズをユーザーに届けるべきです。